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【生きるとは選択の連続だ】〜ジェラットの意思決定理論〜

こんにちは。ryoです。
今日は意思決定について、ジェラットの理論をまとめます。

ジェラットといえば、「意思決定のプロセス」「積極的不確実性」が試験によく出るポイントだったように思います。
教科書もそんなにページ数割いていませんし、意思決定のプロセスは、割と普段からみんな考えていることなんじゃないかなぁと、試験勉強当時は思っていました。

ですが今日、学生と面談していて、この意思決定プロセスをクライアントと共有して、頭の中にこのプロセスをちゃんといれておくと、カウンセラー側も傾聴しやすいと実感しました。

当たり前こそ難しいし、当たり前こそ真理なのだと思いました。
試験勉強当時の私を怒りたいです。笑

意思決定プロセス

ジェラットは、「選択する条件が2つ以上あって、個人自ら決定することが意思決定の基本要件」であるとしています。
存在する複数の選択肢の中から、他の誰でもない自分が選択するというのが意思決定ということですね。
みなさんも、今日数えきれないほどの意思決定をしたんじゃないでしょうか。業務に伴う選択はもちろん、お昼何食べようか、という選択だって意思決定な訳です。

その意思決定は、次の3つのステップを辿ります。

ステップ1:予測
選択可能な行動とその結果の予測を行う。自分の客観的な評価と選択肢がマッチするかどうかを予測する。

ステップ2:評価
予測された結果が自分にとってどの程度望ましいか検討する。自分の価値観や興味関心に合っているかどうか検討する。

ステップ3:決定
可能な選択を目的や目標に照らして評価し、その基準に合致したものを選択する。

多分、みなさん無意識にやっていることだと思います。
まず、どんな選択肢があるのか、その選択肢を選ぶことでどのような結果になるのか予測します。予測した結果は、自分にとって良いのか悪いのか評価します。評価の結果、良さそうならばその選択肢で決定します。もし良い結果でなさそうなら、もう一度どんな選択肢があるのか、というところに戻ります。

面談する上で大事なのは、ステップ2の評価だと感じました。
評価システムに影響するのは、自分の価値観や関心です。この価値観や関心があやふやだったり、非合理思考(イラショナルビリーフ)でないか、傾聴をしながら確認するといいと思います。
もし、価値観が不明確であれば選択肢は膨大に、価値観が非合理思考に捉われていると、選択肢は極端に減ってしまうと思います。
このプロセスを頭にしっかり入れておくと、クライアントの価値観を大切にしながら、意思決定の援助ができると感じました。

非合理思考(イラショナルビリーフ)は、こちらの記事にもまとめていますので、よろしければご参照ください。

積極的不確実性

意思決定プロセスによって、曖昧な要素をなくして合理的に判断していこうというのが、ジェラットの姿勢でした。しかし、変化が激しく予測が難しい現代においては、そういった不確実性も考慮していかなければいけないと意思決定のプロセスを訂正します。

合理的な選択だけでなく、主観的で直感的な視点を取り入れて、あいまいで不確実なことにも注意しながら、統合的に判断していくことが大切だと述べました。それこそが「積極的不確実性」です。積極的に不確実なことも受け入れていこうという考え方ですね。

積極的不確実性は、3つの原則が説明されています。

①情報について
情報は想像力を持って扱うこと、しかし情報を想像しないこと。
②意思決定のプロセスについて
自分が何を求め、何を信じているかを理解すること。しかし、確信しすぎないこと。
③選択について
合理的に選択すること、ただし、合理的選択が通用しない場合は手放すこと。

すごい柔軟な原則だと思います。
③「選択について」は、サンクコストと同じこと言えそうな気がしますし、自分が何を求めているかというのも、人と対話する中で気がついたりすることってありますもんね。「これが絶対!」と決めつけることの危うさなんかもカバーできているような気がします。

まとめ

人生は選択の連続です。
日々、無意識の内に数ある選択肢の中から、自分の価値観に合わせて合理的に判断をしています。
面談の場においては、意思決定におけるプロセスを意識することで、各ステップ毎に検討しながら、クライアントと歩調を合わせて、ゆっくり考えることができると感じました。私は、特に評価システムを大事にしたいと考えます。そうすることで、クライアントにとっての最善の意思決定ができるのだと思います。

意思決定については、ジェラット氏のほか、ヒルトンやクルンボルツ、ティードマンなど、沢山の先生が論じていますので、また別の機会にご紹介したいと思います。それではまた。

追伸
やっぱり宮城先生の本はとても参考になります。キャリコンとして必読だと思いました。


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