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反抗心は悪じゃない

わたしはわりと、「素直」と呼べる部類の人間だと自覚している。

他人の意見は尊重したいと常々思っているし、人の話はまずじっくり聞いて受け止めたいと思っている。誰かからのアドバイスは有難く受け取って自分なりにやってみようと努力するように心がけてもいる。

悪く言えば「単純バカ」とも言えるけど、素直な方が人間関係、上手くいくことも多くて。相手の言葉を素直に受け取って、それに応えようと一生懸命やっていると、そのまじめさを買って信頼してくれて、心を許してもらえたり、ポジティブな言葉を掛けてもらえたりすることが多かったように思う。

それでも、そんなわたしでも、時にはどうしても納得できないことがあって。いつものように素直に「はい」と言えなかったり、賛成できずに反発してしまったり、声に不満や怒りを滲ませてしまったりする。

つい先日も、そんな「素直に受け入れられない」出来事があった。職場の上司の「これからはお店のルールとしてこうするべきだよね」という提案に、いつものように「そうですね、分かりました」と言えなかった。

そうやって自分の改善点を指摘されたら、ありがたいことと感謝して、助言に沿えるよう努力すべきだ……と、先輩や上司からの言葉を全て吸収しようとしてきた。

だから最近、相手の言葉に疑問を抱くことが多くなってきた自分を、「変なプライドが出てきている」「ガンコになっている」「このままじゃ人として成長できなくなってしまう」……と不安に思うこともあった。

でも、ふと気が付いた。これって、逆に成長なのでは? と。

反抗心が生まれるのは、自分の考え方がしっかりあるからだ。他人の意見に疑問を抱けるのは、自分の頭でちゃんと考えて、自分なりに答えを出そうとしているからだ。

以前のわたしはそれができていなかった。だからみんながあれこれ言うことを全部「そうだね」と受け入れてきたし、自分の確固とした意見がないから、誰かの考えに簡単に乗っかってきた。

そうやって人の話ばかり受け入れていると、だんだん「自分」がいなくなってしまう。「あなたの意見は?」と訊かれたときに、何も答えられなくなってしまう。

そんなふうに「自分」を無くしかけていたから、「やっぱり海外に行きたい」「海外での生活を体験しておきたい」と決意できたことは、本当によかったと思う。

この目標があるおかげで、わたしは自分の意思とちゃんと向き合えるようになった。
反抗心が湧くのは、決して悪いことじゃない。「それはわたしの意見と違う」と、ちゃんと気付けているのだから。

素直に受け入れられないことを悪と思わず、反発してしまうのはわたしにとって譲れない価値観があるからなのだと、素直になれないときほどその感情を大事にしていきたい。

「おかしい」と違和感を覚えたときに、自分の言葉で相手にちゃんと伝えていきたい。

いつまでも、「嫌われることを恐れて周りに合わせる学生」のままではいられないのだ。


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