母性

映画が好きです。

［愛情とは何か？］

こう聞かれたら、何と答えましょう。

「見返りを求めず、無償に与えるもの。」

とでも私はお答えするでしょうか。

では、無償の愛を与えられた側はどうなるのでしょう。

このお話は、女性の母と娘３代の物語です。

CMや映画紹介では戸田恵梨香さんと永野芽郁さんの“母”“娘”の姿がフューチャーされ、その間で起こる愛憎劇なのかと思っていたのですが、戸田恵梨香さんの“娘”時代による大地真央さんの“母”との関係性から始まっていたのです。

大地真央さん演ずるお母さんは、戸田恵梨香さんを慈しみ、全身全霊を込めて大事に大切に子育てしました。

戸田恵梨香さんも、そんなお母さんを尊敬し、母の愛に応えて立派に育ちました。

　それは、母を愛するが故に、自分が嫌いな絵も母が気に入れば好きになり、結婚相手さえも母が気に入れば籍を入れる程、母の意見が娘の全てでした。

他者から見ると、「束縛」「支配」と映る関係ですが、母は全く娘に対し命令や従属などという気持ちはありません。もちろん娘にも、他者にから「束縛」や「支配」等と言われたら、烈火の如く怒るように娘の方にもそんな言葉は一切当てはまりません。

お互いがお互いを「１番大好き」で、娘は母に嫌われたくない。もっと自分を好きになって欲しい。

そんな幸せが続く中、戸田さんのお腹に命が宿り出産します。

大好きなお母さんの愛情が自分の娘に向き始めたのです。

私は、この映画を観ながら、家族とは仲が悪いくらいの方が健全なのかもしれないな～。と思いながら観ていました。

最近の子供たちには反抗期が無いと言います。

「男らしく」「女らしく」なんてナンセンスなこの時代で、昔のお父さん像の様にちゃぶ台をひっくり返すようなご家庭も無いでしょうし、職種が多様化し、永年雇用も無いこのご時世に「親のレール」なんて言葉も最早死語。

ウチの子供たちを見ていると、反抗する理由が無いようにも見受けられます。

　しかし、中学生時代には鬱々とした気持ちの捌け口で壁に大きな穴を拵えられたのですが💢(笑)

そして、結婚を期に家族はもう１つ増えることになります。

戸田恵梨香さんと旦那さんと永野芽郁さん家族は、住まいが災害にあい、旦那さんのご実家の敷地内に離れを建てた、半同居生活をすることになります。

お義母さんが嫁を使用人扱いするような人で、典型的な嫁いびりを受けながら、戸田さんは息を潜めてお義母さんに尽くします。

　この家でも(義)母と娘の関係が描かれるのです。

「愛」というと、女性の話が多い気がします。

女性の方が愛情深いからでしょうか？

ここまでの内容で、「夫は？」とおもいませんか？

お義母さんからいびられる妻を見て、そのお母さんを見ながら不憫に思う娘を見て、夫は何をしているのか？

「そんな二人を見てるのが耐えられ無くて、家に居られないのよ」

浮気してました〜。

はい〜。

「どんだけーーーーっ❗💢💢💢」

しかし、私と同意見の永野芽郁ちゃんが本編でビシッとお父さんに正論を言っているので、是非とも映画館で御覧下さいませね❤️不倫相手の逆ギレにムカつきますけどもっ💢

さて、ここからは少し話しが逸れまして・・・。

以前鑑賞した【あちらにいる鬼】と今回の【母性】、どちらも旦那様が不倫するという共通がございます。

【あちらにいる鬼】は不倫相手目線で、【母性】は妻側(娘)の目線で描かれています。

【あちらにいる鬼】は豊川悦司さんだし、妻の広末涼子さんの方もそれを受け入れてるっぽいし、「ま〜え〜か。」なんて思って受け入れてしまいました。

　しかし今回の【母性】は、嫁は無償の使用人と思っているような同居の義母からは熱で体調が悪かろうと朝から晩までこき使われ、「夕飯の品数が少ない」「味がしない」「シャワーの湯を使い過ぎだ」「嫌なら出ていけ」と散々口喧しく嫌味を言われ、それに耐えながら、黙々と畑仕事と家事と育児を熟す妻を見て居られないから「サービス残業だ」と偽って不倫相手の女の家にシケこむだぁ？全く受け入れられません❗軽蔑に値します❗

と、不倫という不道徳なものが、描かれる立場で全く違うように映るのです。

これは、私が女で、妻と言う立場から見てしまうからそう受けてしまうのでしょうか？

今度は是非、不倫する旦那さんや奥さんの立場からの目線を描いた、「家に愛する(した)奥さん(旦那さん)と子供が居ながらも、そりゃあ不倫しちゃってもしょうが無いよね〜。」と思えるような作品を観てみたいものです。奏かなえ先生、よろしくお願いします！