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『こんにちはPython』レビュー

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『ゲームセンターあらしと学ぶ
 プログラミング入門
 まんが版 こんにちはPython』

すがや みつる(著/文)

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ゲームセンターあらしで有名な、すがやみつる先生のコンピュータ学習マンガに『こんにちはマイコン』という名著があります。

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↑こんなの。

なんと1982年に出されたマンガだそうで、当時のマイコン少年(少女?)のバイブルだったそうです。今では学習マンガなんて普通にありますが、当時は学習マンガ自体がめずらしく、その上コンピュータの学習用のマンガなんて他に例のないとても稀有な本だったそう。みんなこれでBASICという言語を学んだのだとか。

で、本著は、それから38年後(!) に描かれた、すがやみつる先生ご本人の手による最近流行りの言語、Pythonの学習マンガなのです。(絵柄が変わっていない(というか進化してる?)のがまずスゴイ!w)

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最初話を聞いた時は流行り物&リバイバル系の半分冗談のような企画マンガだと失礼ながら思っておりましたが、とんでもありません。

これ、ものすごく真剣に初心者・初学者のことを考えて描かれています。初心者が詰まりそうなポイントをきっちり抑えていて、そして解決に導いてくれる。ほんと、とても良くできた入門書です。すばらしいの一言なのです。

まずキーボードの使い方([全角/半角]キーの使い方とか!)から始まり、プログラムって何? ってレベルから、Pythonという言語がある、そのいいところは……と順にイントロダクションしたうえで、定番のインストール方法にすすみ、この本の通り順番にやっていけば誰でも無理なくPythonを扱えるようになります。

そこから、プログラムの作り方、考え方等を、あらし君たちと一緒に「ゲームを作る」というモチベーションで「学ぶ」というより「遊び」ながら進められるようになっています。

よくある「この通りに打ち込んで見ましょう」といったプログラムの入門書ではなく、「ちょっとためしてごらん」という感じで描かれているのがとても好印象です。あらし君がせっかちというところもあるかもですがw、実際に手を動かしてどんどん新しいことに挑戦して、失敗して、手直しして、という流れがマンガでしっかり描かれています。

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↑こういう(たいへんよくある。けれどわかりにくい)失敗がちゃんと出てきているのが良いですねw

普通の本には↑のような失敗は書かれていないので、こんなところで挫折する人もきっといるに違いなく、そういう入門の入門レベルの人でもOK、ウェルカムようこそ「こんにちは Python」なのです。

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実際、著者のあとがきを読むと「入門書の入門書を作る」ことをいつも心がけていたとのこと。Pythonの入門書は数多く出版されていますが、その入門書でも敷居が高いと思う人はやっぱりいるはずで、この本はそんな方こそを対象にして、とても易しく、そして優しい本だとおもいました。

最近、小学校でプログラミング学習等始まっているようですが、機材の都合などでパソコンを使わないアンプラグドな教育が多いようです。手元に(昔の型落ちでも)パソコンがある環境なら、アンプラグドで考え方を学ぶだけよりも、実際に手を動かしていろいろ挑戦したほうが、個人的にはずぅえぇっったい!(強調)学習効果が高いと思います。

小学生でも読めるよう(あらし君たちも小学生です)描かれています。エラーを恐れず、ゲーム感覚でどんどんプログラミングして、遊ぶように学習できる。そんな素敵な本。
まだプログラムのプの字もわからないぐらいの超初心者に、キーボードとマウスは使えるからパソコン使えるぞって自慢しがちの小学生あたりに、ぜひぜひ読んで(ためして、あそんで)欲しい、超おススメのマンガです。

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