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適応障害は適応できなかった人ではない

つくづく漢字ってのは
表現過多だなど思うわけですが

〝適応障害〟って
ちょっと誤解を招きかねない
表現だなーと思います。

昨日、芸能人の深田恭子さんが
適応障害のため
休養すると報道されていました。


今日は精神科ナースらしく
精神科の疾患の一つである
〝適応障害〟について書いて
他人事ではない〝適応障害〟について書いて
理解が広まれば良いなーと思います。


適応障害は適応できなかった人ではない

タイトルにもあるように
自分が置かれた環境や
人間関係
さまざまな出来事に対して
適応できなかったから
精神的に落ち込んで
体調を崩すというわけではないんですよね。


どちらかと言えば
置かれた状況や環境に
真面目に適応しようとした人が
頑張り過ぎて
身体や精神が疲弊した状態
だと思います。

周りからの期待であったり
求められているものに対して
真面目に答えようとして生じるのが
適応障害の本質だと思います。

過剰適応と言って
その場の空気に対して
自分を押し殺して
自分を偽って
完璧に自分をその場に適した
人間になろうとすることを
想像してみたらどうでしょう?

もうめっちゃ疲れそうじゃないですか?


メンタルが図太い人間であれば

「そんなの無理だろ!」

と言ってその場から逃げたり
期待に応えられない自分でも
開き直れたりするものですが

真面目だったり
一生懸命な人ほど
そういう切り替えや
開き直りが苦手だったりします。


深田恭子さんのインタビューから
深田さんの性格や考え方がわかるものはないかな?
と思って探してみたんですが

こんなインタビューを見かけました。

「一つ言えることは、その時の自分らしさで全力で頑張ることが、どんなお仕事でも一番大切かなって思います」

もちろんこの発言だけで
その人の全てを把握することはできませんし
全力で頑張ると言いながら
無意識に調整している人もいるのですが

どこかで深田さんは
無理をしていたんだろうなと
想像することができます。


適応障害は
うつ病と近い疾患だという印象があるので
基本的に励ましたり
勇気づけようとしない方がよい

ましてや頑張り屋さんの人にとってみれば
そういった言葉は
ただただプレッシャーになるだけ
だったりしますからね。


特に芸能人は
仕事の評価を
業界人だけでなく
一般の人にも
「売れてる」とか「落ち目だ」
と評価される世界ですから

なかなか休めなかったり
手を抜けなかったりするのでしょう。

芸能人の中には
充電期間
リフレッシュ
制作期間
といった名目で
実は適応障害などの治療を
行っている人もいるようですし

一般の人たちからすれば
想像以上に過酷な世界なんでしょうね。


適応障害は他人事じゃない

精神疾患全般に言えますが
いつ誰がなってもおかしくないし
その中でも適応障害は
誰でもなり得る。

急な業務量の増加や
人間関係の変化などによって
私だってなり得る可能性がある。

特にこの春から生活環境が変化して
梅雨前後に体調不良になる場合
適応障害である可能性もあるので

敷居が高いと感じるでしょうが
早めに精神科の病院を受診することも
お勧めします。


適応障害は原因から遠ぞけること

最後に
適応障害になったあとの対処法ですが
できるだけその原因となった
環境や人間関係から距離を取ることです。

簡単に言うなと言われそうですが
悪化してうつ病になる前に
早めに治した方が良い。

現に休養を取ったり
環境を変えたことで
症状が消失して
幸せな人生を歩んでいる人は
たくさんいるわけですから

自分の能力に自惚れて
「いや!なんとか乗り切ってみせる!」
と根性で乗り切るのはやめましょう。

下手すれば本当に死にますから。

原因となるストレス因子から
逃れずにいると
何をやっても楽しくない状況になって
休養したとしたも
自分に自信を持てなくなり
なかなかうつ状態が
軽快しないこともあり得ますからね😥

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無名人インタビュー
https://note.com/qbcqbc/n/ndc539ab7869c
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