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nim ニム って、正直つまんないゲームですよね?(2)

(1)からの続きです。
いやー。本当にピート・ハインって人はすごい人だったなあ、ということで、まとめます。などと言って、
「こうしてnimbiの発明によって、nimゲームの問題は、ひとつの決着を得たのである。」
と、この記事がまとまると良かったのですが、そうはいかないのです。
現在でさえも、まだnim系のゲームの新作が発表されております。

ABACANなんてものが近年、発売されました。しかし、これ、純粋なnimルールを採用しています。時代を経て、かえってルールが原作に退行するという恐ろしい現象が起こっております。

その一方で、2022年作品のニムリアンは、コマの大きさに大中小の3種を用意してあります。
コマを2~3本(複数)取る時は、大きさが同じものを揃えて取ること。
しかも、取れるのはあくまでも近接して並んでいる3本まで。遠くにあるコマを組み合わせて取るのは禁止。
というルールです。うん。こっちは良い工夫をしていると思います。

結局、なんだかんだでnim系、あるいはnimbi系のゲームは、将来的にもずっと、出続けるんでしょうね。
せっかく、nimbiでひとつの解決案が出されたというのにも関わらず・・・・・・・・・・。

補足:
「misère game」などなどについて。
nimは正型ルールは「misère game (bettel game)」です。最後の石を取らされた人が負け。その逆は日本語分類では「逆型ニム」ですが、英語的には「normal game」と言います。最後の石を取れたら勝ち。
分類なんてすごくどうでもいいと思うのですが、必勝法を数学的に解析する際には、そんな単純な話ではないんですって。数学者には「正型と逆型問題」は面白い研究テーマなのだそうです。
私には「正だろうが逆だろうが」どっちもつまんないんですけど。

nimの基本は、最初に30個あった石?(コマ?)を1~3個ずつ取っていき(数量を減らしていき)、最後の1個を取らされた人の負け。というものです。もちろん今説明した「カウントダウン」を逆にして、0から始めて「カウントアップ」して30個めのコマを置いた人が負け。という風に、ゲームの見た目を変えることもできます。
当然、3個なんてケチなことを言わない。もっと大きな個数を、いちどに取っても良いとする、亜種も存在します。

いずれにしても、分類したい人はどうぞご勝手に。いくらでも数学的に好きなように分類してくださいな。と、私は思います。そう思いませんか?

私たちボドゲ作家に大事なことは、「nimbiの発明」の時のように、面白い一工夫を加えて、単調でつまらんnimに楽しさを吹き込めたかどうか?という「面白さ」評価軸のほうだけを重視すべきだと思います。
その「面白さ」って観点で言っちゃえば、「正nim」だろうが「逆nim」だろうが、そんな分類はどうでもいいです。
逆にしたとしても、カウントアップに変更したとしても、とにかく、ゲームのプレイ感覚としては「要するにnimだよな。」との印象は変わらないです。

ところで、平面に拡張したnimbi系ゲームの代表例としては nestorgames社の「カバとワニのゲーム」"hippos & crocodiles"をぜひ一押しで挙げておきたいです。
このジャンルのゲームって、他にもいっぱいあるんですけど。
私の好み、ということで。

https://nestorgames.com/rulebooks/HIPPOS_%26_CROCODILES_JP.pdf


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