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SPLIT(1966) BGGに投稿してもらえなかったゲーム(2)

お待たせしてすいません。昨日からの続きです。

日本販売版の当時の添付ルールはこうでした。ただし、ラジくまる書式に書き直しています。すごく読みにくい、難解な文章でしたから、絶対にこのほうが読みやすいです。

SPLIT 2 players (日本での輸入代理店、販売年ともに不明)
勝利条件:
円形のゲーム盤の正反対どうしを、自分のコマのラインでつなぐ。
用具:
ゲーム盤 1
青、白のコマ各14。合計28個。

準備:
順番を決めた後、先手がまず最外周の交点(盤上に〇印あり)の任意の場所に青コマを1つ置く。例えば「S」に置いたとする。
後手は、先手がコマを置いた「S」以外の、最外周の交点に白コマを置く。例えば「L」に置いたとする。
コマが置かれていないほう(反対側)の「S」や「L」は「予約された交点」と今後は扱う。つまりこれ以後、先手は「L」に青コマを置けないし、後手は「S」に白コマを置けない。
遊び方:
交互に1つずつ、まだ空いている交点にコマを置く。
コマは置かれた後は移動しない。

先手の青はすでに勝っている状況。Sのラインが完成できる。
後手は、ゲーム序盤では先手がこのパターンを作るのを防がないといけない。

コマを置く時の制限ルール:
基本的には、最外周の交点(すでに予約されているものを除外すると6か所)にコマを置くのは禁止。
・最外周の交点の扱い
ところが、特定条件が発生した時、最外周の交点にコマを置くことができる。以下のABの2つのパターンのうち、いずれかの条件を満たしている時。
A そこに1つコマを置くと、勝利になる場合。
B 自分のラインが、対戦相手のコマにより断ち切られており、そこに1つ置くと、断ち切られた状況が解消されて「復活」できる場合。
このBルールは非常に注意深く判定しなければならない。「ラインが断ち切られたかどうか」は最外周の交点を無視して考察・判断する。

黄色の「L」ラインは青によって断ち切られた。(最外周は道ではないから)

・Bルールに関して、別行動も選べる
自分のラインが断ち切られた側は、「行動B」を選ぶのではなくて、全く別の場所、すなわち「P」「I」「T」のいずれか1つのラインを新しく宣言しなおす方法を選んでも良い。
さらに、この新しい宣言の時には、対戦相手に「PIT等の文字を」告げてもいいし、告げないまま秘密にしても良い。文字の公開/非公開の判断は任意。

今のところ「L」の黄色のラインは断ち切られている。
最外周「I(左下)」に置くとラインの断ち切りは解消される。
現状では「I(左下)」続けて最外周「T」に黄色を置けない。
なぜなら最外周「I(左下)」に黄色があると、
まだ「L」のラインがつながる可能性があるから。

*****

実はこのルールブックに対して、ラジくまるは批判があります。
以下の3点について考察していないままに製品を発売しており、まさにこれこそが「おおらかな時代」の象徴と言えるからです。
端的に言って、ルールが未完成ということです。
1970年前後はアブストラクゲームにとって受難の時代?暗黒時代?だったのかもしれないです。

批判1つめ。
準備のセクションに書かれている「予約された交点」ですが、この部分はルール最後の方にある「ラインが断ち切られた場合の新たなラインの宣言」が実行された場合は、解消・消滅されるべきですよね?

2つめ。
たとえ相手の「予約した交点」であってさえ、そこにポチっと置けば「自分が勝利」する場合は、置いていいのですよね?

3つめ。
「ラインが断ち切られた場合の新たなラインの宣言」の時に、文字のほうは公開/非公開を任意に選べるとのルールです。
しかし、公開しないで秘密にしていると、対戦相手が「自分が予約していたはずの最外周交点」にコマを置いちゃう場合があります。
その時のコンフリクトはどっち優先にして解決すればいいのでしょうか?
熟考したわけではないですが、新しいライン宣言は「文字を公開」しておいたほうが、結局はそのプレーヤーにとって有利なような直感があります。

このゲームのルールを改良して、良品化まで持っていくのは、かなり困難との感触を感じています。ラジくまるは改良をあきらめています。


ゲームシステムのデザイナーって、何なの?どういう意味? そんな疑問は、私の記事群によってご理解いただけるものと期待してます。 ラジくまるのアタマの中にある知識を活用していただけるお方、サポート通知などお待ちしています。