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AERIA(エリア) エポック社の輸入ゲーム;追記

先日は、エポック社のエリアについて記事を書きましたが、アメリカの1983年ParkerBrothers社版「Domain」のルールを読むと、あれれれ?と、いくつか違う点があることに気が付きます。

「エリア」の店頭展示(宣伝用)に添付されていたルールを「えんぴつ」で転記したという実情を考えると、筆記物の信頼性がやや低めとはいえ、ここまでルールが違うという事実は、日本販売版とアメリカ販売版とでは、ルールブックに書かれていた内容がそもそも異なっていたのではないだろうか?そんな可能性があると推察します。
今更なので真実は不明瞭ですけれど、ボードゲーム歴史の文献的な意味合いを感じます。その理由から、本日の記事にはアメリカ版ルールの和訳を掲載します。先日の「エリア」のルールとの比較対照をお楽しみください。

Domain 2 players ParkerBrothers社1983年版のルール
(BGGに投稿された写真情報から翻訳)
勝利条件:
ゲーム終了時点で、自分の色の面積が多い人の勝ち。
用具:
ゲーム盤 9x9 (面積81マス)
コマの形状と個数は昨日の記事を参照。表は青で裏は白。コマ面積の総和は88マスに相当する。ゆえに全てのコマを置き終わることは不可能。
準備:
なし。コマは2名で共有して使用する。
遊び方:
青と白とで、どちらの色を分担するか決める。
交互にゲーム盤の任意の場所に1つのコマを置く。(用具の図には示していないが、白を分担した人は、青を裏返して白にした状態でゲーム盤に置く)
ゲーム盤からはみ出してはいけない。
コマ同士は、一部でも重ねて置くことはできない。
コマは置かれた位置から移動しない。そこにとどまる。
コマを置けなくなったら「パス」する。2名が連続して「パス」した時、ゲーム終了。
特殊条件について(コマを裏返す条件):
自分のターンの際に置いたコマが、相手の色のコマと「辺」が接触している時は、接している相手コマを裏返して自分の色に変えることができる。

バリアント(バリエーション)
A 26個のコマは共有するのではなく、ゲーム開始時に、公平な個数に分けてそれぞれの持ちコマとする。(これが「エリア」と同じルール!)

B 中級者むけルール(Intermediate)
先手の第一手以後、常に「相手の色のコマ」に接する位置に自分のコマを置かなければならない。当然、その時に接した相手のコマは裏返る。

C 上級者向けルール(Expert)
Bのルールにさらにこのルールを加える。自分のターンでコマを置いた際に「辺で接触しているコマ」は全て裏返す。自分の色のコマと接触した場合は裏返って、相手の色になってしまう。

***

実は日本語訳しないで省略した部分があります。
「ゲーム終了時、コマに描かれている数字を全部足し算する。合計値が大きい人が勝ち」って英語で書いてあります。

・・・アメリカ人は、当時も、今も、面積を感覚的に把握するのが不得意です。わざわざコマにでかでかと「数字」を書いて置かないと、Domainゲームの勝敗の判定の時に困惑するといという国民性・・・。
これってアメリカ人が、日本人よりバカだということではないですよ。
日々の生活習慣が、アメリカと日本とで全然違うために発生する現象ですので。その一例にすぎません。誤解なきよう。




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