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【DTM】初心者の作曲できない問題を解決する⑤【ディグリーネーム編】

【Roadroller Sound Studio】(@RBYYYYYYYYYYYYY)です。

 ↓(※ これまでの記事)

前回の記事では「カデンツ」を用いて、コード進行を割り切って決めていこうというお話でした。

おそらく音楽を勉強していく上で「カデンツ」と同時に学ぶ「ディグリーネーム」というものがあるのですが、こちらも非常に便利な作曲ツールなのでご紹介させて頂きます。


■ディグリーネームとは

各調のダイアトニックコードを数字で表記したものです。

(※ 注意点)
ディグリーネームの表記方法は個人の解釈によってさまざまです。
その理由は今回割愛させて頂きますが、僕が下記の表記方法をしているのは単純に専門学校でそうやって教わったということと、各調性のダイアトニックコードの数字(順番)さえ分かれば問題ないからです。

それでは例として長調と短調のディグリーネームを1つずつご紹介。

(例①)「ハ長調(C Major Key)」※ 四和音
・CM7 =M7
・Dm7 =m7
・Em7 =m7
・FM7 =M7
・G7 =7
・Am7 =m7
・Bm7-5 =m7-5

(例②)「イ短調(A Minor Key)」※ 四和音
・Am7 =m7
・Bm7-5 =m7-5
・CM7 =M7
・Dm7 =m7
・Em7 =m7
・FM7 =m7
・G7 =7


■ディグリーネームが便利な理由

この「ディグリーネーム(数字)」ですが、前回の「カデンツ」以上にコード進行を割り切らせてくれる最強の便利ツールなのです。

「カデンツ」の場合、各調のダイアトニックコードの中に、T(トニック)D(ドミナント)S(サブドミナント)の機能を持つコードが複数ありますよね。

仮に「TーSーT」というコード進行を考えた場合…

① CM7-FM7-CM7
② CM7-Dm7-Em7
③ Am7-Dm7-Em7 ... etc

「ハ長調(C Major Key)」の中だけでもこれ以上にさまざまなパターンが考えられるので、もしかすると作曲初心者には選択肢の幅が広すぎて、上手く割り切りができないかもしれません。

それに対して「ディグリーネーム(数字)」の場合、良いコード進行と言われているものが数字の並びだけですでに決まっているため、それを自分が決めた調性の中の数字に当てはめるだけで、自然と調和の取れたコード進行にすることができるのです。

それでは実際に有名な「ディグリーネーム(数字)」の並びを見てみましょう。


■実例(※ 数字のみ表記でMajor、Minorは省略)

・カノン進行(Ⅰ-Ⅴ-Ⅵ-Ⅲ-Ⅳ-Ⅰ-Ⅳ-Ⅴ)
CM7-G7-Am7-Em7-FM7-CM7-FM7-G7

・J-POPの王道進行(Ⅳ-Ⅴ-Ⅲ-Ⅵ)
FM7-G7-Em7-Am7

・小室進行(Ⅵ-Ⅳ-Ⅴ-Ⅰ)
Am7-FM7-G7-CM7

・ジャズの定番進行(Ⅰ-Ⅵ-Ⅱ-Ⅴ)
CM7-Am7-Dm7-G7

・マイナースリーコード(Ⅰ-Ⅳ-Ⅴ)
Am7-Dm7-Em7

・ベースライン右左進行(Ⅵ-Ⅶ-Ⅰ-Ⅶ)
FM7-G7-Am7-G7

・Let It Be / The Beatles(Ⅰ-Ⅴ-Ⅵ-Ⅳ)
CM7-G7-Am7-FM7

・Yesterday / The Beatles(Ⅰ-Ⅶ-Ⅲ-Ⅵ)
CM7-Bm7-E7-Am7

※「Am7」に対するセカンダリードミナントの「E7」
※「E7」に対してツーファイブとなる「Bm7」


この他にも有名な「ディグリーネーム(数字)」の並びはたくさん存在しているので、作曲初心者の方はぜひ一度調べてみることをオススメします。

最初はヒット曲の並びを真似して、慣れてきたら一部だけ自分の好きな響きの数字に置き換えるなんてのもアリです。

「ディグリーネーム(数字)」の並びにはその作曲者の色というものが出てくるので、最終的には小室哲也さんの「小室進行」と呼ばれるほどのオリジナリティー溢れるコード進行を生み出してみたいものですね。

前回の「カデンツ」での作曲が少し難しかった方は、ぜひこの「ディグリーネーム(数字)」を活用してみて下さい。

個人的にはこの作曲方法が最も簡単なので僕の "イチ推し" です。


(※ 他のアプローチも知りたいという方は下記の記事がオススメです)
 ⇒「黒鍵作曲技法」についての有料記事となっております


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