足関節捻挫と触診
外側側副靭帯と外側縦アーチ
足関節の外側側副靭帯は、もう言わずもがな。
・前距腓靭帯
・踵腓靭帯
・後距腓靭帯
内側と外側の靭帯は、内側の方が発達しています。荷重時に内側にストレスがいきやすいからですね。
そんな強度が弱い外側側副靭帯の中でも、前距腓靭帯が最も脆弱と言われています。
関節の構造的には
・外果は内果に比べて遠位にある
関節の運動学的には
・内反=底屈+内がえし+内転
・外反=背屈+外がえし+外転
このような特徴があるので、足関節の内反捻挫は起こりやすく、それに伴って靭帯損傷も起こります。
リハビリでは、患部の状態を把握するために圧痛所見をとりますよね。
さて、今回は圧痛所見をとるための触診レシピ。前距腓靭帯って思いのほか難しいんですよ。
正確な触診は、自信をもったリハビリにつながります✨
前距腓靭帯と触診
前距腓靭帯の触診って、この靭帯が関節包靭帯で周囲組織との境が分かりづらいんですよね。
前距腓靭帯の触診ポイントは3つ
❶外果の付着部
付着部がどこにあるのか。
分かりづらければ伸張させるという点では靭帯の触診と筋の触診は同じです。
でも分かりづらいとき...
筋であれば分かりづらければ収縮を促して辿っていくことができますが、靭帯はそうはいきません。
なので、正確な付着部の理解が靭帯の触診の第一歩!解剖学ってつくづく大切
❷上縁から触れる
前距腓靭帯と周囲組織の境を探すために、指腹をあてていきますよね。
そのときぜひ靭帯の上縁側を意識してみてください。
下縁に比べて上縁側では、周囲組織との段差が分かりやすいと思います。
❸足関節中間位での走行は、床面に対して水平に近い
解剖学の教科書を見れば確かに角度はあまりなく、水平に近い角度で描かれています。
でも、僕の昔のイメージは前内方。だから触診は"できてるつもり"でした。
イメージは水平です。水平。
踵腓靭帯と触診
ポイントは2つ
❶腓骨の付着部
これは前距腓靭帯のところでもお話したように、筋と靭帯では収縮の有無に違いがあるためでしたね✨
❷足関節中間位のとき、下腿長軸に対して約40°後下方に走行
真下に走行しないんですねー笑
もちろん僕の不勉強のせいなんですが、これを知ったときには衝撃を受けた記憶があります笑
さぁ実際の触診では、踵腓靭帯の表層に腓骨筋が通ってるので、腓骨側よりも踵骨側で触れやすいです。ぜひ試してみてください!
足関節内反捻挫と整形外科的テスト
さぁ登場いたしました!我らがたくみさん✨
----------------お知らせ-------------------
たくみさんはnoteマガジン「運動器リハのすべて」を運営されています。
月額500円で月10回の配信。動画・イラスト・文献紹介など、マガジン名の通り運動器リハのすべてが凝縮されており、僕ももちろん購読中✨
最近では、購読者が100名を突破されるなど勢いに乗るマガジンです( ^ω^ )
-------------------------------------------------
❶前・前外方引き出しテスト
❷内反ストレステスト
この2つが王道ですね✨
❶の前方引き出しテストは教科書に必ず記載されている内容ですが、特に動画内で説明にあるように最近では前外方引き出しテストが注目されています。
前方引き出しテスト👉足関節中間位から前方に引き出す
前外方引き出しテスト👉距骨を内旋させながら前方に引き出す
前方引き出しテストを行う場合には、足関節の肢位を変えてみるのも面白い。
中間位👉踵腓靭帯
底屈位👉前距腓靭帯
こんな感じで僕は使い分けをすることがあります
引き出すのが苦手〜という方は、踵骨の軸に沿って手掌で大きく包み込むように把持すると反応が出やすいですよ!
リハビリのワンポイントレッスン
捻挫後、背屈制限が生じやすいので是が非でも可動域は元に戻したい。
いろいろなお考えや方法があると思いますが、こちらもぜひ参考にしてみてください✨
もちろん、たくみさんのツイートからです笑
ちなみに、前面軟部組織に対して評価・アプローチをする場合
・前脛骨筋
・長母趾伸筋
・長趾伸筋
それぞれの腱をしっかりとたどれるようにしておきましょう。
こちらの評価・アプローチは面白いですね!僕も早く臨床で使ってみたい!
*動画説明の修正があります
・後脛骨筋の評価は軽度外反位
・長腓骨筋の評価は軽度内反位
で行います
前距腓靭帯とエコー
エコーと言えば志水さん✨今回もバッチリ綺麗な前距腓靭帯のエコー動画をツイートされていました
前距腓靭帯のエコーが見れるようになると剥離骨折の有無も確認できるので、便利ですね!
患部状態の把握や検診などに使えますし、これからの運動器リハにエコーは重要な役割を担ってきます。
当然、エコーを読影できる能力も求められてきますね
------------お知らせ---------
志水さんのYouTubeチャンネル「Shimizu Log」では、エコー・触診について発信されています!!
開設1ヶ月ちょっとですが、登録者はうなぎ登りで何より丁寧な解説は頭にすんなり入ってくるのでオススメの学習ツール✨
-------------------------------
踵腓靭帯とエコー
こちらはコラボ初参戦していただきました、tanakaさんのツイート
冒頭でもお話したように、腓骨筋の深層に踵腓靭帯があるのがはっきりと分かりますね!
ですので、tanakaさんの場合はランドマークを腓骨筋と書かれています✨
------------お知らせ---------
tanakaさんのツイッターアカウントでは、運動器エコーに関する情報を「#運動器超音波のススメ」で発信中!
上肢〜下肢まで幅広くツイートされてますので、要チェックです✨
-------------------------------
メンバー紹介
エコー担当:志水さん(@echohuku)
Twitter:エコーと肩についての情報をわかりやすく発信しながら、これからのセラピストの生き方についてもつぶやいています。
note:【Twitterの『わかりやすい』を、『臨床で使える』】をコンセプトにコンテンツを発信😁
YouTube:エコーや肩関節について分かりやすく発信中。その名も「Shimizu Log」
触診&エコー担当:Yoshikiさん(@PtGekikara)
運動器エコーカレッジ:解剖生理学を基礎として客観化を図り、エビデンスと技術を融合する。優良なエビデンスや、エコーで可視化、cadaverの実際など、様々な知識を放出していきます。今後開始予定。
治療担当:たくみロドリゲス(@TakumiRodrigues)
note有料マガジン
・運動器リハのすべて:運動器に関する内容を見て・聴いて覚えられるよう、記事と動画コンテンツを週2回配信中
・実践!ゼロから学べる足の臨床:足のスペシャリスト5人によるマガジン。足の機能解剖から評価・エクササイズ、靴など基礎的な内容からマニアックな内容まで配信中
・実践!ゼロから学べる肩肘の臨床:足のスペシャリスト5人によるマガジン。肩肘の機能解剖から評価・エクササイズ、エコーなど基礎的な内容からマニアックな内容まで配信中
臨床の限界を追求した情報サイト CLINISCIANS
臨床家のための無料ブログを投稿中!
ライタープロフィール
運動器リハの中でも下肢疾患が大好き。今は上肢の魅力にも取り憑かれ、日々勉強中!
Twitter:触診・臨床について発信中 ✨
Blog:ランナー向けに情報発信中✨
YouTube:触診動画を配信中✨
みなさんからの「いいね」・「スキ」・「フォロー」が僕のエネルギーの源になります。どうぞ、よろしくお願いいたします!
最後までお読みいただき、ありがとうございました!! 少しでも内容に共感してもらえたり、興味が湧いたら『いいね』してもらえると、飛んで喜びます✨