見出し画像

AIは旅する、脳と。

あけまして、おめでとうございます。

本年は、連載をはじめることに。きっかけは、本の出版を勧められたこと。NewsPicksプロピッカーでご縁のあったNewsPicksの担当者に相談し、noteの担当者を紹介されたご縁で連載に。縁が縁を呼び、点と点が線になる旅。

自分らしい連載とは、どんなものだろうか?
自分の要素をいくつか掛け合わせると、他人との違いが現れるらしい。僕の場合は、旅 ・AI・脳の掛け合わせかもしれない。

  • 旅:家を持たずに、全国を暮らすように旅するデジタル・ノマド(2年)

  • AI:AI業界に長く生息し、ビジネスからテクノロジーまで割と深い専門家(10年)

  • 脳:理研の脳科学塾を受講したり、脳科学の知見を仕事に活かす探求者(3年)

旅も、AIも、脳も、知れば知るほど、深みを増す。そして、どこか似ている。
旅でアートを感じ、AIのテクノロジーを読み解き、脳のサイエンスを学んで、noteの連載としてデザインする。サイエンス・テクノロジー・アート・デザインが織りなす重奏曲のような連載に旅立ってみよう。

P.S. 旅で北陸を訪れたこともあり、連載の1月の売上を、能登半島地震の義援金に寄付させていただく


旅〜冒険する

旅は、日常が冒険だ。

  • 朝、目覚めて、降りしきる雪の中、誰も足を踏み入れてない雪山を滑り降りる

  • 太陽が降り注ぐ青空の下、サンゴで彩られたカラフルな海に漂う

  • 大自然を前に、仕事に没頭する

  • 信号のない道を、ただひたすらに自転車でゆく

  • 夜、街灯のない離島で、きらめく天の川を眺めながら、おだやかに一日を終える

暮らしながら旅をすることは、普通の旅行とは異なる。

  • オーバーツーリズムで観光客が増える土地で、地元住人の目線から、自然と文化の保護について考える

  • 高齢化が進む田舎で、若手としてお手伝いする

  • 教育格差が広がる地方で、中学生にAIの特別講座をする

  • 漂流物の多い離島で、ビーチクリーンに参加する

  • 温暖化の影響を受ける自然を見て、個人では解決できない社会課題を考える

なぜ、旅を続けるのだろう。
移住先を探しているの?とよく聞かれる。旅に目的はない。ただ、あるがままに身を委ねて漂泊する。

目的ではなく、多くの人が感じ、僕自身も実感する良い点はいくつかある。

日常と異なる経験ができて刺激を受けられる
・自分の趣味を楽しめる
仕事に集中できる
・これまでと異なる環境で新たなアイデアや企画が生まれる
・地域の人や施設たちとの交流ができる
・地域への貢献ができる

山梨大学・ワーケーションに関する調査 (2021)

そして、旅人を受け入れる側にも、良い効果があるようだ。

・地域の再発見効果:よそ者は地域に不慣れなことが幸いして、逆に地域資源の価値や地域のすばらしさを見出すことができる
誇りの涵養効果:地域外の視点を持つよそ者を意識することで、自らの地域のすばらしさを認識する
知識移転効果:よそ者が地域にない知識や技能を持ち込む
地域の変容を促進する効果:よそ者の持つ異質性は、地域側に「驚き」や「気づき」をもたらし、そこから地域が変容する
地域とのしがらみのない立場からの解決案:地域のしがらみに捕らわれない立場だからこそ、よそ者は優れた解決策を提案できる

よそ者と地域づくりにおけるその役割にかんする研究 (2009)

これからの連載で、さまざまな地域でのリアルな体験を語り、旅の素晴らしさが伝われば幸いだ。

AI〜進化する

AIの進化する旅。そのスピードは指数関数的に加速するばかりだ。

https://www.singularity.com/charts/page70.html

AIが人類を超える日は、いつか来るのだろうか?
少なくとも現時点で、人類のトップ10%くらいには近づいている。

GPT-3.5:大学の共通試験の読み書き (SAT Evidence-Based Reading and Writing) で上位10%
GPT-4:司法試験 (Uniform Bar Exam) で上位10%

https://openai.com/research/gpt-4

われわれは、AIにどう向き合えば良いのだろう?
人として、遊んだり、幸福であろうとすることが、答えかもしれない。

ホモ・ファーベルは、ラテン語で「遊ぶ人」であり、人類が文化を築く歴史の中で「遊び」に着目しています。

ヨハン・ホイジンガ | 歴史家

ホモ・フェリチュタスは、ラテン語で「幸福人」であり、人類が主観的な「幸せ」を目指すことに着目しています。

Ray | 旅する魔法使い

そういえば、遺伝子の目線からみると、人間は遺伝を残してくれる都合の良い器らしい。遺伝子は利己的なのだ。

私たちはなぜ、生き延びようと必死になり、なぜ恋をし、なぜ争うのか?
本書で著者は、動物や人間の社会で見られる、親子間の対立や保護行為、夫婦間の争い、攻撃やなわばり行動などがなぜ進化したかを、遺伝子の視点から解き明かす。
自らのコピーを増やすことを最優先とする遺伝子は、いかに生物を操るのか?

そして、人類は、社会的・文化的な情報の「ミーム」を生み出した。それは情報生命体の一種。

ミーム(meme)とは、脳内に保存され、他の脳へ複製可能な情報であり、例えば習慣や技能、物語といった社会的、文化的な情報である。『日本大百科全書』における人工知能研究者の中島秀之の説明によると、ミームは文化的自己複製子であり、ミームは比喩(ひゆ)ではなく遺伝子と同じく実体である。『利己的な遺伝子』によれば、ミームは脳神経回路の型である。ミームが脳の外へ複製された具体例としては衣服、壺、アーチ、宗教的行動、科学者の講演、論文などが挙げられている。

すると、AIも、人類が生み出した情報生命体なのだろうか?
AIを擬人化すると、さまざまな弊害がある。しかし、正確なテクノロジーの知識を元に、AIを遺伝子やミームのような存在として捉えられるのではないか。

これからの連載で、AIの技術を読み解きながら、新たな視点を模索できれば幸いだ。

脳〜創造する

旅は、脳を創造的にする。
感覚的にはそうだが、科学的にも正しいらしい。環境神経学と呼ぶそうだ。

例えば、自然環境を散歩した方が、注意力が増すようだ。

・数字の後ろの並びを逆の順序で繰り返すことを要求する、逆桁スパン課題として知られるテストで被験者の脳に負担をかけた
・都市環境(町の中心部)または自然環境(公園)のいずれかで50分間散歩にいき、戻ってから同じ作業を繰り返した
・自然の中を歩いた場合にはパフォーマンスが約 20% 向上したが、都市環境を歩いた場合には向上しなかった

The Cognitive Benefits of Interacting With Nature (2008)

どうやら、都市環境は疲れるらしい。

都市の風景を見るときにより多くの脳領域が活性化され、都市の風景を処理するにはより多くの努力が必要

Human brain activation in response to visual stimulation with rural and urban scenery pictures (2010)

一方で、自然環境は創造力を高める。

4 日間のハイキング (電話やその他のテクノロジーへのアクセスなし) により、参加者の創造性が 50% 向上

Creativity in the Wild: Improving Creative Reasoning through Immersion in Natural Settings (2012)

都市と自然環境における、物理的な形状や情報量の違いが原因のようだ。

・自然の写真を見るだけで認知力が向上する可能性があるという事実から、フラクタル、直線または曲線、色の色合いや彩度の存在について、気分を回復させる何かがあるのではないか
・都市環境は通常、フラクタル性が低く、ハードなエッジと直線が多く、柔らかく魅惑的な刺激はほとんどない。これに、交通、人混み、広告、サイレン、ソーシャルメディアの着信など、注意を求めるその他の豊富な刺激が加わると、なぜそれらが脳にさらに負担をかける

The nature cure: how time outdoors transforms our memory, imagination and logic (2023)


また、AIの進化の旅は、脳と共にある。

AIは、脳の仕組みを真似て、創造された。例えば、AIが学習するプロセスは、脳の3つの学習方式を参考にしている。

1. ヘブ学習または教師なし学習(海馬・大脳皮質)
2. フィードバック誤差学習または教師あり学習(小脳)
3. 強化学習(大脳基底核)

これからの連載で、旅やAIとも絡めて、脳の最新科学を紹介し、脳の奥深さが伝われば幸いだ。

note〜連載する

今後の連載も無料で公開すべきだろうか?
いくつかの理由で有料にすることにした。

  • 有料の方が、ニーズの強い人に届けやすい

  • 有料の方が、ユーザーはしっかり読む

  • 有料の方が、のちのち本として出版しやすい

  • 有料の方が、情報の価値を大切にする文化に貢献し、他のクリエーターにも敬意を払える

最後の理由は、AIに携わる身として大切だ。最近の生成AIは、多くのネット記事を学ぶことで成長している。欧米では、それに反発して、メディアが非公開化に進んでいる。普段からオープンなカルチャーを信奉し、かつ、AIでオープンなデータの恩恵を受けているからこそ、逆の立場になってみる。そして、相手に共感できるようになろう。

では、連載noteの金額をどうしようか?
有料noteの最低金額は100円。多くの記事は、100円、200円、300円などが多いようだ。われわれは10進数に支配されている。

その常識に疑問を投げかけよう。
1記事を123円、すべての記事を含むマガジンを1234円に。遊びの中から文化を生むのが、これからの人類の生き方だ。

記事を11本以上は書く予定にして、マガジンの方がお得な設定とした。これは、11本以上を書かねばならないという縛りを自分に課すことにもなる。縛りがある方がチカラを発揮する。

なお、1月末までは、最大20%がポイントバックらしい。マガジンを買っていただき、そのポイントを他の有料noteにも使い、クリエーター・エコノミーに貢献していただければ幸いだ。

また、1月の売上は、能登半島地震の義援金に寄付させていただく。昨年末に、石川・富山・福井を旅したばかり。全国を旅する者として、お世話になった地に、何らかの恩返しをしたい。

気になった方は、ぜひマガジンの購入を。タイトルはもちろん、

AIは旅する、脳と(note)。

※マガジンはこちら

いただいたサポートは、note執筆の調査費等に利用させていただきます