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デザインの基本原則を抑え、情報整理における5W1Hを決める。Takramと考える「ノンデザイナーズデザイン」ラクスル社内勉強会レポート

RAKSUL DESIGN

こんにちは、「RAKSUL DESIGN MAGAZINE」です。
デザイン・イノベーション・ファーム「Takram」と「RAKSUL」の2社で、定期的に開催している勉強会。
今回は「ノンデザイナーズデザイン」をテーマに、ノンデザイナーの方に向けて情報をわかりやすく伝えるための、デザインにおける基本原則を学ぶ会が行われました。

デザイナー職以外のビジネス職の方も、資料 / スライド作成などの作業は常日頃から行っています。しかし、作り方によっては意図していた内容が伝わらなかったり、ミスコミュニケーションが発生したりすることも少なくありません。

今回の勉強会を通して、より情報が伝わりやすい資料作成のコツや、デザイナーへ的確なデザインの依頼や相談をするための留意点について、学びを深めました。

デザインとは「情報を整理して、適した表現で伝えること」

冒頭では、Takramの河原さんがデザインにおける情報整理と表現の基礎について講義を行いました。

そもそもデザインとは何か。ということに対し、定義を考えようとすると、その解釈は非常に広義にわたってしまいます。
そのため、要点を抑えた形でわかりやすくデザインを説明すると、「情報を整理して、適した表現で伝えること」と言い表すことができます。

「表現の材料となる5W(いつ・どこで・だれが・なにを・なぜ)を整理し、How(どのように)伝えるかという表現のテクニックのセットをデザインと捉えるとわかりやすいと思います」(河原さん)

例えば、図で示したような、ラクスルのWebサイトのデザインでは、急いでチラシを作りたい方にとって必要なものがすぐ見つかるWebサイトとして、一覧性に優れたレイアウトや価格表記を目立たせるなどの表現がなされています。

また、バナーひとつとっても、サイトを訪れたユーザーにキャンペーンのお得感が伝わるビジュアルや配色を意識することで、情報が的確に伝わるようになり、クリック率の向上にも寄与するわけです。

ノンデザイナーは4つのデザイン原則を抑えておく

こうしたデザインの基本を抑えた上で、次に重要になってくるのが「4つのデザイン原則」です。

・近接(関連する項目をまとめる)
・整列(要素を見えない線でつなげて揃える)
・反復(要素を共通化して一貫性を持たせる)
・コントラスト(要素に強弱を付けて引きつける)


これらは主に、レイアウトに関係するものになっています。
加えて、デザインの表現における色の基礎も、以下の4つに分けられます。

・補色(お互いを引き立てる組み合わせ)
・類似色(調和の取れた組み合わせ)
・濃淡(色の濃淡で強弱を付ける)
・意味(与えたい印象に合わせて色を選ぶ)

また、もう一つデザインの重要な要素になるのが文字です。
文字の基礎についても次の4つがあります。

・サイズ(文字サイズで強弱をつける)
・太さ(文字の太さで強弱をつける)
・書体(与えたい印象に合った書体を選ぶ)
・方向(方向を変えてメリハリをつける)

ノンデザイナーが奮闘するポスターづくりのワークショップ

続いて、「ラクスル納涼会の告知ポスター」をテーマにしたワークショップを行いました。

納涼会にできるだけ多くの人に来てもらい、メンバー同士の交流や親睦を深めることを目的として、どんな表現にすればより多くの参加が見込めるかを考える必要があります。

また、情報をどう整理するかによって、表現の部分も変わってくるため、デザインにおける情報整理や表現を、実際に手や頭を使って学ぶ時間となりました。

情報整理の時間に10分、ポスターをデザインするのに20分と、計30分の作業時間の中でどのような納涼会の告知ポスターが出来上がったのでしょうか。
まずはノンデザイナーの皆さんが制作した告知ポスターを見ていきましょう。

ノバセルで働く鎌ヶ江さんは「ビアガーデンって高くない?」というキャッチーなコピーを記したシンプルなデザインのポスターに仕上げていました。

このポスターを手がけた背景について、「部署が違うと参加しづらい側面がありますが、普段はイベントにあまり来ない方にも参加してほしいと思ってデザインしました。そうなったときに、思わず来たくなるのは何かと考えた末に『夏らしいビアガーデン』でした。ただ、ビアガーデンは高く感じるので、それが無料で参加できるというのを訴求軸にすれば誘客につながると思いました」とコメントを寄せました。

23卒内定者の小倉さんは「SUMMER PARTY 〜金曜日は出社!みんなで仕事してつながろう。」というタイトルを付け、青のビジュアル背景に白の文字が生えるデザインを作成していました。

「以前、ラクスルのオフィスにお邪魔させていただいた際に、リモートで働く方が多いと感じていました。ただ、やはり会社へ出社して人と対面で話しながら仕事するのが楽しいなと思ってほしく、『出社して仕事して、楽しむ』というコンセプトを考えたんです。イベントのコンテンツや“SUMMER PARTY”というネーミングなど、出社したくなるような要素を盛り込み、ポスターを仕立てていきました」(小倉さん)

普段は決済関連の業務に携わる星野さんは、白と青をベースに、可愛らしいシロクマのイラストを加えたポスターを制作。

「シロクマの顔が可愛いと思い、それに合いそうなデザインのパーツを散りばめて作りました。また、自分自身もイベントに最後までいるのが難しいことも多く、ほんの10分でもいいから参加してほしいというのが伝わるように『途中参加・退出OK!』の文言も加えています」

“とりあえず目を引きたい”とビジュアル重視のデザインを披露したのは足立さん。

「ポスターが目に入ったときに、無料で参加でき、かつタダでお酒が呑めることを大きな文字で記載しておけば興味を引くだろうと思いました。細かい情報については、QRコードを貼りつけて、そこから詳細に飛ぶような導線を考えました」

非常に納涼会の楽しさや気軽さが伝わるポスターに仕上がっていたのがhirokiさんのものです。

提灯や色鮮やかな花火など、祭りを連想させるイラストにみならず、「ふらっと参加」や「のんある参加」などの文言にも工夫が見られるデザインは、気軽に納涼会への参加を促すのにつながるとして好評を得ていました。

デザイナー兼マネージャーを務める和泉さんは「夏祭りを想定しているので、花火や食事の内容をイラストで表し、さらにはお酒が飲めない人でも『のんある参加』を記載することでイベントに参加しやすい雰囲気づくりができている。色の組み合わせも、夜の暗いビジュアル背景に色とりどりの花火が散りばめられているのは、とても面白いと思った」と意見を述べました。

現役デザイナーが手がけた「印象に残る」ようなポスター

ノンデザイナーのメンバーがポスターを共有するなか、ラクスルで普段からデザイン業務に関わるデザイナーのポスターにも注目が集まりました。

まず、黒のビジュアル背景にビビッドな黄色のフォントを当て込んだ竹末さんのポスターは、あえてイラストは入れずにイベントのフライヤーを彷彿とさせるようなスタイリッシュなデザインに落とし込んでいました。

「普通に納涼会を開催しても、おそらく忘れ去られてしまう場合も多いと思ったので、フェスのような思い出に残るイベントを意識したデザインに仕上げました。フードのほか音楽を奏でるDJパフォーマンスもあるとのことで、皆で盛り上がる祭りをイメージさせるデザインにした方が集客につながるだろうと考えました」(竹末さん)

一方、デザイナーの加茂さんは「日本の夏」をイメージした筆文字と花火を配したデザインを作り、納涼の夏が伝わるようなポスターを発表しました。

「イベントのコンテンツはいくつか見どころがあると思ったので、ポスターを貼る場所によって、右下の黒丸内の文言やイラストにバリエーションを持たせ、見るポスターごとにデザインが異なるように意識しました」(加茂さん)

ノンデザイナーがデザインセンスを磨くために必要なこと

勉強会の終盤にはQ&Aが行われました。

まず、参加者からは「デザインを考えるとき、それがビジネスで活用する場合においても一定の感覚的要素やセンスの部分も大事になると思う。こうしたなかで、ノンデザイナーがデザインセンスを磨くには、どのようなことを意識すればいいのか」という問いが出されました。

これに対し、Takramの河原さんは「世の中に存在するあらゆるデザインの観察と、それを見て良い・悪いと感じたのはなぜなのかを深掘りして考えていくことが重要」とし、次のように話します。

「自分で手を動かして何かをつくることができなかったとしても、デザインの見る目を養う意味で、さまざまなデザインを考察し、自分の中の審美眼を磨いていくこと。これを実践していくのが、非常に大事なことだと考えています。身近な例で言えば、コンビニへ行ってペットボトル飲料を選ぶ際、どれが一番美味しそうに見えて思わず手に取りたくなるのか。自分がなぜ、そのペットボトルを選んだのかを考えるのも、デザインを考える第一歩につながるのではないでしょうか」

Takramの神原さんは「Takramに入る前はエンジニアとしてキャリアを積んできたので、Takramに入ってからデザインを勉強し、最初は初心者が読むような入門書を中心に学んでいった」と語ります。

「本を読むこと以外には、会社の人からも『良いデザインをたくさん見た方がいい』とアドバイスをもらっていたので、自分で良いと思うデザインを日頃から見つけることを心がけていました。こうした積み重ねが、ちょっとずつデザインの感覚を養うのに役立ったのではと思っています」

また、「ビジネスの現場で使用するプレゼン資料のクオリティを高めるには、どのようなことを意識すればいいのか」という質問が出されました。

和泉さんは「勉強会の前半で触れたデザインの基本原則に当てはめていくと、少なくともぱっと見の良いものは作れると思う。本質的には、伝えたいことを正しく伝える為の情報設計に時間をかけることが、もっとも重要だとは思っている」とコメント。

デザイナーの加茂さんは「伝えたいことをたくさん盛り込みたい気持ちもわかるが、1スライドに伝えたい内容を絞り、シンプルなプレゼン資料にするのもひとつの手。補足情報は口頭で説明すれば、資料内だけで作り込まなくて済む」と回答しました。

ノンデザイナーゆえに、デザインに対する敷居の高さやクリエイティブ思考への苦手意識を抱えてしまうこともあるかもしれません。

ただ、デザインの基本原則を抑え、情報整理における5W1Hをしっかりと決めることで、コミュニケーションの円滑化やプレゼン資料の視認性向上につながるのではないでしょうか。

RAKSUL DESIGNでは、今の時代において、デザインという行為はデザイナーだけの特殊能力では無いと捉えています。
デザイナーにとってもデザインすることは目的では無く、顧客に対して適切なコミュニケーションを取るための手段としてデザインを活用しているに過ぎません。

職種にとらわれることなく、より良いサービスを世の中に提供していく為に、今日学んだことを少しでも日頃の業務(スライドやドキュメント作成)に活かせればと思います。


『RAKSUL DESIGN MAGAZINE』では、RAKSULに所属するデザイナーをはじめとしたスタッフが書いた記事を、定期的に更新しています。是非フォローいただけると嬉しいです。

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