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90年代は、小室哲哉より、織田哲郎派だった、J-POP育ちのカイトです。今日は、90年代を代表するグループ『DEEN』についてご紹介したいと思います。

DEENは、1993年にデビューした3人組のグループです。デビュー曲がいきなりミリオンヒットを飛ばし、その後もヒットを連発しました。

そんな中で、おそらく、40歳前後の世代にとって、最も印象に残る曲は、一色紗英が出演するポカリスエットのCMのタイアップ曲『瞳そらさないで』(1994)ではないでしょうか。

引用:DEEN Official YouTube Channel

青い空、白い雲。伸びやかな歌声が映える、まさに夏の青春を歌い上げる、永遠の王道曲です。

さて、あれから、30年。ついにDEENが、来年、デビュー30周年を迎えます。

ところで、未だ、DEENが第一線で活躍していることを意外に思われた方もあるかもしれません。

私自身も、DEENの90年代の楽曲は、今でもよく聴いていましたが、その後の曲は、ほとんど聴いたことがありませんでした。ところが、昨年、たまたま、DEENの新曲を聴く機会があり、その進化に驚いたのでした。

その曲が、こちら、2021年リリースの『twilight chinatown』です。いかがでしょうか?まさに、高校生の初々しい感性あふれるPV!

さらに、もう1曲、2022年4月にリリースされた、『mirror ball』という楽曲をぜひとも聴いてみていただきたいです。

引用:DEEN Official YouTube Channel

いかがでしょうか?短いイントロ、シティ・ポップ風のアレンジ、K-POP風ダンス、流行りのメガネ…まさに、現在の最先端のトレンドを取り入れているという印象を受けたのは、私だけでしょうか?

長く活躍するアーティストの多くは、多少のテイストの変化はあるものの、概ね、全盛期のスタイルを踏襲するケースが多いように思います。

DEENのように、デビュー30年経てもなお、リアルタイムで、「今日」の感性を取り入れているグループは、そうそういないのではないかと思います。

なぜ、このような、大変貌を遂げていったのか?これまでのDEENの歴史を振り返ってみたいと思います。


1990年代 ~デビューからピークへ~

90年代のDEENといえば、デビュー曲『このまま君だけを奪い去りたい』(1993)、『瞳そらさないで』(1994)、ドラゴンボールGTのエンディング曲『ひとりじゃない』(1996)など、多くのヒット曲を輩出しました。

引用:DEEN Official YouTube Chanelより。

いずれも、ZARDやWANDS、B’zなども所属したレコード会社『ビーイング』時代の楽曲です。CMやTV番組とのタイアップが多く、曲は、織田哲郎が中心に提供されていました。我々世代の記憶にあるDEENは、この時代の印象が強いと思います。


2000年代 ~多様な挑戦~

ディスコグラフィーを紐解くと、2000年代は、様々な活動をされていたようです。

まずは、韓国での活動の開始です。2000年代前半は、2002年日韓サッカーワールド杯開催の機運とともに、日韓が文化的にも政治的にも蜜月関係を築いた時代でした。その流れを受け、DEENも韓国へ進出したのかもしれません。

引用:DEEN Official YouTube Chanelより。 レールのない空へ(2004)。PVは韓国で撮影された。

一方で、2003年にDEENは、所属していたビーイングを離脱しています。理由は定かではないですが、90年代楽曲提供を受けていた、織田哲郎らのビーイング離脱と関係しているのかもしれません。実際、両者が離脱した後の2005年には、織田哲郎から楽曲提供を受けています。

引用:織田哲郎  T's Corporation 公式YouTubeチャンネル

もう一つの活動は、カバーアルバムのリリースです。実は、私も、最近まで、DEENがカバーアルバムを出していたことを知りませんでした。2002年に発表された、初のカバーアルバムは、和音~Songs for Children~。タイトル通り、子供へ向けた楽曲が多く収録されています。何かしら、心情の変化があったことが推察されます。


2010年代 ~20周年とメンバーの卒業~

その後、2010年代を通じて、楽曲を継続的にリリースしています。セルフカバー、洋楽曲カバーなど、カバー曲がDEENの主活動の一部となっていきます。

個人的に、再発見した曲は、DEENのデビュー20周年の年にリリースされた『二十歳』(2013)という曲です。ストーリー仕立てのMVの中で登場する、90年代カルチャーと、懐かしの8cm CDに、胸が熱くなりました。

引用:DEEN Official YouTube Chanelより。

しかし、2018年、デビュー25周年の年に、長く苦楽を共にしてきた結成メンバーのギタリスト田川氏が脱退し、独立。新たな体制でスタートを切ったのでした。

引用:DEEN Official YouTube Chanelより。


2020年代 ~現在、そして、未来へ~

そして、現在。昨今のシティ・ポップのトレンドを取り入れながら進化した姿は、冒頭にご紹介した通りです。

オリジナル曲に加え、カバー曲も積極的にリリース。松任谷由実、竹内まりや、山下達郎などの、日本のシティ・ポップ黎明期のアーティストに加え、桑田佳祐など、より幅広く、洗練されたカバーになっています。

引用:DEEN Official YouTube Chanelより。


90年代のDEENの活躍は、確かに目覚ましいものがありました。しかし、実は2000年代、2010年代、そして2020年代の現在に至るまで、それぞれの時代のトレンドを楽曲に取り込みながら、DEENは進化を続けていたのです。

そして、来年、2023年、デビュー30周年記念の年には、武道館でのライブ開催が決定したそうです。

DEENは「今」がイチバン熱い!そう、確信した、2022年の秋の夜なのでした。

東京生まれ、J-POP育ち|カイト


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