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風に乗って聞こえるアザーンに、インドネシアの朝5時を思い出した。

部屋に吹き込む風にのって、アザーンが聞こえた。

バンコクの街は騒がしい。
近くにモスクがあるものの、消え家まで聞こえることはほとんどない。

今日は風向きのせいか、よく聞こえる。

インドネシアでの出勤に使っていた乗り合いのAngkot

その声に、8か月過ごしたインドネシアを思い出した。

当時住んでいた家の周りには大小さまざまなモスクがあり、時間になると一斉にアザーンが流れ出す。思い出せるだけでも、4-5か所はあった。

家のすぐ裏には駅

正確な時間は覚えていない。朝5時だっただろうか、5時半だっただろうか
。外はまだ暗い中、各方向から朝のアザーンが流れてくる。イスラム圏での生活が初めてだった私は、あっけにとられた。

それだけじゃない。
家のすぐ裏にある駅の構内放送は、早朝から夜まで響き渡る。

ジャカルタ・ボゴールへの交通の便は最高だった

何度も「騒音 寝る方法」と検索したが、結果はいつも一緒。
「慣れるとうるさいと感じなくなる」
睡眠不足だけど流れに身を任せるしかない。赴任1日目、こうして私のインドネシア生活は始まった。

アザーンは悪くない。私が別世界からやってきただけだ。

2ヵ月が過ぎた頃には朝のアザーンで目が覚めなくなっていた。駅の構内放送にも慣れ、朝5:45に起き、6:15に出勤し、夜は22:00に就寝する。生活サイクルが固まってきた。

ひとつ、現地に適応した瞬間だった。頭で分かっていても、体がすぐに受け入れるとは限らない。少し時間がかかることもある。
当時、現地の中に入っていくことが使命(仕事)だった私の、大きな大きな第一歩だった気がする。

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