冥竜探偵かく語りき~生体迷宮停滞事件~ 第四十三話 #DDDVM
少年の制止を他所に、見事に咲き誇った水華はあまた重なる花弁のそこかしこより波紋をほとばしらせ、水撃を吹き散らす。あくまで地面を狙った一撃なのは、集落への誤射を嫌ってのことか。
やむなく抜刀したリューノ殿が、猫科肉食動物の低姿勢めいて駆け抜けては水華の根幹へと刃を振るう。かたやシャンティカ君はバク転側転から距離を撹乱した後、術者本体を避けての射撃を行うもことごとく花弁に埋もれて有効打とならない。
そして二世殿は、どういう技術か水撃の一線をことごとく最小限の動作で回避していた