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ベーシックインカムは本当の意味で実験されていない

ベーシックインカムの定義

就労や資産の有無にかかわらず、すべての個人に対して生活に最低限必要な所得を無条件に給付するという社会政策の構想。

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」

「基本所得」と訳され、政府が国民全員に無条件で、生活に最低限必要な現金を支給する政策。

出典 朝日新聞掲載「キーワード」

ベーシック・インカムとは、個人が一定程度の生活を送るために必要とされる基本的な所得を現金給付として給付する制度。年齢や所得、資産、職業などに関係なく、国民なら誰でも毎月一定の給付金を受けられる。

ものであり、一部の人々にお金を配る、試しに1年間だけ配るというものではない。

フィンランドが行った実験の場合、

失業手当受給者から学生などを除いた母集団(25歳以上58歳以下)から、ランダムに2000人を選び、月額560ユーロ(約7万円)を給付。
この額は税引き後の失業手当とほぼ同額である。失業手当の場合は、職を探していることが条件であり、また収入がある場合にはその額に応じて減額されるが、実験対象者には2年の間、そのような条件や減額措置がないというのが主な違いである。

引用元

ベーシックインカム慎重派からベーシックインカム推進派に転じたひろゆき氏は、自身の動画

フィンランドは、突然”この実験やめます!”と政治的な理由で言い出して。僕らが言ってるベーシックインカムって、基本的にはずっと貰える事が前提なんですよ。”たまたま1年間貰えます”とかだと、それを前提に生活を組み立てる事が出来ないんですよ。なのでその、1年間だけあげますとか、一定期間だけあげますとかで、ベーシックインカムやってみました!結果はこうでした!とか言われても、いやいやそれ(本来のベーシックインカムと)ちゃうやんとしか思えないんですけど。

と発言した。

ベーシックインカムが失敗した訳ではない

ベーシックインカムという言葉は、"働かなくて良くなる"等といった、曖昧な文脈で使われる事が多く、様々なウェブページや書籍に正確な定義が載せられても、結局は感情論や精神論といった、曖昧な文脈で語られたものが広まってしまう。

しかし事実として、未だベーシックインカム本来の姿を実験出来た国は無い。そもそも、本当の意味で”実験”をしようと思うならば、5年10年15年といった、中長期で考えていかなければいけないものであって、1,2年といった短期的な実験には何の意味も無い。何故ならばそれはベーシックインカムでは無いから。

ベーシックインカムは成功もしていないが失敗もしていない、それが実際の姿なのである。

社会保障は誰でも利用できる訳ではない、という矛盾

社会保障という仕組みは、実はそれを希望する本人が入念に調べなくては補助金等を受給する事が出来ない。それを解決するのが、そもそも一定額を無条件で全国民に配るという事なのである。

ホリエモンこと堀江氏は、自身のブログで次の様に語っていた。

生活保護を受け取るというのは社会的なプライドなど観点から二の足を踏む人も多い。プライドのせいで生活保護を受け取らないで、ホームレス化する人たちだっているだろう。だったら、みんなにお金を最初っから上げてしまえばプライドも糞もないだろうということである。

続・働かなくてもいいんじゃないか。

結局の所生活保護等、社会保障のメリットを享受するためには”コストを払わなければいけない”という事で、ベーシックインカムを導入し、一定額を無条件で配るならばそんなコストを受給者側が払う必要が無くなるだろう、という事である。

また、堀江氏は

私が思うに、仕事を作るためにお金をつかって公共事業とかをやるのは、明らかに効率が悪い。ダイレクトに金を配ったほうが環境にもやさしくていいかもしれない
派遣労働者の問題なども同様だ。企業にとってみれば、有能な人間だけを継続してやとって、誰にでもできる仕事は出来るだけ安い労働者に任せたいと思うだろう。だから、海外にどんどん進出して安い労働力を求める。リストラしやすい、派遣労働者を安く雇おうとする。が、ベーシックインカムがあれば、無理をすることは無い。ある程度のセーフティネットが確保されるからだ。

(中略)

月20万の給料を貰って、実は社会全体は、その労働を作り出すのに月30万のコストをかけている、というような。だったら、ダイレクトに20万渡せば10万円セーブできるんじゃないかと思う。例を挙げるのはここでは控えるが、いくらでもあると思う。
実際のところ、企業内に限れば、そのような種類の労働は存在する。でもその存在に気づいてもリストラすることは難しいのだ。

ベーシックインカムの話

と自身のブログで発言している。

別の記事でも再び、

なんだか、給料払うために社会全体で無駄な仕事を作っているだけなんじゃないかって思ってきたの。で、多くの人は労働信仰に支配されて嫌々働いているんじゃないかと。だったら、政府から金もらって好きなことやってればいいじゃん。私みたいなワーカホリックは放っておいても働くよ。むしろ雇用を創出したりとややこしいことを考えなくて済む分、便利なものとか新しい事業とかを立ち上げる事に集中できて生産性があがるんじゃないかな。

と発言をしている。

このように、彼らベーシックインカム推進派の主張するベーシックインカムとは、むしろそれぞれが活躍できる場で”働く為”ベーシックインカムであり、社会保障の複雑なシステムを一掃し、極度に簡略する事で大幅なコストカットをする事なのである。

ベーシックインカムは不可能な制度だと言われています。だけど研究の一考はある。これは単純なばらまきではありません。福祉国家を歩みつつある日本。複雑怪奇な補助・助成制度。これによって行政組織は肥大化。色んな中間団体が存在し、天下りもごろごろ。これをバサーット整理する。

橋下徹氏はTwitterで発言している。

我々が考えるべき事

なぜ働くのか、どう働くのか、"自己実現"の為にいくらお金が必要なのか?

月々数千円で映画が見放題、音楽が聴き放題で娯楽に溢れている様に見える現代....。

日進月歩、恐るべき速度で発展する社会、複雑化する政治経済。

国家とは何か?国家が我々に与えたものは何か?そもそも何故我々は”国家”

を作ったのか?その目的は?そしてその”目的”は今、果たされているのか?

農業革命で人々は飢えることからある程度開放された。
産業革命で人々は労働時間からある程度開放され、余暇の時間を持つことができるようになった。
実は、多くの人はもう働かなくてもよくなった状態にあるのかもしれない。

ベーシックインカムの話/ホリエモンブログ

”得意な事があった事 今じゃもう忘れたいのは
それを自分より得意な誰かが居たから
ずっと前から解ってた 自分の為の世界じゃない
問題無いでしょう 一人くらい 寝てたって
生活は平凡です 平凡でも困難です 星の隅で継続中です
声援なんて皆無です 脚光なんて尚更です
期待される様な命じゃない
唇から零れ落ちたラララ ほんの少しだけ大気を揺らしたラララ
とても小さな声 唯一人が聴いた歌 ラララ
大切な夢があった事 今じゃもう忘れたいのは それを本当に叶えても金にならないから”

BUMP OF CHICKEN "才悩人応援歌" 2007年


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