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【日記文学】報われない育児と、自己愛


私には5歳の息子がいる。名前はレイ。




レイは、「ダイソー」の常連客である。
というのも母が思うに、「ダイソー」は「育児」をする母親の味方なのだ。ご存知の通り、手軽で安価で、なんでも手に入る。つまりは、子供のおもちゃにピッタリ。あの「おかあさんといっしょ」の次に、力強い助っ人であり、ワンオペママの助っ人だと。私は思ってきたのである。

というわけで、レイと私はダイソー愛用者となり、通い詰めていた。すると恐ろしい結果、子供部屋がダイソーみたいになったのだ。つまり大体のおもちゃが我が家に集結したって訳。ミニカーも、恐竜のフィギュアも、ぬいぐるみも、パズルも、新幹線も、絵本も。息子の歴史と共に、ダイソーの歴史がわかるくらい。ヤッテシマッタ。
なので最近では「ダイソー禁止令」みたいなものが、私の心に掲示されたのだ。
別名「甘やかし禁止令」

だが、今日は数ヶ月ぶりに「ダイソー解禁」ということで。息子お目当ての「画用紙」を買いに行ったのだ。工作が大好きなレイ。母も「消耗品は仕方ないよね。」なんつって。そうしてダイソーに着いたらまず、
レイが言った。




「やっぱりレイくん。おもちゃがいいなぁ」


!?




それから「炎天下」と言う言葉がぴったりの午後だった。九月といっても燃えるような太陽。地球は「もう考え直して欲しい。」と言わんばかりの気温だった。そんな中、隣町の公園にてレイの水遊びが始まったのだ。

この夏。
「子供の水遊び」に付き添うのは容易じゃない。こちとら、紫外線対策どころではなく、命を守るために必死なのだ。(子供と、自分の命です。)
冷たい水に浸かっている子供はまだしも、炎天下に立ちっぱなしの親。脳内では常に、熱中症警戒アラートが鳴り響くようなもの。

と偉そうなことを述べつつも、久々の炎天下で早々フラついたのが私だった。そしてあっという間に旦那さんとバトンタッチ。
旦那さんは体力を犠牲に、30分ほど子守りを続け、汗でビッショビッショになりながら、死んだ魚みたいな目で付き添ってくれた。
グッジョブ。


これこそ最高のパートナーである。
マジで愛してる。いつも有難う。





帰り道には、「ヤマダ電機」に寄った。仕事の関係で、新しいパソコンが欲しいと言う旦那さんの希望で。「下見がてら、見にいこう」なんつって。
電気屋さんは涼しい。それだけで結構天国。
そう思って、のこのこ着いてきたのが間違いだった。そこから、旦那さんはパソコンを購入する流れとなり、なにやら携帯会社の乗り換えまで手続きをすることに。

私とレイは、「邪魔しちゃ悪いぞ。」ということでヤマダ電機の中をうろちょろすることになったのだ。そこからなんと予想外。うろちょろなんてもんじゃ済まない時間が経過した。

ゲームを見に行ったり、パズルを見に行ったり、レゴや太鼓の達人をやってるお友達を見学した。それから電子ピアノを弾いてみたり、アンパンマンのドラムセットもお試しした。キッズスペースでも、何度も何度も遊んだ。ガチャガチャの前を通るたび、2万回くらい「ガチャガチャやりたい」と言われたし、2万回くらい「今日はダメ」とも言った。そうして1時間半が経ったのだ。息子は体力おばけで、まったく疲れない。だが母はもう、本当におばけになりそうだった。

疲労と、睡魔に襲われ、マジで気が遠くなった。幻で、家のお布団が見えるくらい気が遠くなった。そしてそんな、ボーッとして、暫しヤル気のない母を見て、レイは言った。



「今日のママ、全然優しくないよね〜」


!?





育児とは「心の余裕」と「体力」を持ち合わせてナンボなのだろう。「母親はいつでも、笑顔でいるべきだ。」なんて教育者は言う。世間も言う。けど、なかなか上手くいかない今日だったもんで。どんなに上手くやろうったって、母親たるものサイボーグじゃないんだから。寝不足だったり、風邪気味だったり、連勤後でフラフラだったり、推し活したい時だってあるわね。

世の中のママはよく言う。「子供の寝顔を見たら、今日の自分を思い返して反省します。涙が出るほど、反省します。」って。
でも私は、それは違うと思うんだよ。
反省なんていいよ。

ママに必要なのは「自己嫌悪」じゃなくて
「自己愛」だ。疲れて余裕がなくて上手く子育てができない時こそ、「自己愛」だよ。スタバでも飲んで、推し活して、よく笑って、よく眠ろう。それでまた頑張ればいい。

今日もお疲れさま。明日が来るよ。

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