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橋を渡ると不思議な寺院でした。カオスと異文化の間で。|友人とトンブリー散歩(4)
タイ > トンブリー > ワット・クンチャン
私たちは目的地だったワット・パクナムを出て、小道を道なりに進む。トンブリー散歩シリーズのラストは異国感溢れるお寺の話だ。
/ 友人とトンブリー散歩(1) (2) (3) /
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橋を渡ると別世界
知らない道を歩くと、いつもワクワクと不安が交じり合う。”自分を励ましながら前に進む側”の私は、100%ワクワクに振り切れる人を何度羨ましく思っただろう。
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小道を進むと橋に辿り着いた。橋の上から来た道を振り返る。
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そして前方を見る。なんだか今まで見てきた風景と違う。
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そして、橋の上からさっきまでいたワット・パクナムを名残惜しく見つめていると、視界の右側に次々と仏像が入ってくる。気がづけば、頭の中は目の前の寺院への好奇心でいっぱいだ。
見慣れない顔、ビルマ様式の世界
一歩寺院に足を踏み入れる。・・・・何かが違う。
タイの寺院に行ったことがある人なら、直感でそう感じるはずだ。
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私と友人は呆然と仏像を見上げた。表情が違う。色が違う。違和感の正体が少しずつ明らかになっている。そして、必死に自分の中の知識と記憶をたどる。
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カンボジアの寺院で見た仏像の色味に似ている気がする。しかし確信が持てない。分かることは「タイ様式ではない」ということだけだ。
ここで私たちはスマホを取り出し調べることにした。
・・・
ビルマ様式だと。
始まりはインドだった仏教。そしてタイと同じ上座部仏教であっても、場所が違えばその地で少しずつ変化し、いずれ「独特」だとか「様式」だとか言われるようになる。
月や太陽を飲み込む神
ここで大きなラーフ神に気づく。その真っ黒い上半身だけの神は、月や太陽を飲み込み、月食や日食を起こすと言われている。
タイでは、凶兆の神=悪いことが起きないようお願いする厄除けとして信仰されているのだ。ラーフ神は水曜日の夜の神とされていることから、水曜の夜は信者が絶えない。
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気になる方は是非ラーフ神の話を調べてみてほしい。なぜ上半身しかないのか、なぜ太陽を飲み込んだのか。インド神話には不思議な世界が広がっている。そしてタイでは当たり前のようにインド神話が広く知られている。
魚に餌をやる
上座部仏教では、修行中の僧侶(比丘)のみが救われる教えだが、普通の一般人が救われる道としてタンブンという行いがある。
タンブン=善行を積み重ねる(徳を積む)行為のこと
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そのタンブンの一環で、私たちは魚に餌をあげることにした。
※日本で鯉に餌をやるより数百倍タイの魚は元気がいいので、初めての場合は少々注意が必要
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カオスの一言でいいのか?という違和感
ワット・クンチャイについて調べると「カオス」「B級」という言葉が目立つ。美しいワット・パクナムから橋を渡ってきたら、そう感じるのも仕方ない。でも「見る価値はない」と言い切ってしまう文章には少々悲しさが伴う。
更に寺院の奥に進む。タイでは見ない聖獣が並ぶ。
私たちは立ち止った。そして念のため友人に聞く。
「この聖獣はタイのもの?」
「タイでは見ないね」
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トンブリー散歩の最後に
私たちは MRT Bang Phai 駅に向かい、トンブリーを後にした。謎だらけの寺院ワット・クンチャイについて、電車の中で詳しく調べる。もちろんタイ語でだ。
友人から「これ読んでみて。意味わかる?」と見せられた
19世紀(ラーマ3世の治世)、ビエンチャン王国に勝利したことを記念して建てられた寺院。ビエンチャンから連れ帰った捕虜使い1827年に建設された。また、寺院は捕虜の住居地でもあった。
「文章の意味は分かるけど、ビルマは関係ないね」と言うと、
友人もなぜビルマ様式になったかを調べていたらしく
「そうなの!関係ないの。謎だね」と。
結局ビルマ様式になった経緯は分からないまま、私たちはそれぞれ最寄りの駅で電車を降り、トンブリー散歩は終わった。
その後「あれは何だったんだろうね?」と、まれに話題にあがる。不思議だよね、と笑い合う。そんなありきたりな会話が、私のタイ生活を楽しくしてくれる。
場所
お寺の正式名称はワット・ワラーマータヤパンタサーラーラーム、通称ワット・クンチャイ
MRT Bang Phai 駅 より1.2kmほど◆1番出口
なので、ワット・パクナムに行き、その足で訪れるのが良さそう。
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