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ノースシ・ノーライフ(3-5)

 奥ゆかしい電子フスマがその隙間から人工灯の明かりを示していた。

(どうする……どうする俺!?)

 今の所ニンジャ第六感に強大なニンジャの存在は感じられない。もっともレインボーフードのニンジャ第六感ではよほど強大な……それこそアイサツからの初手で相手を爆発四散なさしめるような死神とかでないとあてにならないが。

 音を立てないようにフスマに手をかけて開いたレインボーフードの眼にうつった光景は悲惨の一言だった。部屋一面に飛び散った血と肉片、ニンジャの爆発四散痕である。狭い室内であった為拡散せずに辺り一面にこびりついたのであろう。すなわち、いずれかのニンジャがここで死んだのだ。

「アイエエエエエ……」

 死を想起させる無惨な光景にへたり込むレインボーフード。辛うじて動く首を横に回して周囲を見渡すと隅にヘルカイトの所有と思われるカイトが立てかけられている。それを見てもう一度驚愕するレインボーフード。

「こ、こ、これヘルカイト=サンの……」

 爆発四散痕、そして血まみれのカイト。冷静に考えればヘルカイトはここで散った可能性が高い。ゴアイコにしてくれた幹部の死に思わず涙ぐむレインボーフード。

 しかしいつまでもセンチメンタルに浸っている猶予はない。もしシックスゲイツを破る恐るべきニンジャがここに拠点を構えているとすれば、レインボーフードなど瞬く間にやぶれさるだろう。ニンジャにおいてカラテの差は絶対だ。ゆえに時間はない。

 萎えた腰を奮い立たせて立ち上がったレインボーフードの視線にデスクとその上にのったUNIXが目に映る。そのUNIXは血肉を拭われたように漆黒の奥ゆかしい雰囲気を保っていた。

「つまり、これが敵の機密UNIX……」

 おそらく、この廃ビルでまともに使えるくらいに電源系が維持されていて、UNIXを使えるのはここくらいなのだろう。ヘルカイトはそれを奪おうとして散ったのであろうか。

 ハンドヘルドUNIXにLANをつなぎ、敵機密UNIXにつなぐ。自身のつたないハッキングではまず無理であろうが、もしかしたらガバガバセキュリティという可能性も……というあまい期待があったのは否定できない。

 だが、UNIXはレインボーフードの予想を遥かに超えた厳重なセキュリティを備えていたのだ。なんとLANを繋いでアクセスしようとタイピングを始めた途端、天井に据え付けられていたアラートが紅い光と共に警報を鳴らし、レインボーフードの目の前にあったUNIXが突如爆発した!

「グワーッ!」

 ハンドヘルドUNIXに視線を向けていた為視覚こそやられずに済んだものの爆発によって吹き飛ばされ壁にたたきつけられるレインボーフード!

「アイエエエエエ……」

 恐怖の限界とUNIXが鳴らすアラートに恐慌に陥るレインボーフード!その時フスマを開けてニンジャらしき人影がうつった!

【ノースシ・ノーライフ(3-5):終わり:3-6に続く

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レインボーフードエピソード第一話についてはこちら。

元になったTRPGソロシナリオについてはこちらをご参照のほどを。

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