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「子供の性のめざめ」に対峙する前に知っておきたいこと

こんにちは。READY BOXのブログ担当yukiです。こちらのブログではユネスコが発表した「国際セクシュアリティ教育ガイダンス」を参考に、お家でできる月経教育・性教育のコンテンツを発信していきます。

今回は同書「セクシュアリティと性行動」の章から自分のからだに誇りを持つということについて考えていきます。<知識><態度>の2点から少しずつ実践していきましょう。

<知識>身体的な喜びや興奮は自然な人間の感情であり、そこには他者との身体的親密さがふくまれうることを理解する。

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お子さんが「性的な言葉を検索していたことが検索履歴を見てわかった」など、現代において子供が性的なコンテンツにアクセスするのはかなり簡単になってきています。「エロ本を見るなんて高校生くらいがやることでしょ?」と親は思っていたけれど、小学生の子供が学校で卑猥な言葉を覚えてしまい、それを検索し、性的なコンテンツにアクセスしていた、などということもよくあることです。

たしかに、危険なサイトにアクセスすることを禁じたり、むやみに他者に触れることを注意したりすることは、子供を守るためにも必要です。ですが、だからといって自然におこる性的興奮や喜びを全て否定してしまうのは、当たり前におこる感情(うれしい、かなしい、たのしい、など)を否定するのと同じことです。将来、身体的な喜びを自由に感じることが難しくなったりすることは、その子の人生の喜びの一部を奪ってしまうことにもつながります。

そもそも性的な喜びや興奮は、悲しい時に涙がでたりするのと同じように、感情や外的刺激に伴って起きる自然なことです。

「性欲」というワード自体が汚らわしいものとして扱われることが多いため、どうしても自然だとは感じづらいかもしれませんが、性欲には男性ホルモンや女性ホルモン、自律神経、視床下部にある性的二型核など、その他様々な器官が関わっていると言われています。体の中にもともとあるホルモンや器官がその生起に関わるのです。もちろんそれだけでなく、様々な外的刺激によっても性的興奮は起こります。例えば、パートナーの匂いをかぐと興奮する、パートナーに触れられると興奮するなど人によって興奮するトリガーがありますよね。これは五感から受け取った情報が前頭前野で集約されて処理され、このときにイマジネーションが働くからと言われています。

たとえば「パートナーの肌に触れる」ことで「そのからだに包まれたいと思う」などです。逆に外的刺激によって全く性的興奮が起こらないという人もいます。

このように、性的な興奮が何によってもたらされるかは人によって違いますし、どんな変化も自然におこることです。もちろん保護者からすると、子供の性のめざめに対峙することは、心理的にも受け入れづらいかもしれませんが、まずは幼少期から、こどもを1人の個人として対峙し、その子が感じる様々な感情を受け入れていくことから始めてみるのがよいかもしれません。

<知識>身体的感覚を表す多くの言葉があり、それらには他者にその感覚を示すものや他者と親密になることにかかわる言葉もあるということを理解する

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そのステップとして、自分の身体に触れた時に感じることを言葉に出してみるのもよいかもしれません。例えば、お外遊びに疲れた時に足を揉んで「気持ちいい」という感情。夜寝る前にママに抱きしめてもらって「安心する」という感情。好きな子と手を繋いだ時に「緊張する、ドキドキする」という感情。様々な身体的感覚を言葉で確かめてみましょう。

<態度>自分の感情を他者に示したり他者との親密さを表現する方法に関して、適切な言葉や行動と、不適切な言葉や行動があることを認識する

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そして、そういった感情を言葉にできるようになると、性的なことに関しても親子間で会話がしやすくなるかもしれません。例えば、お子様の性器いじりが気になった時に、「どうしてさわっちゃうのかな?」と聞いてみて、それが緊張やストレスによるものなのか、単純に気持ちいいからしているのかなど、お子様自身が話せると誤解せずに済んだり、代替案を一緒に考えることもできます。

たとえば、気持ちいいから性器いじりをしている場合は、気持ちいいことを否定するのではなく、それ自体は悪くないが、人がみると不快に感じる可能性があることを伝え、性器をいじりたくなったら自分の部屋やトイレでやる、人前ではしない、などのルールを決めることもできます。他に、不安やストレスから発生している場合はその原因自体をなくせないか考えたり、抱きしめる、話を聞く、など別の手段が有効ではないのか確認するなどです。

いかがでしたでしょうか?親としても難しい「子供の性のめざめ」。対応の仕方で悩まれている方に、今回のブログが少しでもお役に立てれば幸いです。次回以降も、家庭教育で役立つコンテンツをお届け予定です。疑問や感想など、ぜひコメントお待ちしております!

【この記事を書いた人】
三上ゆき(READYBOX副代表・ライター)
2018年新卒で㈱LITALICOに入社し、発達障害をもったお子様の授業プランニングなどを担当。その後転職し、㈱リクルートにて法人営業を3年間担当。現在はフリーランスとして活動している。


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