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【人材育成】信じて任せることが成長には必要。

こんな実験の話を聞きました。
子育て中のお母さんの悩みに関することです。

小学生の息子さんが、ゲームに夢中。
登校中も離さない。安全上でも非常に心配なので何度も注意しているが改善されない。横断歩道では手を上げて信号を確認して横断するよう学校からも強く指導を受けている中であるが、息子さんが手を上げて横断しているところは見たことがない。

休日も一緒に外出することがあっても、
歩きながらもゲームから顔を上げることもなく、横断歩道では、親の自分が声をかけないと、そのまま信号を確認することもなく渡り出してしまいそうになるほど。

実は、こんな実験があるのだそうです。

親子で参加。
親は、目隠しをします。
子どもが親と手を繋ぎ、横断歩道を渡る。

この時、普段は一切、手を挙げて横断するこのなかった子どもたちも、
全員、1人の例外もなく、手をあげ、信号を複数回、確認をして、
左右も黙視して、親の手を引いて横断歩道をわたったそうです。

いつもは、親を信頼してそこに任せきっているために、
意識が向かないのですね。

そこには全幅の信頼と、自分が愛してもらえているという自信がある。

でも、その頼りになる親が「目隠し」となると、
自分がしっかりしなくてはならないという「責任感」が生まれます。

いつもは自分が保護されている親から、「頼むね」と言われ、
実際に、”全て”を自分に託される。

そんな場面です。

人は、このような場面では、
これまでの自分の知見、経験を総動員して、
任された責任を、大切な人のために全力で全うしようとします。

その情熱や能力が
人間にはもともと備わっているのですね。


一方で。
あなたは、自分の子どもや部下、成長して欲しいと願う相手のことを
どのくらい本気で信じているでしょうか。

「ウチの子には無理」
「まあ、まだ出来ないでしょ」
「ちょっと、、、任せられないなあ」
「あの子、頑張っているのは認めるけど、、、正直どこまで伸びるかなあ。なんとも言えないな」

というような目で相手を見ていませんか?

人を育成する人のメソッドやスキルはさまざまなものがありますが、
「相手の中には、無限に成長できる能力が備わっている」と無条件に信じることを前提におくものがほとんどです。

人は、よりよくなろうとする生き物である。

今はできなくても、
今は力不足でも、
やろうとして取り組み続けていれば、いつか必ずできると
無条件に相手を信じる気持ち。

確かに、書物や座学で新しい知識を「知る」ことはできても、
実際にやってみないことには、できるようになりません。

成長には
知る

分かる

やる

できる
という段階があるとも言われています。

「知った」からと言って、即座に「分かっている」ことにはならない。
自分の中に知識が定着して、それを完全に身につけるまでにはラグがある。

「分かった」からと言って、すぐに実行できるわけではない。
やってみること。
そしてやってみることを繰り返して、改善を重ねて初めて「できる」ようになるのです。

そして、
やはり「本番」の緊張感と環境でやらないとわからないことがあります。

重要なプレゼンの日に、登壇する予定の先輩が風邪で声が出なくなった!
野球の試合、エースが怪我をして急遽、先発することになった!

自分がやるしかないとき。
自分でも驚くほど「予備電池」に点火して、集中し、
フロー状態に入ったような経験はありませんか。

人は、自分が真ん中で背負うしかない!
と腹を括った時にこそ、ぐぐぐっとその能力を伸ばすのです。

脇でサポートしていたり、アシスタントとして同じ場を経験していても
自分が背負ってど真ん中に立つこととは全く異なります。

成長したい!と思う人は、進んで「ど真ん中」をたくさん背負った方がいいですね。

また育成する任務を負っている人は、相手をよく観察して、相手の気持ちを知る努力をした上で、今こそ!というときを見出したら、
手を離して、「本番」環境で
相手を「ど真ん中」に立たせてやらせてみることです。

それが成長の原動力になります。

もちろん怖いですし、不安です。

やってみて大きく失敗したら、それがトラウマになって2度とチャレンジしない人間になってしまうかもしれないリスクもあります。
相手の人生を左右する、苦い経験をわざわざさせてしまうことになるかもしれない。それは避けたい、、、そう感じて当然です。また会社の業務に著しいマイナスインパクトを作ってしまう怖さもありますよね。

だからこそ、
よく相手を観察し、相手と話を重ねて、
このタイミングで、少し背伸びをしたこの仕事を任せてみる、という判断が、上席者には求められるのです。

人の成長を支援することは、胆力がいりますね。

一緒にがんばりましょう。


なかなかの男性社会で30年働いてきたテレビマンが、コーチングやカウンセリングで「自分らしく生きる」を支援中。限定少数しか出来ませんが小学生からシニアまで。