#10 いつまで続く?女人禁制
「あなたが自分の性別について、初めて強く意識したのはいつですか?」
わたしの場合は、5歳です。
あれは、今でも忘れない餅まき。
餅まきとは、家を新築する時に上棟(柱などの基礎部分の完成)を祝い、これからの工事もうまくいくことを願う儀式で行われます。
家の中から餅などを投げ、親戚や近所の方が持ち帰るという昔からの習慣です。
わたしが5歳の時、実家が新築されて餅まきを行いました。
「さぁ、これから餅をまくぞ!」
集まった人々は拍手喝采、場が盛り上がります。
父が弟を連れて、家に上がりました。
「待って~」と、わたしも家の中に入ろうとすると、「女の子だからダメ」と言われてキョトン。
小さな弟は中に入れてもらい、誇らしげに餅を投げていました。
「なんで女の子はダメなの?」
母や叔母に聞くと、「そういうもんなのよ」と言われ、モヤモヤ・・・。
幼いわたしには、訳がわかりませんでした。
日本のさまざまな場所や儀式では女人禁制なのだという事実を知ったのは、中学生になってからです。
女性は出産をし、毎月の生理がある。
出血をする女性は「穢れているのだ」と。
餅まきの瞬間まで、しっかり者のお姉ちゃんとして常に弟の先を歩き、いつも支えてきたのに。
姉としてのプライドを打ち砕かれ、男社会の洗礼を浴びた初めての経験でした。
その日から、わたしの社会の見え方はすっかり変わりました。
ところで、2018年のこのセリフを覚えているでしょうか?
「土俵から下りてください!」
土俵上で挨拶をしていた市長が倒れ、とっさに救命措置をした女性の看護師に対し、行司が発した一言です。
女性の穢れって、命より重いんだ・・・。
またもやショックを受けました。
2024年。時は令和。
まだ女人禁制の場所や儀式がたくさんあります。
いったい、いつまで続くのでしょう。
悲しいです。
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