粘体怪盗怪死事件~冥竜探偵かく語りき~ 第一話 #DDDVM
怪盗は死んだ。
その事実を私が知ったのは、私の助手を務めてくれているワトリア君が、刷り上がったばかりの新聞と共に来訪した折のことだ。
「先生!この見出し、本当でしょうか?」
「よく、見せてくれるかい」
私は図体ばかり大きな竜の身を縮こまらせ、人間としても小柄なワトリア君が掲げた新聞紙をひょいと宙に浮かべて貼り付けて見せた。左目にはめ込んだモノクルのピントを調節し、私からはあまりに小さい紙媒体に合わせる。
そこには、『怪盗アルデュンヌ死す!お手柄、才気あふれる新鋭技術者!