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マン・ハンティング・ウィズ・ポスト・アポカリプス 12

 二足歩行機動兵器城塞ロボ「ビスマルク」がその巨大なる国会議事堂めいた拳を振り上げ、エンジたちに振り下ろさんとする!彼らはこのままペシャンコになってしまう運命しかありえないのか!?

「まさかホントに使う日が来るとは思わなかったぜ」

 拳が振りあがったのを確認した時点でエンジは手にしていた携帯UNIXのキーボードを高速タイピング!その速度はコーデリアの三倍に達した!

「アーッハッハッハッハ!おびえろ!すくめ!何もできないままタコさんセンベイになるがよいわ!」

 勝利を確信し上機嫌に高笑いする令嬢!振り下ろされるビスマルクの拳!

「お断りだ」

 ビスマルクの拳が迫ったのと同じタイミングで大地から突き出した白金の如き拳が城塞ロボの拳を強かにアッパーカットで軌道を逸らした!大質量の物体同士が激突した衝撃波でエンジの白衣がはためく!コーデリアのスカートもはためく!

 手首に当たる部分を打ち抜かれた影響でバランスを崩してしりもちをつく城塞ロボビスマルク!エンジ達のところまで聞こえてくる内部で働く社員達の悲鳴!空高く舞い上がる土埃の中、地中からビスマルクの拳を殴りはらった存在の姿が徐々にあらわになっていく!それはブッダ・ガーディアン・デーモンを彷彿とさせる白金色の装甲に身を覆った巨大人型兵器であった!

「な」
「作れそうだなとか思って作った試作品が役に立つなんて世の中わかんねぇなぁ」
「これ、ウチの予算から出来てるのかい?」
「な」
「ノンノン、俺のポケットマネーと日々のジャンク漁りの賜物よ」
「それならいいんだけど、それにしても自社の地下にアレコレ詰め込み過ぎじゃないかい?」
「地下の秘密兵器は男のロマンだろ、ロマン。そんなのも実現できないテックの発展とか犬に食わせろ」

 エンジの高速タイピングに応じて暗黒ブディズム格闘技、カラリパヤットを彷彿とさせる構えを取るブッダ・ガーディアン・デーモン・ロボ!その雄姿なる背を見てコーデリアは叫んだ。

「ナンですかコレーッ!?」

 コーデリアの絶叫は青空の彼方で響いた。

「俺が開発した新技術のお試しで実現した外的排除メカ「ディーヴァ」だ」
「あ、ハイ……その」
「なんだよ」

 コーデリアの困惑を他所にディーヴァと体勢を立て直したビスマルクはがっぷり四つに組んで力比べを始めた。今の所互角だがビスマルクの内部からはまさかスーパーロボット対戦が始まるとは予想していなかった社員達の阿鼻叫喚が聞こえてくる。

「簡略コマンドで制御とか、半自立AIとかは入れてなかったんですか?」
「ガワだけ作って後回しにしてたんでな!コイツをぶっ飛ばした後で入れる事にするぜ!」

 伝説の怪獣王にも匹敵するサイズの巨大人型兵器同士はクリンチを解くとどちらが強いのか証明すべく拳での打撃戦を開始した。鳴り響く轟音。ビスマルクの内部に避難する令嬢、拳と拳がぶつかり合うほどに大地は揺れ、ひび割れていった。

【続く】

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