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「ただ君を愛してる」が好きすぎて大学デビューで写真部に入ったけど宮崎あおいがいないから「ただ木の窪みを撮影してる」になった話

映画DJのコトクです。

昨晩はお布団でゴロゴロしながら「ただ君を愛してる」を観ました。

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これはただ君を愛してるの冒頭の名シーンです。宮崎あおいが演じる静流が、クラクション鳴らされながらも信号のついてない横断歩道を渡ろうとしていますが、誰も止まってくれません。おかげで入学式は遅刻です。


たまたま入学式をサボろうとしていた玉木宏演じる誠人が通りがかり「あっちに押しボタン式の横断歩道があるよ」と教えるが、静流は


「それでも、止まってくれる親切な人がこの世の中にはいるんじゃないかって確かめてみるの」


何て良い子だ。。


2人はカメラを通じて距離を縮めていくが、ある日、その穏やかな日常が消え去ります。

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そして、この暗室のシーン。本当に数年前まで、デジカメやスマホのカメラが進化するまでは圧倒的にフィルムカメラが主流でした。

暗室の中でボヤーと浮かび上がる白黒写真に感動を覚えました。

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当時、高校3年の受験直前にこの映画に出会ってしまい、iPodに入れて毎日の様に繰り返し観ては、鼻水を流しながら泣いていました。


大学に合格したらカメラ好きな森ガールと穏やかなキャンパスライフを送るんだ!飲み会でウェイウェイしてる大学生とは距離をとろう!


そう決心した若いコトクは、あまり新歓の飲み会には参加せず、同級生たちが開催するウェイウェイ系の飲み会を断り毎日直帰していました。


昼休みには同級生が食堂で仲良さそうに食事している中、父親が昔使っていたカメラを担いで、一人で大学構内の木の窪みを撮っていました。


そんなことしているうちに、いつの間にか友達グループが出来てしまい、今更どこにも入れない修学旅行の班決め状態になりました。


「コトク君を入れてくれる優しい班はありますかー?」と先生が聞いてくれるのを待つ友達乞食に成り下がりました。


宮崎あおいの様な森ガールは当然いませんでした。


もしかしたら、写真部にはいるかもしれない!と写真部の門を叩きました。


そこには、鉄道を撮るのが好きな先輩と「俺は彼女がいるけど、この写真のモデルとやっちゃったんだよ」と写真を見せながら自慢してくる変態っぽい部長とその彼女さんと幽霊部員しかいませんでした。


詰んだ、、コトクは心の中で絶望していました。


久しぶりの新入部員に嬉しそうにする写真部の先輩と空虚な心で会話しながら、


俺の大学生活は「愛」のない「ただ君を愛してる」だ。


「ただ君を してる」だ。


「君」もいないから「ただ を してる」だ。


「ただ一人で木の窪みを撮影してる」だけだ!


こんな映画誰も観ないよ!と叫んでいました。



ただ、唯一良かったことは、この部活が暗室を持っていたことです。


その変態部長が絶対的なフィルム主義で、暗室の使い方を教えてくれました。

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真っ暗な部屋でフィルムを巻き取る。


隣のJAZZ研究会の練習の音を聴きながら、赤いランプだけがついた酢酸臭い暗室で、自分の写真がボヤーっと浮かび上がるとテンションが上がりました。


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結局その後は、他に部員が入らずに大学2年生で何故か部長をやらされるハメになりました。


大学デビューは失敗したし、宮崎あおいとは出会えないし、カメラ自体はやっぱり興味がないので写真の技術も全然あがりませんでしたが、この映画をみると、あの酢酸くさい暗室とJAZZ研の音楽をなんとなく思い出します。


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