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東京で暮らすこととか、 善く生きることとか、 資本主義のこととか、 対話のこととか、 …

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東京で暮らすこととか、 善く生きることとか、 資本主義のこととか、 対話のこととか、 あと、哲学とか。

最近の記事

方向感覚という「呪い」

「呪い」というものについて 年始に、友人が「呪い」というものについて考え、語る会を催していた。 その会には参加できなかったのだが、確かに生きる上で、自身に固有の「呪い」の様なものは存在するな、と思う。 人それぞれ、多かれ少なかれ、某かの「呪い」を抱えて生きているのだろうし、それは深刻なモノから笑い飛ばせるものまであると思う。 と言うことで、今回は、さほど深刻ではないが、それなりに自身に影響を及ぼし続けている、私の抱える「呪い」について、少し触れてみたいと思う。 「呪

    • 『プリズン・サークル』

      以前から、ずっと気になっていた作品。ようやく触れられた、坂上香著『プリズン•サークル』。読了して、やはりズンと来た。 國分功一郎『中動態の世界』とも、深く繋がる内容であった。忘れないように、書き留めておく。 表紙裏より ー表紙の裏にはそんな文が添えられていた。本の内容を紹介するイントロとして、必要充分な端的なテキストであるので、そのまま引用させていただいた。 「加害と被害」と「罪と罰」と。 加害と被害。罪と罰。それは、「犯罪」という域に限らず、程度の差こそあれ、日常の

      • 『中動態の世界』

        昨年末、義兄義姉夫妻にクリスマスプレゼントとして頂いた國分功一郎著『中動態の世界』。先月読了。ちと、語りきれないが、備忘として、、、 「中動態」という存在を依り代として 日本語にも英語にも、「能動態」と「受動態」という文法上の対象性がある。あまり、意識せずに生きてきたけれど、「能動態」には、自分の「自由な意志」に基づいてそのように「行動した」という考え方が付随する。つまり、一般的には、その「行動」の「責任」の所在は、動詞の行為者に帰属すると考えられる。 更に言えば、「責

        • 余暇に考える食料安全保障

          久しぶりに「食料安全保障」と言う問題に向き合ったので。(普段暗黙的に考えてはいるものの) またぞろ長い前置き(次年度に向けたホーフだってさ) 先週、職場で、チームリーダーとして第3四半期の成果、第4四半期の計画、そして次年度に向けた抱負を「視座高め」で「5分」で述べよ、というプレゼンを課せられた。(5分て) ちなみに、「視座」が、高いとか低いとかって、一体、何だって、いつも思う。誰基準かと。「生産性」が高いとか、低いとかって言うのと同じくらい、個人的には使うのに、違和感

        方向感覚という「呪い」

          2024年始に ~資本主義と言ふものについて~

          1日でエイヤと書き殴ったので、いま少し推敲するかも。 2024年始に 2024年が始まって数日経つ。 年末年始、比較的まとまった休暇を取り、家族とくつろぎつつ、ゆっくり本を読んだり出来ている。ありがたいこと。 一方、元日から石川県を中心に、日本海側で大きな地震があり、被災地のことを考えると辛い。(早く平穏な生活に戻れますよう) また、羽田空港では旅客機と海保航空機の衝突事故があったり。。。 あれこれ、波乱含みの事案の続く年明けだが、なるべく、世の中が平安であります

          2024年始に ~資本主義と言ふものについて~

          此岸と彼岸

          此岸(しがん) 世の中が色々と窮屈に感じる。 政治にも、経済にも、仕事にも。 あれこれ鬱屈を感じる。 資本主義の暴走や、深刻さを増す環境問題。解決の糸口の見えないまま、日々の仕事に追われながら、それらを傍観する日々。そんな人生と如何に折り合いをつけて生きるか。 ーこうして書いてみると、我が事ながら、既に、それなりに生き方を、若干也とも拗らせている感がある。 して、その捌け口を求めるように、こうしてテキストを書き散らかしている気がする。 根本には、前述の通り「世の

          此岸と彼岸

          スピノザと古代東洋哲学について、なのです

          スピノザに触れてみた たまに、NHKの「100分de名著」という番組を観ている。世に数多ある「名著」を1回25分、全4回に分けて解説してくれる番組で、テキストが発行されているので、番組を見ても、テキストを読んでも(勿論、両方でも)良い。 原著に向き合うのは著しくハードルが高くても、その原著に精通したナビゲーター(解説者)のお話を通じて、何となく、分かった気にさせてくれるのは、なかなかの番組構成だと思う。 で、その「100分de名著」で、スピノザの『エチカ』について取り扱

          スピノザと古代東洋哲学について、なのです

          人との「会話」と、キャパシティ

          「対話」のこともあるが、「会話」の機会も ここ数年、コロナ禍だったと言う事や、何やらで、なかなか飲み会に積極的に顔を出す事を控えて居た。 必然的に、家族や親族以外の人と「会話」をする機会も限られる。仕事の打ち合わせなどで、業務上交わされる言葉たちは、「会話」とはまた異なる類のものだし。 最近、「対話」と言うことなどを中心に、ぼやぼやと考える中、「対話」は兎も角、まずは少し家族以外の人と「会話」を持つ機会を、もう少しだけ、増やしてみるのも良いかもしれないと、思うようになっ

          人との「会話」と、キャパシティ

          「voice」のカタチ

          櫛の歯が折れるように 先週、チームのメンバーがふたり、相次いで会社を退職すると聞いた。そんなに大きなチームではない中で、そこそこ異常な状況だと思う。 ひとりは、入社4年目の後輩。(着任後7ヶ月) 営業を希望して異動してきたのだが、希望に反して開発のチームにアサインされて、悩んでいた。開発には興味を持てず、チーム異動を組織長に何度も交渉し続けるも、受け入れて貰えず、絶望し、転職を決断。 ひとりは、直属の上司。(着任後5ヶ月) ずっと、うちの会社の仕事にフィットしない感

          「voice」のカタチ

          ことばの焚き火

          大澤真美・中村一浩・植田順・野底稔 著『ことばの焚き火 Dialogue in Daily Life』を読んでの、備忘。 前置きが長いが、街の本屋さんで出会ったのです 街の本屋がどんどん減って久しい。結婚をきっかけに、JR中央線沿いの西荻窪という街に住み始めて17年になるが、この街からも、本屋がどんどんなくなっている。 この街の誇れることは幾つかあるのだが、新刊本店が減って行く中で、古書店が、じんわりと、そしてしなやかに健在かつ点在していることは、とても誇れることだと思

          ことばの焚き火

          「対話」の入り口に立つ

          「対話」とは 辞書を引くと、例えば、こう書いてある。あくまで例示。 何故、私はここで、「対話」というモノについて触れようとしているのか。 経緯について、以下、少し、触れておきたい。「少し」と言うには、いささか長いのだが、端折った末のコレであるのでご容赦願いたい。 きっかけは、「資本主義経済」。 そして、その解釈について、だった。 真実は人の数だけ 限界無き経済成長。それが成立し得ないことは、少なくとも地球上では自然の摂理。だけど、資本主義経済は「成長」(と言うよ

          「対話」の入り口に立つ

          東京チェインギャグと妄想グッドライフ、からのモノローグ

          チェインギャグ THE BLUE HEARTSのアルバム『YOUNG AND PRETTY』収録の曲、『チェインギャング』のリリースは1987年。サムクックというアメリカの歌手が1960年に、鎖に繋がれて肉体労働を課せられた囚人について歌った曲『Chain Gang』のオマージュらしい。ちなみに、私が実際にTHE BLUE HEARTSを知ったのは、3年後のリリースの『情熱の薔薇』。当時、小学校6年生だった。そして、THE BLUE HEARTSの他の曲を教えてくれたのは姉

          東京チェインギャグと妄想グッドライフ、からのモノローグ