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【連載】日本文化のはなし

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日本文化の色々を語る連載。とりあえず隔週月曜更新にします。現状、毎週月曜日は割とこういう系の話をしています。月曜日に知的になる人。
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記事一覧

想像力を鍛えろ!陶片模様当てクイズ〜〜!!!

ビーチコーミングで入手した陶片の紹介シリーズ第二弾。今回は模様当てクイズをしましょう。たとえ嫌だと思っても、このまま下にスクロールすれば始まってしまいますよ。ふっふっふ……恐ろしいか、noteの仕様が。 さっそく例題をば。正解の正しさには九割五分の自信があるので安心して進んでほしい。PCで読んでいる人は画像がでかいと思うかもしれないが、スクロールの調整具合による予期せぬ正解発表を防ぐため、大きめに出させてもらう。 例題 正解は・・・ 笹/竹断片が竹ってことは、近くに雀

【器のはなし】ビーチコーミングで得た陶片を観察して盛り上がろうよ

先日ビーチコーミングで入手した陶片の紹介をする。なんか、シーグラスのノリでシー陶器って言うらしいね。ふうん……よし、やっていくか。 これらは、ほとんど一箇所の浜で入手した。あまりにも取れるので驚いた。たくさんあったとはいえ、模様らしい模様がバッチリ残っていたりアクセサリーになりそうな大きさだったりというのが少なめな気がするから、同じ場所で良いものをさらっていった先人はいたんだろうと思う。使いにくそうな高台部分も多く残っていた。 とりあえず時代順に並べてみる。左から昭和〜大

【器のはなし】滝といえば鯉じゃろがい!(ちょっと浮世絵の話も)

先日、オモコロチャンネルで「個人的”恐怖症”発表会」という動画が上がっており、そこで恐山さんが葛飾北斎の『諸国瀧廻り』が怖いと話していた。特に「木曽路ノ奥阿彌陀ヶ瀧」が怖いそうだ。 動画内で「構図がおかしくない?」と触れられており、それはその通りなんですが!この上の円形の部分は、滝の真上の水が溜まっているところを描いたものらしく!そう考えると葛飾北斎が試みた表現方法ってすごいところまでいってるんだなー!ってなるよね。私は何かしらの展示でこの解説を見て、一気にこの絵が好きにな

【器のはなし】大皿コーナーに「今日は私です」と言ってる奴がいた

一週忘れてて飛ばしたかと思ってたら、今週更新予定だった。な〜んだ。 秋っぽくなってきたから秋っぽい器あるかな〜馬とか良いかもな〜と思っていたら、大皿コーナーに「今日は私です」と言ってる奴がいたから秋らしさとか諦めてそっちにした。 「私です」 良いですね。本当にかっこいい。初めて見つけた時からずっとかっこいい。この皿を見るたびに自分のセンスの良さを実感する。おそらく色絵素地で、この後で色絵が施されて完成品になるはずだったと思われる。 径30cmあってちょうど尺皿のサイズ

【器のはなし】いつか直したい器たち。捨てたくないし使いたいんだよなあ。

二週間くらい前、おかずを盛り付けた器をレンジで温めて、机に運び置いた瞬間、ヒビがガッツリ入る音がした。このタイミングで、まさかこのまま割れるなんて言わないよなあ?と指を離すと、まだ分裂はしていなかった。しかし油断は出来ない。入ったヒビが深く、貫通している場合、おかずの汁が滲み出てしまう。……それはまあ食べ終わってから机拭けばいいか。 という顛末があった器がこれだ。 なぜまだ取っておいてあるのかというと「いつか直そう」と思っているからだ。正直捨てるか迷った。かなり。この器は

【器のはなし】かわいいもので心を救う。かわいいは疲れに効く。

何もしてないのに暑さで疲れる夏よ。いまさら熱中症対策でタブレットと粉アクエリを買ってきた。軽い熱中症に一度なった後遺症が続いている。春雨スープに浮いているお花の具材の可愛さに救われるんだから、可愛いものを見せて他人の心を救うのは、今、まさに今、求められていることのはずだ。 今回は、私が実際に何度も元気づけられた器を紹介する。 ざっくりしたゆるゆるの絵付けに良い予感を感じる。まあね、とりあえず一周分の写真をご覧ください。 これ!この背中のこれ!!雀!!!何度見ても良い〜〜

【器のはなし】納涼のための青磁。みずみずしいエメラルドグリーンだ。

本来は昨日が更新日だったが、あまりにも疲労が溜まりすぎていてやる気にならなかったんで、今日に移動。前回に引き続き、今回も涼しげな器をババっとやっていくぜ。青磁じゃ。 青磁はエメラルドグリーンや白濁した黄緑や水色っぽい色をした釉薬がかかった磁器で、目をひく美しさがありつつも使いづらそ〜なカラーリングなので買うかどうか悩む。釉薬を何度も塗り重ねて色を付けるので、厚みがあって重たいものが多い。 まずは白菜を。これは気に入ってるから何度か出しているような、二回目かもしれないな。

【器のはなし】納涼のためのなずな文。見た目がなんとなく涼しそう。

暑いから涼しげなの見よう!と思って、今回はなずな文です。ベロ藍とか瑠璃釉とかの深い青も迷ったけど、なんか目に入ったから、なずな。 なずな文様と呼んでいる、この模様は霊芝文様とも呼ばれている。植物の花弁みたいなのの中に描いてあるのがそれ。「なずな」はぺんぺん草で、「霊芝」はでかいキノコ。サルノコシカケみたいな見た目だよ、と教えられたことがあるが、そもそもサルノコシカケというキノコを知らなくて全然分からなかった過去がある。 器全体がお花みたいになっているが、これがなずな文の定

【器のはなし】白って二百色あんねん

好き好きの器を大自慢する回。今回は、江戸中期染付輪花縁なます皿。一目惚れと言っても差し支えないほど瞬時に購入を決めた。一客しか無かったし、傷モノだから安かったし。 まず注目すべきなのは白磁の部分が多いところ。江戸期の白磁は高い傾向がある。真っ白は高価がち。おそらく良いものしか残されていない。現在ではダメなのは出回ってない。白磁を美しく作るのは難しいからそもそもの基準が高かったのだろう。ここからは私の想像なんですが(栗原さんの口調です)、あまり良くないのは絵付けして誤魔化して

【着物のはなし】ハッピが英語に似ているためハッピー・コートと呼ばれ西洋人に喜ばれた

夏になると和装の日本人が増える。だから今日は着物の話をしよう。戸板康二『元禄小袖からミニスカートまで 日本のファッション300年絵巻』を引用します。 まず、私が一番衝撃を受けたところ。 着物を着るときに、うなじのあたりに隙間を作るんだけど、アレって江戸時代かららしい。胸元おさえて腰の方から着物引っ張ってちょうどいい空間を作れるようにめっちゃ頑張って着てたけど、結構歴史浅いんじゃーん。やりたい人はやればいいし、難しかったら諦めてもいい要素なんだなと思った。首元からレースやシ

マンホールと器の類似性について

収集癖がある。過去にはシール、『テニスの王子様』のラバーストラップ、AKB48とぷっちょのコラボ「AKBっちょ」キーホルダー、行った展示のポストカードなどとにかくハマったものを集めたがる。昔から物に溢れた生活をしている。 現在、一番所持数の多いものは?と聞かれたら、真っ先に「器」と答えるだろう。しかし、器は集めているのではなくて、なんか勝手に集まってくるものという感覚がある。収集ではなく集合。好きだな欲しいな買おうかな、を続けていたら増えていた。それだけのこと。集めようとし

【器のはなし】手持ちの中で多分一番出来の良い器を見せながらずっと話す

手持ちの中で、多分、一番出来の良い器。江戸中期染付蛸唐草文なます皿。金継ぎされているから骨董品としての価値がすごくあるわけではないし、これよりもっとすごいものが美術館や博物館に行けば見れるわけだけど、それでもやはりこれは美しい。 江戸中期の伊万里だから古伊万里にカテゴライズされる。「古伊万里」というのはざっくり言えば江戸時代の伊万里焼のことで、人によっては江戸時代の作で出来が良いもの(上手のもの)をだけ古伊万里と言ったりする。伊万里焼は誕生して割とすぐに全盛を迎える。それが

【器のはなし】ガラス器コレクションを見て行ってくれないか

GWといえば陶器市だが、今年はそのことを忘れるほど木工に励んでおり、各HPもオンラインショップも見ていない。見たら欲しくなるし、そういう年もあって良いだろう。益子陶器市に出店されている望月万里さんが、雲型の片口を作っていて、それの白色バージョンを先日Twitterに掲載されていたのが気になっている。この片口、藍色だけ存在していたのだけど個人的に白が欲しくて待ってたもんで。たのむ〜手に入れるまで作っててくれ〜。 器作家さんも「推しは推せる時に推せ」が適用されていて、いつ作品作

【器のはなし】六歌仙全員の名前覚えたはずなのに、いつの間にか言えなくなっている。

今回はどう〜しよっかな〜と器を眺めていた。モチーフごとに器を出していくのも良いな、花とかかな。というか前に何をやったかな。覚えてないけど多分まだやってないだろう。で、決まったのが人物図縛りである。 というわけで、今回はいろんな人たちを見ていこう。なんか集めてみたら個数多かったからサクサクと進める。 六歌仙六歌仙、人生のどこかの段階で全員の名前覚えたはずなのに、いつの間にか言えなくなっている。小野小町と在原業平はみんな言える。お坊さんが二人、喜撰法師、僧正遍昭。あとは文屋康