ニジイロの花 解離性同一性障害と生きる アオイ編Vol.4 ーカウンセリングと交換ノートー
初診が終わっての帰り道。
「もうさ、なんでもやってみようよ。それでアオイが、少しでも楽になればいいことだし。嫌だったら、すぐにやめればいいからさ。何も気負うことないよ」
ナオキは、まるでお稽古事でも勧めるかのように、明るくさりげなく言う。
アオイは気が重かった。何か始めなければ変わらないと思うけれど、始めたら、いったい何が起きるんだろうと、怖かった。
「う、うん、そうだよね……」
気が乗らないまま返事をすると、
「じゃ、電話するよ。2週間後だったら診察と一緒にカウンセリングの