福岡への旅(旅行記前編)

去る10/18〜21の3泊4日で福岡を旅してきた。
なぜ福岡か。九州に親戚がいるのもそうだが、何より北海道とは違う食の魅力や札仙広福の「札」と「福」の比較を行いたいと思っていたからだ。
そこで今回の旅のコンセプト・目標として以下のように設定した。

「都市比較と暮らしの最前線を歩く〜地理好き変人ならではの福岡旅」

ちょっとまとまりがないがこんな感じ。うまく浮かんだ時にリライトします。

要は何を言いたいか。
それは、映えや観光施設巡りに終始しない、

・実際の街の「風景」を見ること。
・観光地から離れた暮らしの最前線「住宅街」を見ること。
・地理好きならではの「地形」を見ること。

これらを見る際に札幌や北海道と比較して、いろんなことを考えながら歩く旅だ。

だから申し訳ないが、テーマパークを巡る旅は旅ではない。単なる「遊びに行く」行為に過ぎない。
旅とは街を見るものだ。風景、地形、暮らし…人々が蔑ろにする何気ないものを観察して、地元と照らし合わせて考えることが学びの旅であると私は考える。
いちいちプライベートで学んでられるか、学校かよてめえは。
それもわかるが、何かを学び、それを今後に活かしていくのが旅だろう。旅は人生のターニングポイント。ガクチカにできるのはそんな旅だ。

前置きが長くなり過ぎたのでそろそろ本題へ。説教垂れてもしょうがない。人は人、それぞれ個性があるから。

1日目(10/18)

前日夜に釧路から夜行バスに飛び乗り、翌朝5:30頃に札幌駅に着いた。それまではまだ人の少ないすすきのをチャンスと思って撮りに行って時間を潰した。

まだ人がいない朝6時の札幌駅南口。
おなじく、すすきの。


8:34札幌駅発の快速エアポートで新千歳空港へ向かった。9:13に着き、慣れない空港内を歩いた。
高校の修学旅行以来5年ぶりの飛行機。保安検査場はゆっくりな自分にはせかせかしすぎてどうも好きじゃない。
10:35新千歳発の飛行機で福岡へ。

タラップより、ポケモンジェット・羽田行き。
新千歳空港を離陸寸前。

定刻よりも少し早く、13:00前には着いた。
初めての福岡空港に心が躍っていた。まずはここを出ようと地下鉄を目指した。ここからもう私の比較は始まっていた。
13:30頃に博多方面の地下鉄に乗り込み、駅ビルのデイトスというところへ。その中に豚骨ラーメンが集まっているフロアがあったから、そこで空いているお店を探して食べた。さすがマッチ(巨人で引退した某熱男)やレペゼンのサインがあるだけに、豚の旨みが感じられる美味しい一杯だった。

1日目昼、博多豚骨ラーメン。福岡に来たら絶対外せない。


博多駅筑紫口。札幌駅で言う北口のような地味さだ。
筑紫口前の交差点。
筑紫口前バス停より、吉塚方面を眺む。

ホテルに荷物を預けて、再度博多駅へ。初日から常人とは違う旅行スタイルで行く。
今年3月に延伸開業したばかりの七隈線に乗る。

空港線から七隈線への連絡通路。こんな趣向も凝らされていた。(本当は緑色ですがうまく撮れませんでした)

目指す先は…

♪愛と知っていたのに 春はやってくるのに(関係ない)

「桜坂」という地区だ。

都心や大濠公園が近いこの場所に、坂道や高台があることを不思議に思った私は、この地区をフィールドワークしてみることにした。

大きくカーブして坂を登る
高台を感じ取っていただけただろうか?
上り坂を感じてもらえただろうか?
なんとなく上ってる感が伝わっててほしい…

流石に坂の向こう側に行くと戻れなくなるため、途中で断念し引き返してきた。地元の人もちらほらいて、大変そうにこの坂を上り下りしていた。札幌で言う円山や宮の森あたりか。そこまで高級住宅地ではないのか?少なくとも高台にあるという点では共通している。

桜坂駅前の大通りに戻って、今度はさらに海側へ下ることにした。

桜坂とは反対側の道路も緩やかな下り坂だ
下ってから撮ったもの。奥に行くにつれて高台になることが伝わるだろうか?

一気に生活感と下町感が伝わってくる。それもそのはず、この道路は赤坂や大濠公園に通じる道だからだ。
実際この付近には小学校や女子校があり、ちょうど下校の時間だったため、たくさんの児童の姿があった。ホークスの帽子やタカガールバージョンのそれをかぶっている児童を見ると、ファイターズの帽子をかぶっている道内の児童の気持ちもよりわかる気がした。

道路マニアとして驚いたのは、住宅街の中小路が車が一台通れるかどうかレベルに細く、一部一方通行もあったことだ。北海道では細小路があっても街中でない限り一方通行はほぼ見られない。そこが小さな発見であった。

しばらくすると突き当たり、国体道路という大きな通りにぶつかった。大濠公園を目指して左に曲がり、歩き続ける。

さらに歩くと福岡護国神社が見えた。同時に福岡城跡のお堀も現れた。

福岡護国神社付近。右に曲がると公園通り。
どうやら本丸はまだまだ上らしい。

足が悲鳴を上げつつあったが、彦摩呂とかダグワドルジと言われないようにという気持ちが私を奮い立たせた。実際歩くことは楽しくなった。マイペースでできる軽い運動は好きみたいだ。

しばらく進んで、大濠公園に入った。

立派な門。
高層ビル並ぶ都会の中に残る歴史の面影。
アヒルボートが置いてあった。
カップルが地鶏しまくってた。合間を縫っての一枚。
大野城・太宰府方面を眺む。
夕日と景色の競演。

実際に歩いてみて、大濠公園が市民の憩いの場であるという様子がひしひしと伝わってきた。駅伝練習中と思しき学生、部活のランニングをしている女子学生はもちろん、愛犬の散歩をさせている人など…観光客以外にも地元の人たちが多く目立った。
まあ、とにかく広い。だから全部は周り切れていない。ここはメインではなかったので良いが、じっくりみたい人は時間にゆとりを持って。

その後は向かい側の福岡城跡に行った。坂を登るのでキツかった。しかしそこには絶景が待っていた。

本丸へ続く坂道。銀杏臭くてキツい。
西

方角はうろ覚えかも。夕日とうまく撮れた。
スズメバチ注意が恐ろしいのと時間がなかったので、これくらいに。

大濠公園駅まで歩き、夕食に予約したお店の最寄りである祇園駅まで地下鉄に乗車。少し時間に余裕をもって、店周辺を歩いてみた。
そしたら、キャナルシティとか中洲の方まで行けたので、深入りしない程度に撮ってきた。無事でした。札幌のススキノみたいなものだと思えばなんともない?

祇園通り。なんかいいと直感で思ったので。
キャナルシティ連絡橋より祇園駅方面。
同じく中洲・天神方面。
本物の中洲川端。
中洲の深みへの入り口。川が続く。
同じく。手前側のもつ鍋屋には行列ができていた。
これ以上は怖くて入って行けない。
アーケード街もある。狸小路みたいな感じ?

再び祇園方面へ戻る。

立派な鳥居。

新駅の駅名にもなった櫛田神社だ。こんなところにあったのか。この時まだ位置関係を掴めていない。

そんなこんなで、細小路に入って夕食の店へ到着。食べログで高評価だったこの店を選択。

店の外観。
福岡といえば…を無理やり詰め込んで注文。真ん中にあるのはお通しの糸島産サワラ。めちゃうま。
メインのもつ鍋。我が家は決まって味噌派。和牛もつ最高。
もつを強調。これでわかるか。人によっては追いもつ必須。
締めはちゃんぽんだろう!北海道ではこんなことできない。

ちょっと写真は載せられないが、予約すると「○○様、ようこそ」的なメッセージカードが置いてある。かなりの力の入れようだ。

それからホテルに戻ったのは20:00過ぎ。めちゃくちゃベッドに倒れ込みたくなったけど、我慢してシャワーへ。それからテレビを見ながら寝っ転がって、翌日の予定を練り練り。
事前にある程度詰めていたけれど、前日にその日の教訓も絡めながら、再度綿密に計画。15分おきにアラームをかけて、23:30頃就寝。

2日目(10/19)

この日はいよいよ北九州へ。今回はどちらかというとこっちがメインなところもあった。
移動時間すら惜しいので、贅沢に新幹線へ。これも高校の修学旅行以来5年ぶり。自分で券を買うのは初めてだったが、なんとか買えた。
ちなみに地元の北海道新幹線は乗ったことがない(その理由は別記事でいつか)。

新幹線博多駅の駅名標
小倉到着!わずか15分の魔法だ。

小倉から間髪入れずにJRへ乗り継ぎ。目指す先は小倉…ではなく門司港、さらにその先の関門だ。
門司港駅に着くと、10:00になっていた。

門司港駅駅舎。レトロで立派な作りだ。地元を想起させる。
眼前に山が迫っていて、平地が少ないことを伝えたかった。ここも天然の良港?
ちょうど噴水が噴き出し始めた。
門司港駅ホーム。ここの造りもレトロだ。
なんとも面白い。新発見だ。

ここからは観光列車で…といきたかったが、まさかの土日祝限定であることに来てから気づいた。バカかよ俺。
気を取り直して10:24発の和布刈(読めるかな?)行きバスへ乗車。同じことを考えてる人もいて安心。
かなり細い道を進んで、20分ほどで関門人道橋の入口に到着。

エレベーターに乗ると人道橋へと行ける。
こんな近くに山口県が!
あの向こう岸へと渡れるのだ!

年季の入ったエレベーターで地下に降り、全長780mの人道橋を歩く。
海底に向かってV字となっており、前半は下り坂、後半は上り坂となる。地味にキツい。

県境にはこんな掲示も
路面にも県境が!ここを踏み越えれば山口県。
ここを越えれば福岡県。

しばらくすると、山口県下関側の入口に辿り着く。スタンプは乾き切っていたのかうまく押せず。

一応人道橋も国道。NEXCO管理だけども。
下関側にはこんなものも。

そしてエレベーターで地上に上がると、こんな景色が。

火の山というらしい。
さっきまで向こう側にいたんだ。
地上ケーブルで電気をやりとりできるなんて、いいね。

再び引き返して、門司側へ戻る。

立派な鳥居。本殿は水中に?

11:58発のバスを待ちながら、向こう側の景色を眺めて休憩。再び門司港駅へ。

門司港駅前の交差点。レトロな感じを伝えたい。

ちょうどお昼だ。小倉で飯屋を探すより、せっかくグルメとやらで日村が教えてくれたあの名物を食べるとしよう。それは…

スーパー焼きカレー
卵は固まり切っていた。

焼きカレーだ。
評価が高くて、かつ空いてるところに入ったが美味しかった。

昼食後、小倉に戻る前に風景を撮った。

山が迫っていることを伝えたい。
関門海峡。向こう側は山口県。ほんと近いな。

小倉に着いた頃には13:30になっていた。

小倉駅南口。モノレールが延びる。
入り口が開放的なのは斬新だ。建築物マニアにはたまらない。北海道ではできない造りだ。

駅舎もほどほどに、紫川を渡ろうとしばらく歩く。

NHK北九州放送局とリバーウォーク北九州。「D」の形を模しているのはどーもくんに由来しているのか?
広大な紫川。釧路の幣舞橋でも見たようなモニュメントが見える。
海側

いよいよ、今回の旅のメインスポットに到着だ。それは…

ゼンリンミュージアム!!

ここ、ゼンリンミュージアムだ。

多くの人々(特に同年代)は、「何が面白いの?」と疑心暗鬼だろう。しかし、地図をナメている節を自覚しているならば、一度心を入れ替えるためにも訪れてほしい。地図の凄さや、なぜ地図にハマる人がいるのかが少しはわかるはず。
私は正直、どんなUSJやTDLにも勝るスポットだと思っている。
あそこから得られる学びを逆に聞きたい。激混みに耐える忍耐力か?はたまた順番を譲る柔軟性や優しさか?それともスリルに耐えうる鋼のメンタルか?

ゼンリンの一次面接の逆質問で返された「ぜひゼンリンミュージアムってものがありますから来てみてください」という答えを叶えてやったぜ!って気分。もちろん落ちたけれど。あんな人気企業に書類通っただけでもよしよししてほしい。

基本的に館内は撮影禁止だが、一部を撮ることができたので。

小倉駅方面
海側正面。奥の新日鐵工場はもう動いていない。
小倉城
夕焼けの旧日本製鐵工場。
歴史の教科書でお馴染み、伊能図。
九州北部。西日本は後の方に測量したので情報が細かい。
地元付近も。日本海側は間宮林蔵の調査によるもの。内陸は調査されず。時代的にも海岸沿いの隆盛期。
今住んでる釧路。こちらはきちんと伊能忠敬の調査。

ちょうど今の企画展は「くきのうみ」と題して北九州工業地帯と筑豊炭田についての展示をやっていた。個人的には前の企画展の方が興味津々だったのだが、学芸員のガイドをつけて解説してもらったおかげでめちゃくちゃ理解できたし面白かった。
ブラタモリ北九州編をみた人はほぼ同じ内容らしい。よく理解できなかった人やじっくりみたい人はもう一度訪れることをお勧めする。
また、常設展のボリュームも凄まじく、時間の余裕がないとキツい。私はじっくり見入るタイプなので尚更だ。
企画展の学芸員とは釧路炭田の話を、常設展の学芸員とは小樽や釧路、北海道の話をのべ3時間もしてしまった。閉館時間を迎えてしまい、私も博多に戻らないと行けなかったので、実は最後の方の展示を見るために次の日にも訪れている。
こんな変態どこにいるんだよとお思いかもしれないが、それだけ私は地図が好きだ。逆にそれでしか勝負できないし、「普通」になれない。今はこんな自分を誇りに思っている。
だから今の、私を腐った目で見つめる若者たちに呼びかけたい。
「つまらない」ではなく「自分たちの従前の差別思想を変える」ための行動を起こしてみないか。自分に配慮してもらうには、まず自分から人に配慮する姿を見せなければならない。自分ばかりではいけないのだ。
もう一度言う。小倉に来たらゼンリンミュージアムは必修だ。私はそのくらいの気持ちでいる。

小倉駅にもこんな看板が!行くしかないっしょ!

そんなこんなで、大慌てで遅くなる旨の電話を入れ、私は新幹線で再び博多駅に戻った。それから地下鉄に乗り換えて、福岡の商業集積地「天神」にやってきた。札幌で言う大通・南1条あたりか。

???「ただいまー、天神天神天神」(違う)

ここにある鶏皮の店を予約し向かったが、珍しく道に迷ってしまった。ようやく辿り着くと、店員さんは怒りもせずに迎えてくれた。

糸島産グリーンレモンサワー。普通のよりすっきりしてて好き。3杯飲んでしまった
福岡の焼き鳥屋ではお馴染みのお通し「キャベツ」と食べたかった鶏皮酢。
5点盛りをすすめられたので。他に鶏ももとつくねがある。
ここでも酢もつを頼み、比較。少し固く飲み込みづらかった印象。
鶏皮追加。
馬刺しに挑戦。タレが美味かった。肉も癖なく久留米直送といえど食べやすかった。
ダルム豚の直腸。なんか食いたくなって。他に椎茸も頼んだ。

20:00には出ろとのことだったが、時間はまあまああった。ギリギリまでいてしまったが、店員さんは優しく話しかけてきてくれた。
旅行だということとか、どこ行ったんですかとか、なんでうちの店きてくれたのとか、たわいのない話に夢中になった。

結構俺喋れんじゃん。笑

だから最後は珍しく頭がぐわんぐわんして酔いかけてたけど、精一杯の感謝を伝えて出てきた。鍛高譚の話で絡んでごめんなさい。でもあのお兄さん、めちゃくちゃ楽しそうに調理してたよ。

大慌てでホテルに戻り、水をひたすら飲んでアルコールを出そうとした。結果翌日まで引きずった。

続きは後編としてまた別に。↓

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