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【DTM】音楽の聴き方について【初心者】

【Roadroller Sound Studio】(@RBYYYYYYYYYYYYY)です。

DTM初心者の方の成長スピードは人それぞれだと思いますが、成長の遅い人には必ずと言って良いほど共通している特徴があります。

それは普段からもったいない "音楽の聴き方" をしていること。

自分の好みじゃなかろうと、今まで興味がなかったジャンルだろうと、普段の生活の中で流れている音楽の良いところ、参考にしたい部分を抜き出す音楽の聴き方が出来ない人はやはり成長が遅いです(※ 正確には抜き出す能力というよりも、参考にしたいと思える感覚を養う方が大事かも知れません)


☑ 普段から好きなアーティスト、好きな曲しか聴いていない

☑ シングルのC/W、アルバム収録曲はあまり聴かない

☑ 日本の音楽ばかり聴いている(世界の音楽にあまり関心がない)

☑ 一度も自主的に聴いたことがない音楽ジャンルがある
 ⇒(※ 音楽史に興味を持ったことがない)


上記の項目を確認して、もし1つでも当てはまった場合はその日から音楽の聴き方を少し変えてみるだけで、これまでとは比較にならないほどの成長スピードを手に入れることが出来ると思います。

それでは項目をひとつひとつ確認していきましょう。


☑ 普段から好きなアーティスト、好きな曲しか聴いていない

この世に存在する音楽家の誰もが、自分の好きなバンド、アーティスト、好きな曲から少なからず影響を受けているはずなので、これ自体は決して悪いことではありません。
普段から好きな曲ばかりを聴き込むことのメリットは、コード進行やドラムパターン、そして一番重要であるメロディーセンスを磨きやすいといったところでしょうか。

逆にデメリットとして考えられるのは、音楽的な引き出し、ネタが増えないことに尽きます。
2~3曲作るだけなら問題ないかも知れませんが、本業であれ副業であれ職業音楽家を目指す場合、作る曲が毎回一緒に聴こえると言われてしまってはかなり致命的かと思われます。

それでも好きな音楽以外聴きたくない、作りたくないという場合は上記のデメリットを理解した上で…

・「メタルをこの人に作らせたら天下一品!」
・「8bitのピコピコサウンドならこの人に任せておけば安心!」

世間からもこのように絶大な評価を受けるような、そのジャンルの超一流を目指すことをオススメします。


☑ シングルのC/W、アルバム収録曲はあまり聴かない

これは先ほどの「普段から好きな曲しか聴いてない」ということと似ていますが、C/W曲やアルバム収録曲にも良い曲というのは当然たくさんあって、中にはライブやコンサート等で必ずセットリストに入ってくる定番の人気曲もあったりします。

シングル曲というのは "売れ路線" であることが多いため、なぜ世間から評価を受けているのか、職業音楽家としてそれを抑えておくのは当然のことでしょう。

対してC/W曲やアルバム収録曲はコード進行が複雑であったり、別の音楽ジャンルを取り入れていたりなど挑戦的な意味合いの楽曲も少なくありません。

そういった世間ではあまり目立たない楽曲を参考にすることで、音楽的な引き出し、少しマニアックなネタが増えていくわけです。

ポップさやキャッチーな部分はシングル曲から。
音楽通が好みそうなマニアックな部分はC/W曲、アルバム収録曲を参考にすると良いでしょう。

僕が中学生・高校生の頃はMD全盛期だったので、友達と交換し合ったり、自分のオススメ曲を聴いてもらう機会がかなり多く、そのためにみんなが知らないようなC/W曲、アルバムの中に埋もれてしまっている名曲を探すのに必死でした。

今思えばあの日々が楽曲1つ1つの良い部分を見つけ出す感覚を養ってくれたような気がします。


☑ 日本の音楽ばかり聴いている(世界の音楽にあまり関心がない)

これは読んで字の如く「もったいない」行為だと思います。
まずは簡単に邦楽と洋楽の違いをご説明させて頂きます。

(例)歌モノの場合
・邦楽 … メロディー重視、コード進行や構成が複雑で起伏が激しい
・洋楽 … メロディーもコード進行も構成もとにかくシンプル

もちろん他にも違いはたくさんあります。
例えば洋楽は低音を重視する傾向にありますが、邦楽はすっきりとしたクリアーなサウンドを重視するため、こういったミックス&マスタリングの参考としても普段から聴き比べをするのはとても重要なことですし、自身の作曲に対する考え方としても非常にタメになります。

・「洋楽みたいにあまり音符を動かさないようにしよう」
・「洋楽みたいにシンプルなコード進行、構成の曲を作ろう」
・「洋楽みたいにもう少し低音を出してみよう」...etc

洋楽の方が優れているから洋楽を聴けという話ではなく、洋楽には邦楽にない音楽的なアプローチがたくさんあるので、普段から聴くクセを付けておきましょうというお話です。

また、日本の音楽は洋楽からかなりの影響を受けているため、それらの前知識があった方が楽しめるという点についても言及させて頂きます。

DTM業界でもよくソフト音源、プラグインソフト、Youtuberの動画や雑誌などで「有名アーティストの○○サウンドを再現!」みたいな特集が組まれたりしますよね。

特にソフト音源やプラグインソフトの場合は海外のメーカーがほとんどなので、海外のアーティストを意識したサウンドが非常に多く、事前にこれらのサウンドの良さを知らなければ、興味が湧かない=意識できない=表現することができないということになります。
つまり、この時点で自分が知らない間に音楽的な引き出しや重要なネタを何個も何個も取りこぼしていることを意味します。

例えば【BUMP OF CHICKEN】に「かさぶたぶたぶ」という曲がありますが、この曲には【QUEEN】のギタリスト:ブライアン・メイのサウンドがふんだんに盛り込まれているので、聴いたことがない方もぜひ一度聴いてみて下さい。

こうして超一流のバンドでも実際に取り組んでいることなので、DTM初心者の方はもっと世界の音楽に意識を向けてみてはいかがでしょうか?


☑ 一度も自主的に聴いたことがない音楽ジャンルがある
 ⇒(※ 音楽史に興味を持ったことがない)

これも先ほどの洋楽と同様に読んで字の如く、ただただ「もったいない」行為ですね。

聴いたことがない、知らないというのはその音楽ジャンルを作れないと言っているようなもので、その時点で仕事やコンペの可能性を1つ潰してしまっているということです(本業で音楽家を目指したい方にとっては致命的かと)

また、音楽ジャンルを紐解くことは音楽史を紐解くことと同義です。

学業のように深いところまで理解する必要はありませんが、せめてポピュラー音楽で名前が挙がるような音楽ジャンルは可能な限り早い段階で頭の中に入れておきましょう。

そうすると各ジャンルの代表的なミュージシャンやバンド名も一緒に出てくるはずですし、CDレンタルでもサブスクでも何でも良いので、とにかくその音楽ジャンルに触れる時間を作ってみて下さい。

ジャンル分けされる=特徴的なサウンドがあるということなので、まずはそれを肌感覚で知っておくことが何より重要です。

・「ブルースって時々音がズレてるのがお洒落だな」
・「ジャズってライドシンバルだけでもそれっぽく聴こえるな」
・「ボサノヴァのフルートってすごい優雅に聴こえる」
・「インド音楽でよく聴くこの楽器は何て名前だろう?」
・「このリバーブが80年代って感じがする」...etc

最初はこれくらいの感想で充分です。
その正体、理論的なことは今知らなくても、今分からなくても問題ありません。

しかし、ブルースのあの響きをお洒落だと思えなければ「ブルーノート」について調べることも、知ることも、今後自分のテクニックの一部として使う機会も訪れないでしょう。

音楽家を目指したい初心者の方は、とにかく普段から世界中の音楽に触れるクセを付けておいて、来たるべきのために備えておくことをオススメします。

しかし、いくら勉強のためとはいえ、今まで興味のなかった音楽ジャンルをずっと聴き続けるのは疲れてしまうので、例えば通勤・通学の行きは新しい音楽ジャンルの開拓、帰りはひたすら好きな音楽だけを聴く…みたいにすると長続きすると思います(僕は高校生の頃にMDを入れ替えてそうしていました)


最後に余談ですが、専門学校の先生が各音楽ジャンルの授業の際に、どれだけ特徴的な音を説明しても生徒達から反応が返ってこなかった時、理解してもらえなかった時は本当に教え甲斐がなかったとお話されていました。

先生も人間です。

専門学校は義務教育ではないし、音楽が好きで、音楽制作を仕事にしたいから入学して来ているはずなのに生徒が最低限の努力もしてないとなると当然の反応かと思われます。

もし来年専門学校に入学予定の方は自分が得をするためにも、今日から世界中の音楽を聴いて先生のやる気を引き出せるように準備しておいて下さい。

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