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冥竜探偵かく語りき

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異世界に生息する、数々の人智を超えた超生物。 だが、彼らとて命を失うこともある。謎めいた絶対強者の死因を探るのは、看取り屋とささやかれた冥竜!
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#冥竜探偵かく語りき

冥竜探偵かく語りき~生体迷宮停滞事件~ おまとめ版 第五話 #DDDVM

「ふんふん、物見の術がマニピュレーターとしても使えることにはどうやって気づいたんだい?」…

冥竜探偵かく語りき~生体迷宮停滞事件~ おまとめ版 第四話 #DDDVM

「ここですね」 立ち止まったリューノ殿が指し示した文字盤は、確かに私が指示した記号と一致…

冥竜探偵かく語りき~生体迷宮停滞事件~ おまとめ版 第三話 #DDDVM

私の杞憂を吹き払うしなやかな強さを持って、リューノ殿とシャンティカ君の二人は襲い来る脅威…

冥竜探偵かく語りき~生体迷宮停滞事件~ おまとめ版 第二話 #DDDVM

会話を続ける内に、話題となった山岳地帯が見えてきた。 この一帯は神話においては、神威によ…

冥竜探偵かく語りき~生体迷宮停滞事件~ おまとめ版 第一話 #DDDVM

あなたは、迷宮というものを体験した事はあるだろうか。 ない?実に結構。迷宮とは、暗く、複…

冥竜探偵かく語りき~生体迷宮停滞事件~ 第五十話 #DDDVM

謁見室を、再び重苦しい間が支配した。 女王陛下は固く口を真横一文字に結び、近衛騎士といえ…

冥竜探偵かく語りき~生体迷宮停滞事件~ 第四十九話 #DDDVM

そばに控えていた大臣が、女王陛下より後を引き継ぐ。重苦しい玉座の間の空気も、この男にとっては何処吹く風といった趣だ。 「陛下、続きはわたくしめが」 「よしなに」 「御意にて」 大臣はうやうやしく女王陛下に会釈した後、改めて一行へと向き直った。 「さて、容疑者のお二方。アルトワイス王国国民であるならば、王国が法の秩序の基づいて運営されており……犯された罪は法によって裁かれるのが大前提だが。そのへんはわかっているだろう?」 「……はい」 硬い声色で返答するサーンくん。その

冥竜探偵かく語りき~生体迷宮停滞事件~ 第四十八話 #DDDVM

先程の会話から程なくして、彼らは私が待つ集落から外れた場所へと戻ってきた。サーン少年が、…

冥竜探偵かく語りき~生体迷宮停滞事件~ 第四十七話 #DDDVM

「でしたら何よりです。それと、発症前にこれと言って変わった事象はありましたか?」 「いん…

冥竜探偵かく語りき~生体迷宮停滞事件~ 第四十六話 #DDDVM

「しかし、なんだってこっちに肩入れするんだい?さっきのタイミングでアタシを殺傷しても、ア…

冥竜探偵かく語りき~生体迷宮停滞事件~ 第四十五話 #DDDVM

「サーンッ!?」 「先生、頼むから落ち着いて……っ!」 私の視覚に含まれるマナ受容体が、…

冥竜探偵かく語りき~生体迷宮停滞事件~ 第四十四話 #DDDVM

「サーン君は、こちらに」 「はっ、はい!」 果敢にも咲き誇る脅威を前に突貫する戦士二人を…

冥竜探偵かく語りき~生体迷宮停滞事件~ 第四十三話 #DDDVM

少年の制止を他所に、見事に咲き誇った水華はあまた重なる花弁のそこかしこより波紋をほとばし…

粘体怪盗怪死事件~冥竜探偵かく語りき~ 第一話 #DDDVM

怪盗は死んだ。 その事実を私が知ったのは、私の助手を務めてくれているワトリア君が、刷り上がったばかりの新聞と共に来訪した折のことだ。 「先生!この見出し、本当でしょうか?」 「よく、見せてくれるかい」 私は図体ばかり大きな竜の身を縮こまらせ、人間としても小柄なワトリア君が掲げた新聞紙をひょいと宙に浮かべて貼り付けて見せた。左目にはめ込んだモノクルのピントを調節し、私からはあまりに小さい紙媒体に合わせる。 そこには、『怪盗アルデュンヌ死す!お手柄、才気あふれる新鋭技術者!