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人生を変えた話[2]――大学2年生 休学する勇気

再び精神科の扉を叩いたのは前回の記事[1]

https://note.com/raitowalker/n/n105093dec55b
から1年もの間を開けてからだった。

その間何をしていたのかはあまり覚えていない。
ただ、1年生後期に取れた単位は教授に人柄を認めてもらえた「社会ⅠA」と必修科目の「情報ⅠB」だけだった(情報に関してはPowerPointを評価してくれた、担当のS先生に本当に感謝している。この単位がなければ、僕の卒業はなかったかもしれない。)。

ただ、必須授業の時に薄暗い廊下で出会う友人のT君(心理学科の秀才&小中高特支教員免許取得の英傑)との会話が楽しかったことを記憶している。

当時読んでいた本は「悪ノ大罪 悪食娘コンチータ」だっただろうか。


学年が上がって大学2年

僕は辛うじて不登校ではなかったが、1年前に学科主席を争っていた精彩はなく、全ての科目に満足に出席できない日々が続いていた。
下宿だったため、退学と自殺が交互に頭をかすめる日々だっただろう。

ここでも僕は先生を頼った。
ここは世間からはFランクと言われようが、天下の有名大学を修めた先生方が教鞭を執る学府である。

「とりあえず、一番まともそうな先生に話をして、ダメなら去ろう。」

「心理学概論」の先生

女傑。そんな言葉がピッタリな当時40代後半の准教授。

講義の半分を学生からの質問への回答に充て、「日常生活を心理学的に捉えることが大切」と繰り返していた方だった。

彼女は臨床心理士の資格を持っていたが、僕の指導教員ではなかった(僕の指導教員は臨床心理士ではなかった)。それでも、竹を割ったような性格のその先生の研究室の扉を叩き、僕は自分をカウンセリングしてくれと頼んだ。

「できません。」

はじめに返された言葉だった。
2年生前期の単位が全て「不可」となったという通知が僕の手には握られていた。

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