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マンホールと器の類似性について
収集癖がある。過去にはシール、『テニスの王子様』のラバーストラップ、AKB48とぷっちょのコラボ「AKBっちょ」キーホルダー、行った展示のポストカードなどとにかくハマったものを集めたがる。昔から物に溢れた生活をしている。
現在、一番所持数の多いものは?と聞かれたら、真っ先に「器」と答えるだろう。しかし、器は集めているのではなくて、なんか勝手に集まってくるものという感覚がある。収集ではなく集合。好きだな欲しいな買おうかな、を続けていたら増えていた。それだけのこと。集めようとして揃ったのではない。
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では、現在収集しているものは?と聞かれたら、そんなものあったかな〜と悩んでから「マンホール……?」と答えるだろう。いや、マンホールそのものを集めているのでははない。マンホールの写真を集めているのだ。その辺の道路にたくさん放置されているとはいえ、マンホールをガッと持ち上げて自宅に持って帰れば、私はその足で警察署に向かわねばなるまい。
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実は、以前から「マンホールと器って似ているのでは?」と感じていた。具体的に類似点を挙げたことは無いけれど、直感がそのように言っている。「マンホールとかけまして器と解きます。その心は、どちらも円形でしょう。」とかいうのはナシで。
とにかく、この機会に「マンホールと器って似ているのでは?」論を証明したい。今後の人生のために。
マンホールの写真と器を交互にじっと見て、浮かび上がってきた類似点は二つ。モチーフとその配置である。まずはモチーフの話をしよう。
東京都を歩いていると何度も目にする、イチョウと桜のマンホールがある。
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これは東京都の木であるイチョウと都の花であるソメイヨシノを組み合せて意匠化したものだ。このように土地を象徴するモチーフがマンホールの模様に使われることは珍しくない。マンホールを見ればWikipediaに頼らなくても、土地の情報が得られるのだ。
一方で、器の模様としてもイチョウや桜は使われている。
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(画像クリックで拡大できます)
イチョウは開運招福、富貴長春、夫婦円満、神仏加護などの意味があり、桜は五穀豊穣、繁栄などを表す。こうした縁起の良いモチーフは器の模様にたくさん使われ、食事と一緒に願いがのせられているのだ。
このような調子で手持ちのマンホール写真と器で同じモチーフのものを並べてみた。
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個人的な趣味で幾何学模様に惹かれるせいで、動植物モチーフのペアをあまり作ることが出来なかった。マンホール写真も器も、目に入ったものを全て手に入れるほど沼に浸かっていないのだ。私にはまだ判断する理性がある。
以下は、マンホール写真もしくは器の片方しか持っていないが、同じ模様のものが存在しそうなもの。
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鱗、輪繋ぎ
次に、モチーフの配置をみていく。いくつかの分類が出来そうなので、分類に適当な名前を付けて紹介する。
①謁見型
正面からの鑑賞しか認めない。天地無用。キャラクターマンホールはこのパターンが多い。
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②埋め尽くし型
とにかくモチーフをたくさん置くことで余白を埋める。上下左右どこからの鑑賞も許容する。
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③謁見埋め尽くし型
一見埋め尽くし型に見えるが、よくみると明確な正面顔がある。
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④窓型
複数の窓を設けて、それぞれに絵を描く。
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⑤放射型
円をピザやケーキのように中央から放射状に分割し、模様を割り当てるもの。中心に向かって重力が働いている。地球と同じ。
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改めて並べてみると、マンホールと器が類似していると感じる場合、両方とも円形なことが前提になっている気がする。初めに「『マンホールとかけまして器と解きます。その心は、どちらも円形でしょう。』とかいうのはナシで。」と書いたけれど、円形なことは重要事項だと気がついた。配置はその枠組みに左右されるからだ。まず外側があって内側が決まる。円形をどう生かすかはマンホールデザイン、器デザインに共通する課題なのだろう。
以上のことから、やはりマンホールと器は似ていると言えそうだ。長らく抱えていたモヤモヤが解消されて嬉しい。
しかし当然のように例外もある。例えば、マンホールには放射型のように画面が分割されているものの謁見型で一方向からしか鑑賞できないものもある。こうした配置の器にはまだ遭遇していない。これと対になるようなデザインを求めて、器探しの旅に出るのも楽しそうだ。
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それでは最後にマンホールすぎる器と器すぎるマンホールをご覧ください。またどこかで。
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