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ライフ・イズ・エンターテインメント!-7-

「ハーッハッハッハ!逃げずにやってきた事は褒めてやるぜH・M!」

 所変わって場所はあの、ローマコロシアムめいた鋼鉄の試合場。あたかも一連の流れの切っ掛けとなったあの試合を再現するかの如く二機の鋼鉄の巨人が対峙していた。

 しかしてあの時の密林色の鋼鉄巨人は今や二回りほどサイズを増し、カラーリングは炎上する山火事めいた紅蓮に染まっている。もう一方のメタリックブルーのマッスルな鋼鉄巨人は当然H・Mの乗機である単眼頭部の覇者、バロールだ。

 あの時と違い、俺は己の乗機である黒い騎士めいた機動兵器に搭乗し、この場にいる。この二人に立会い人を押し付けられたのだ。

「バーッカ!なんで俺様がしゅんころした相手にしっぽ巻いて逃げるんだよ!負けたのが悔しすぎて記憶までぶっとんじまったか!?」
「ふざけんな!あの屈辱は一日たりとて忘れちゃいねえ!」
「昨日の今日じゃねぇか!なーにが一日たりとて!だ!」

 共通通信帯域を介して如何にもな舌戦を行う両者。俺の視線の先に映っているのはH・M側だけなので相手の容姿まではよくわからないが、多分典型的な悪役レスラーめいた男なのだろう。

「この野郎……!てめえのせいで俺がどれだけみじめな思いをしたかと思ってんだ!」
「だから一日しか経ってねえだろうがこのスコポンコツ!悔しかったら俺に勝ってみやがれ!いくぜK/R!」
「イエス、マイマスター」
「ほざけ!負けるのはテメェだH・M!やれ!」

 ヒールの咆哮と共に紅蓮鋼鉄巨人の胸部装甲がオブツダンの様に展開すれば内部に覗くのはあのプラズマ反応炉だ!破滅的な威力のプラズマ反応炉砲を前にH・Mが駆るバロールは……動かない!仁王立ちだ!

「テメェも同じ目に遭いやがれH・M!!!!!」

 紅蓮巨人から紫電色の極太光線が放たれるがなおもバロールは動こうとしない!真正面からプラズマ反応炉砲を受け止める!辺り一面が光に包まれ、俺の視界もまた閃光に塗りつぶされた。

「ハッハァ~……いい気味だぜH・Mゥ……!?」

 ヒールの驚愕の声は俺にもしっかりと届く。回復した視界に映し出されたのは、なんと傷一つついていないバロールの姿だ!果たしていかようにしてあの破滅的な一撃を耐えしのいだのか?

 おそらくはソウルアバターに標準装備されているベクトル偏向場を最大限活用し日光を鏡で反射するかの如く天へ弾き飛ばしたのだ。言葉で言うのはたやすいがはっきり言って人間技ではない。つまりあれは……

「助かったぜK/R」
「はい、試合開幕に想定された65535パターンの敵行動に合わせ私達にとって最適と考えられる対処を行いました」
「ハッハ、あのウスラトンカツにそんな行動パターンがあるとおもえねぇけどな!」

 声を掛け合いながらもバロールはその巨体からは想像もつかないほど軽快に駆け出す!大出力のエネルギー放射を行って動きに精彩を欠く紅蓮巨人に対してバロールが放ったのは……大質量の機体から放たれるソバットだ!

 冷却中で閉鎖できない露出したプラズマ反応炉に強かに恐るべき威力の蹴りが突き刺さる!ソバットとは言えソウルアバターの大質量と勢いで放たれるそれは広域破壊兵器めいた威力だ!

「ヌゥワーッ!」

 防御もままならぬ状態で激しく転倒する紅蓮巨人!鋼のコロシアムが巨人達の衝突によるバトルアースクエイクに揺れる!

「立ちな!ガチンコでもお前如きに負ける俺様とK/Rじゃねぇってこと証明してやるぜ!」

【ライフ・イズ・エンターテインメント!-7-終わり:-8-へと続く

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