フェイブルマンズ
映画が好きです。
【眼の前の世界と、レンズ越しの世界】
巨匠スピルバーグ監督の生い立ちを描いた物語。
幼いサム少年の想像力とその再現力の理解者だった母は、サムにビデオカメラを渡した。
サムはそのビデオカメラで、2人の妹たちを演出し、《撮る》ことにどんどんとハマっていった。
やがてサム少年は、ボーイスカウトの仲間たちと動画作品の撮影にのめり込んでいった。
サムは自分の撮った動画を《編集》し、サムの作品は上映の度に仲間たちからも家族からも大好評となった。
ある日、サムの家族6人は、父の仕事のパートナーであり大親友のベニーおじさんと一緒にキャンプに出掛けた。
キャンプ場でもサムはビデオカメラを回し、家族やおじさんの楽しむ姿をたくさんフィルムに収めた。
楽しかったキャンプの後、母方のおばあちゃんが亡くなった。
母はすっかり意気消沈してしまい、塞ぎ込むようになった。
そんな母を励ます為に、父はサムに楽しかったキャンプのフィルムを上映して欲しいと頼んだ。
あまり乗り気で無かったサムが渋々キャンプのフィルムを編集し始めると、思いがけないものがフィルムに映っていて・・・。
サムの母は、とても若々しくて、明るくて、家族の中を照らす太陽の人。
サムの父は、物静かで優しく穏やかに家族を見守る月のような人。
ベニーおじさんは、面白く情熱的な人。
この3人の奇妙なバランス関係の歪に気付き、1人苦悩する。
思春期の長男のサムに感情移入せずにはいられない。
その後、家族の中で一種のゴタゴタを乗り越えながら、青年となったサムは自身の夢の可能性について模索する。
数々の関係者に手紙を送り、連絡の来た映像プロダクションで、サムは運命の出会いをする。
スピルバーグ監督がいかにして成功するかの序奏部分である子供時代が描かれているが、スピルバーグ監督の才能があれば、映画監督までの道のりなんて直ぐ。……かのように思える。が、私がこの作品で感じたのは、「“才能”だけでは成功はしない。」ということだ。
その才能を伸ばす恩師と出会い、才能を発揮できるチャンスがあって、人は成功という奇跡を手にできるのだと思った。
才能は誰にでもある。
それを活かせるか。
もっと伸ばせるか。
出会いの“縁”に恵まれるか。
成功とは、それらを見事に揃えることができれば・・・の話なのだ。
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