【大浮世絵展】透かしの天才、喜多川歌麿
明日で終わる大浮世絵展に行ってきたので、備忘録的に自分が覚えておきたい浮世絵を紹介していきます。
今回は喜多川歌麿に絞りまして、やっていきます。と言うのも、それまで思っていたより喜多川歌麿すごくね?ってなったからです。これまで興味持ってなくてごめん。実は今回も国芳に期待して見に行ったよ。
ラインナップはこんな感じ↓
婦女人相十品 煙草の煙を吹く女
婦女人相十品シリーズで一番有名なのは、ホッピンを吹く女だと思うのですが如何。日本史の資料集にも出てくるし、菱川師宣の見返り美人並みに有名だと思う。
このシリーズで感動したのは、背景の銀!白背景で手抜いてるかと思いきや、ちゃんと色塗ってあるの。(多分)刷ってあるの。
で、髪の毛とかの細かいとこは避けられてる笑 まあ、そこ彫るの厳しそうだもんな・・・
あとはあの、前はだけすぎ。この時代めちゃくちゃポロリ多かったのか?だから春画でもそんなに胸見せないのか?新鮮味がないとか?
一旦それは置いとこう。ちょっと一部分拡大した画像載せます↓
顔の横にちょっと凹凸あるの分かりますか!これ空摺りで、色を使わずに煙を表現してるのです。すごくない?
写真だとわかりにくいけど、実際に見ると結構わかる。
【空摺り:からずり】浮世絵版画などで、凸版に絵の具を塗らず、刷り圧だけで、紙面に凹凸模様を作り出す技法。着物の文様などを無色の凹線で表すのに用いた。
この技法、結構使われてて、すごい!ってなったのもう一個取り上げます。白なのに模様が出来るのがすごい。
六玉川 玉屋内花紫
これの、白い部分良く見てね。
画像粗めだから分かりにくいけど、ちょっと模様見えてるの分かりますか!色いじったから少しはわかると思うけど、やっぱ写真じゃ伝わりにくいな。
あと鏡でかいな。重そう。
次は、普通に面白いなあと思ったやつです。
台所美人
上の女性の顔。めっちゃ嫌がってる。BBQでこういうシチュエーションあるよね。しゃーない。
荻江松蔵 峰 いと
着物に書いてあるから、誰がどれやってるかわかるよね。吉原俄のやつらしい。まあ、コスプレ。
【吉原俄:よしわらにわか】江戸吉原の遊郭で行われた即興芝居。享保年間(1716~1736)に始まり、毎年8月中旬から9月中旬まで街頭の屋台の上で幇間(ほうかん)や芸者などが演じた。
とにかく、この蝶の飾りのインパクトが強すぎる、綺麗。なんか建物の飾りらしい。解説文に書いてあったけど忘れてしまいました。
みっちみちの構図が珍しいような気がする。背景は結構シンプルなイメージ。
名取酒六家選 若那屋内白露
これ、手紙の文字読めるよなあ、と思って。多分鏡文字だけど。
六家選って言うのが六歌仙とかかってて、タイトルにも遊び心いるんだなって思いました。
あと結構題名書くとこのデザイン見るの好き。これは酒と杯。テーマによく沿っていていいと思います。
あ、次から透かしだ。
当世踊子揃 鷺娘
笠のとこ!透けてる!髪の毛も着物も見えるの。
あと、よく見たら手前の髪の毛の浮いてるとこと後頭部の重なってる部分もちゃんと透けてるの。こまけえ・・・彫り師頑張ったよお前。摺師もよくやったよ。
針仕事
3枚合わせて長い1作品にしてるやつ。一枚ずつでもちゃんと作品になってるの。インスタで「一枚の写真を分割して投稿することで、ホーム画面を見たときに大きい一枚になる」技法あるじゃん。あれは必ずと言っていいほど見所のない写真が出てくるから、この絵を見習ってほしい。
で、これの透けは↓が目立つと思うんだ。
まあ、透けてるよね。布越しに顔みえるよ。さらに、この布の中心に模様がついてるのもすごい。
でもまあ、もっとすごい透けがあるんだ。
この女!!!!!着物が薄い!!!!!!!!
腕がスケスケだぜ!ついでに足もスケスケだぜ!!胸元が透けてたかはよく確認してこなかったからわからないぜ!!!
こんな着物着て出歩いたら、公然猥褻だと思うんだけど。てか、当時こんな素材あったの?
現代風に言えば白シャツとか白いガウチョから下着が透けてるみたいなことでしょ?危険じゃね?
櫛
櫛の透けがスゴい!べっ甲なのか?
あと、これもそこそこ胸元緩いんだよなあ。気にしないもんなの?
それより背景どうした?急に?まあ、見慣れないけどこれはこれでありだな。エキゾチックジャパンじゃん。
衝立の男女
こおおおおおおおおれは!!!!!この女は!!!!!かわいい!!!!!!
男の上着を持って「透けてる〜」みたいなシチュエーション!!!!かわいい!!!!これ見たとき女が可愛すぎて前髪をぐしゃぐしゃしました。
こういうイチャイチャ良い〜、なに〜、いや〜、リラックスモード〜、
かんざしに布がかかってるのも良いよなあ・・・このあと「ありゃ?引っかかっちゃった〜とって〜」とかやるんだろ?てか、やっててくれ。
最後!
錦織歌麿形新模様 浴衣
着物の線とか書いてないから、どこでどう分かれてるかわからないの。想像するしかない。実際絵柄の切れ目で分かりそうな感じもあるけど、一見だとわからんね。
初めて見た技法。技法なのか?技法だと思うけど。
でもさ、これも胸元はだけすぎじゃない?←このセリフ言いすぎて胸元はだけすぎを注意するおばさんみたいになってきてるけど、これはもう見えてるでしょ。
こんな絵が流通してたのに、西洋画のヌードを顔赤らめて見てたとか信じられないよな。どういう視点持ってたんだ。
おまけ「西洋画のヌードを恥ずかしがって眺める日本人」の風刺画
あのビゴーの作品でした。世界大戦とかの風刺画書いてた人。資料集に載ってるやつ。この人の絵のタッチいいよね。
めでたし、めでたし。と書いておけば何でもめでたく完結します。