棘下筋の_触診レシピ

棘下筋

ローテーターカフの1つ棘下筋

棘下筋は、上部・中部・下部の3つの線維があって、上部と下部は中部に比べて厚いんです

図で示すとこんな感じ。(全部表示されないので、クリックしてください)

では、実際に触れてみましょう!


棘下筋と触診


まずは動画でサクッと説明

触診で気を付けたいポイントは2つ

❶筋腹は起始より停止側で太い
❷小円筋と間違えやすい

筋腹は停止側で太いから、当然そちら側で触診は分かりやすい。

停止側から触れるとき、まずは上腕骨大結節を探し当てましょう。その上端から1横指遠位が棘下筋の下縁です。

上の内容や棘下筋の走行については、志水さんのツイートですごくイメージがつきやすいです。


ここで注意点を1つ。

棘下筋の下部線維と小円筋を間違って触りやすい

上部線維の一部は肩峰に覆われてるので、触れたその筋腹は中部線維か下部線維であることが多いはず。

だから、今触れている筋が棘下筋の下部線維なのか、あるいは隣接する小円筋なのか判断できるようにならないといけません。

間違えやすい2つの理由

❶棘下筋下部線維と小円筋の走行が似ている
❷触れたときの感覚が、両方とも「コロっ」とした感じ


そんな棘下筋下部線維は1~2横指ほどの幅で、小円筋の筋腹幅は1横指もありません。

違いを明確にするには肢位を変えて収縮を感じるのが1つの方法✨

「筋線維の走行」「長さ-張力曲線」の視点で考えます。

1st positionでの外旋:

⇨棘下筋上部線維の走行が運動方向と同じで、収縮を強く感じれる


2nd positionでの外旋:

⇨肩外転によって上部線維が緩み、下部線維が伸張される

⇨下部線維の走行が運動方向と同じで、上部線維より収縮を感じやすい

⇨上腕骨と上部線維は肩甲骨に対して垂直に走行するようになるので、外旋よりも水平伸展の動きを出す


90°屈曲位での外旋:

⇨棘下筋よりも小円筋で収縮を感じやすい

上部線維なんか外旋方向に走行してないし、下部線維にしたって走行が外旋方向ではあるけど、上腕骨の外旋運動をするには小円筋より角度的に不利ですよね。


棘下筋とストレッチ



さすが、たくみさんのワンレッスン動画はいつも分かりやすい✨

ポイントは2つですね!

❶肩甲骨の動きを止めること
❷上腕骨の伸展・内旋を誘導すること

簡単そうに聞こえますが、特に「❶肩甲骨の動きを止める」っていうのは意外と難しいです。

たくみさんご自身のイメージも聞いてみたいですが、この動画を実践した僕の個人的な感覚

・肩甲骨の前傾を止めるために、手掌で肩甲骨遠位部を抑える

・三角筋後部線維と棘下筋の滑走性も一緒に出したいから、母指をそこにあてがうために手根よりの手掌で肩甲骨を抑える

・母指は三角筋後部線維と棘下筋・小円筋の間へ入れ込んで、前に押し出す

三角筋後部線維と棘下筋・小円筋の滑走性はめちゃくちゃ大切ですよ!詳しくは次のエコー動画の章でお話ししますね。


僕は今まで肩関節周囲筋のストレッチをするとき背臥位が多かったですが、今では側臥位で行うことが多いです。

理由は1st/2nd/3rd positionすべてをとれて、施術・効果測定をしやすいから。

だから効果測定をするために、たくみさんのエクササイズを行った後そのまま結滞動作もおこなって逐一チェックします。


こちらは志水さんのアプローチ方法。

・背臥位で

1b抑制に加えて反回抑制の要素も組み込んで

行われてます。


棘下筋とエコー

エコーと言えば志水さん✨

そして、今回は郷間先生@FujikataGomaともコラボさせていただきました!

郷間先生、この場をお借りして改めてありがとうございます✨


この2つを見て何を感じ取るか。

僕はエコー触診はしたことがありません。ですので、体表触診を行うときにどのように活かしていけるかという視点でいつも勉強させていただいています。

❶棘下筋の走行
❷滑走性の大切さ

棘下筋の触診をするとき、僕は上部・中部・下部の合流部を必ず探します。そうすればそれぞれの線維に対して個別のストレッチを行うことができるから。

そのためには患者さんがどんな体位でどんな肢位でも、頭の中で走行をイメージできることが大切。

僕の場合これらの動画を見て

結節間溝レベルの外側に棘下筋があって、こんなにも滑らかに三角筋の深層を滑走するんだと分かって衝撃を受けました(走行に関してはただの不勉強です...)


エコーから臨床へ落とし込む

この動画を見た後から臨床で強く意識するようになったこと

痛みなくできる肩外旋を、自動で、最大の関節運動範囲で行ってもらう

考えてみれば当たり前。でもその当たり前も臨床を繰り返すと局所にのめり込みすぎてしまい、抜けてしまうことがありました。

筋へアプローチするときの生理学的要素は3つあります。ここでまた、たくみさんのツイートをご覧ください。動画解説されています✨


❶1a抑制

❷1b抑制

❸反回抑制

1アプローチの中により多くの要素があると最高ですよね✨

さらに自動運動を行うことで得られるメリットはもう1つ。それは熱産生

自動運動で熱が生まれることで、筋の粘弾性が変化してほぐれる効果が高まる可能性が上がります。


この運動を側臥位1st positionで行ってもらいますが、そのときのポイントは

肩甲骨を止めて純粋な肩甲上腕関節の外旋を促してあげる

内側縁を小指全体で当てて、手根は下角へ、手掌全体を肩甲骨に押し当てます。

こんな感じです✨


メンバー紹介

エコー担当:志水さん(@echohuku

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Twitter:エコーと肩についての情報をわかりやすく発信しながら、これからのセラピストの生き方についてもつぶやいています。

note:【Twitterの『わかりやすい』を、『臨床で使える』】をコンセプトにコンテンツを発信😁


触診&エコー担当:Yoshikiさん(@PtGekikara

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運動器エコーカレッジ:解剖生理学を基礎として客観化を図り、エビデンスと技術を融合する。優良なエビデンスや、エコーで可視化、cadaverの実際など、様々な知識を放出していきます。今後開始予定。


治療担当:たくみロドリゲス(@TakumiRodrigues

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・実践!ゼロから学べる肩肘の臨床:足のスペシャリスト5人によるマガジン。肩肘の機能解剖から評価・エクササイズ、エコーなど基礎的な内容からマニアックな内容まで配信中

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臨床家のための無料ブログを投稿中!


ライタープロフィール

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整形外科中心の急性期病院で働いています。スポーツは陸上競技が好きで、地域の陸上教室でトレーナー活動もしています。

Twitter:触診・臨床について発信中 ✨

Blog:ランナー向けに情報発信中✨

YouTube:触診動画を配信中

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