眠れない夜に試したい、心と体を休める方法:目を閉じてリラックスを意識しよう
疲れているのに、ベッドに入った途端なぜか目が冴えてしまう、そんな経験をしたことはありませんか?「早く眠らなきゃ」と焦るほど、ますます眠れなくなるものです。精神科医の西上貴志氏によると、眠れないときは無理に「眠ろう」とするのではなく、まずは「体を休めること」に意識を向けるのが大切だと言います。
では、どうすれば自然に眠気を引き寄せられるのでしょうか?今回は、医学的に正しいリラックス方法とともに、眠りに対する考え方を見直してみましょう。
「眠ろう」とする意識が睡眠を妨げる?
眠れない夜、ベッドの中で「早く寝なきゃ」と思えば思うほど、なぜか目が冴えてしまうことがあります。これは、睡眠に対する意識が交感神経を活性化させてしまうためです。交感神経が優位になると、体は興奮状態に陥り、リラックスできなくなります。結果、眠りにつくのが難しくなるのです。
では、どうするべきか?大切なのは、「眠ろう」と意識するのではなく、ただ「体を休める」ことに集中することです。眠気が来るのを待つ間、目を閉じて深呼吸しながら心を落ち着かせましょう。これだけで、頭が情報を処理する量を減らし、リラックスした状態へと導くことができます。
目を閉じて情報を遮断する効果
実は、私たちが日常で受け取る情報の大部分は視覚から来ています。研究によると、脳が処理する情報の約80%は視覚に依存しているそうです。そのため、目を閉じることで外部からの情報をシャットアウトし、脳の負担を軽減することができます。これにより、心身をリラックスさせ、体を休めることができるのです。
眠れない夜でも、無理に寝ようとせずに、目を閉じて「今は体を休める時間だ」と考えるだけで、少しずつ眠気を感じることができるでしょう。
筋弛緩法でさらにリラックス
また、「眠れない」と感じたときに効果的な方法として、「筋弛緩法」があります。これは、体の筋肉を緊張させてから、力を抜くことでリラックス効果を得る方法です。
例えば、仰向けに寝た状態で、まずは手の握りこぶしに力を込めて5秒間キープします。その後、ゆっくりと手を開放し、緊張を解きます。この動作を繰り返すことで、筋肉の緊張と弛緩を交互に行い、体全体のリラックスを促進します。
筋肉の緊張を解放すると、副交感神経が優位になり、リラックス状態が深まります。さらに、このストレッチに集中することで、「眠れない」という焦りから意識を逸らす効果もあります。
眠れない夜は「心と体を休める時間」
眠れない夜に無理に寝ようとするのは逆効果。まずは目を閉じ、体を休めることに集中しましょう。そして、筋弛緩法などのリラックス法を取り入れれば、気がつけば自然と眠気が訪れるはずです。眠りに対する焦りを手放し、心と体を優しくケアすることが、快適な睡眠への一歩です。