福岡への旅(旅行記後編)

前半2日分は別記事にて。
ここでは3日目以降のことを書きます。前編と合わせてお読みください。

3日目(10/20)

この日はあいにくの雨。朝9時ギリギリまで出発を遅らせて、この日も北九州へ。といっても小倉までだが。ゼンリンミュージアムを再訪しようと、もう一回行くことにしていた。
計画段階では糸島でトゥクトゥク…なんて考えたりしてたが、私は独り身、運転適性Gと相性が悪すぎると判断し断念。いつかそちら側に行けた時のために取っておこう。

翌日は、12時には空港に行く予定でいたため、まずは博多駅内でお土産を見繕う。ある程度品定めや発送手続きを終えたところで、博多駅の地下街なども歩いてみた。
さっぽろ地下街やアピアとはまた違った感じだった。11時前なのに一部のご飯屋さんには観光客がぎっしりと。さすが駅ナカ。

博多駅博多口。こっちがメインか。

地上にも出てみて、筑紫口とは反対側も見ておきたいと思った。札幌駅ばりの華やかさ。こちらがメインの玄関口と思われる。比較のために札幌駅南口もあらためて掲載する。

札幌駅南口。こちらもメインの玄関口。

どうだろうか。優劣をつけるのは良くないが、差異を考察する比較なら大いにありだろう。

11:00近くなってようやく新幹線で小倉へ。前の日に見れなかった、小倉の街を観察したいと思っていた。
とその前に腹ごしらえ。モノレールに乗って競馬場の手前「北方」という地区へ向かった。

牛すじ2倍の1.5玉。

ネットで見つけた、牛すじ肉が乗った北九州うどんを食べたくてわざわざ行った。出てくるのが爆速なので、回転はいい。濃い汁の色をしているが、しょっぱくなく、後味は甘味。ザ・九州な味付けだ。もう少しプルプルな部分が欲しかったが、肉がたくさんで美味しかった。
店を出る頃には大雨になっており、モノレール駅までひたすら走ったが濡れた。強がって傘を置いてきたのが災いした。
それでも再び小倉へ。北九州でも駅ビルでお土産を見繕う時間だ。

今回、お土産のコンセプトとしてこんなことを掲げた。

「一つの相手につき博多で一つ、北九州で一つのお土産を見繕う」

今回実家(自分)、友人、ゼミ向けにお土産を買ったが、各相手とも博多のお土産一つ以上と北九州のお土産一つ以上をそれぞれ選択。
せっかく行ったのに、いつも迷惑かけている相手に何もしなけりゃただの失礼野郎だ。2度とそんなやつになってたまるかとの勢いで、大学入学以降無駄なサービス精神が芽生え始めた。

話が逸れたが、お土産を見繕ったところで再びモノレールに乗車。向かった先はそう、あの場所だ。

火災の痕跡を追いかけて

記憶に新しい、旦過市場。二度の大火を経験した生の現場を心に刻むべく、私はここへ向かった。まさに市民の台所といったところで、川沿いの細小路にこれまた家々が密集している。このような立地の仕方は延焼が起きやすく、大火事になりやすい。あの時の旦過市場もまさにそうなってしまったのだ。

フェンスの奥に垣間見える火災の跡
被害に遭った人たちが団結して市場を蘇らせた
建物とアーケードが接していた痕跡

付近には記念碑もあり、火災の事実を伝えようと人々がもがいている様子を感じ取ることができた。また、火災の際の燃え滓と思しきものも落ちており、生々しい記憶を後世に伝えている。
そんな中でも、跡地に新しい建物を建て、被害にあった店主たちがそこに再び店を出し、やり直そうとしている痕跡も見られた。

旦過市場を踏破すると、続いて魚町銀天街に入る。

旦過市場をそのまま行くと魚町銀天街

ここもアーケード街となっており、より近代的な店が並んでいる。昼間からティッシュ配りがいることに驚きだ。
九州だけを見ても、アーケード街が北海道よりも多い気がする。特に雪対策ではなさそうだが、疑問に思った。
リバーウォークに行くには途中で大通りに逸れないといけないので、魚町銀天街の完全踏破はできなかった。

そして再びゼンリンミュージアムへ。
前日に顔見知りになった人が受付で「また来てくれたんですね」と大歓迎してくれた。「いえいえ、ここがメインですし地図好きですから」と満面の笑み?で返した。
なんと順路と逆から通してくれるらしく、喜んでお言葉に甘えた。アンケートがあったので思いの丈を書いてきた。
前日見れなかった展示を見ていると、常設展を案内してくれた学芸員さん再び登場。「昨日はありがとうございます。連続で来ていただいて…」と手厚く迎えてもらい、解説をしてもらった。
伊能図を参考にした近代図の面白さや発見に子供心が疼いた。そして再び伊能図のところへ行き、北海道トークの続きを。
「喋りすぎてしまってすみません」と何度も謝るも「おかげで北海道に行きたくなっちゃいました」と言ってくれたのでとりあえずよかったか。手持ちのタブレットでグーグルマップも出せるからほんとすごい。解説がしやすかった。

カフェコーナーで道路地図やるるぶをさらっと読み、ミュージアムに別れを告げた。

その足で4階の地図工房に向かった。
ここは地図をデザインとして捉え、缶バッジや切り絵、塗り絵が楽しめるらしい。印刷はしなかったが、ゼンリン地図の印刷範囲指定の操作体験はやらせてもらえた。
実家付近を指定してたら、文化の違いトークやおすすめお土産トークをこちらから仕掛けて、情報収集しながら会話した。やっぱり釧路旅行は抵抗があるらしい。まずは札幌から、慣れたら釧路。この流れをメジャーにしていきたい。タイヤ交換も、九州ではやらないらしい。それを確たるものにできたから収穫だ。
驚いたのは北海道三大ラーメンが知られていなかったことだ。第四の釧路ラーメンを知らないのはわかるが、旭川醤油と函館塩を知らなかったのは驚きだった。札幌味噌が一人歩きしすぎた結果なのか、まだまだ北海道素人で知らないだけなのか。
あとは味噌バターコーンに騙されるなと言っておいた。あれは観光コンテンツで地元の人はあんまり食べないことを伝え、真の札幌を味わってほしいとお願いしておいた。

そのあとは1階のマップデザインギャラリーへ。ここには地図デザインのグッズが売っている店で、天神にも店があるようだ。ちょうどその日に発売されたばかりの、文化圏地域区分の都道府県ピンズがあったので迷った末購入。普通の市町村境界付ピンズも。あとはボロボロのSAPICAパスケースを変えようと、目立たない黒の地図記号デザインパスケースを購入。頑丈さをアピールされたので一つだけでもと。
よく言われたのは「北海道からはるばるありがとうございます」だった。その度に「いえいえ、ここに来たかったので」と本音を返した。

少し余裕を持って、北口から小倉駅に行こうと企てた。学芸員さんが説明してくれたかつてのメインストリートだった橋も撮れた。

かつてのメインストリート。
ここを辞める人を脱北者と呼ぶらしい。

北口に向かって歩くと、スパルタで有名な予備校が。学歴厨気質な私はぜひ撮っておこうと思った。北予備とも略され、ここを辞めると脱北者、辞めることを脱北というらしい。その分赤門をくぐれる確率は上がるらしいが。

お土産を買って、博多駅へ。その足で乗り換えし、赤坂駅へ。中央区役所の横を大名方面へ歩き、三本目の小路を曲がり、さらにT字路を左に曲がると、目当ての店が見える。
この日の夕食は、水炊きにした。博多に来たら外せないだろう。

メインの水炊き。さらに具材が入る。
ごま鯖リベンジ成功!牛すじポン酢は想像していない形で登場。
おしゃれ盛りなホルモンの唐揚げ。
食べたかった椎茸とりごぼう乗せ。
締めは雑炊を選択。感覚でね。

おかみさんが出迎えてくれて、来た時に客はゼロ。店内にはミスチルの曲がかかっており、ほいけんたの歌った曲になるとモノマネで口ずさむ自分がいた(笑)。
水炊きに加えて、カンパチ止まりだったごま鯖リベンジと牛すじポン酢を注文。その後に椎茸とりごぼう乗せとかホルモン唐揚げを。レモンサワーは3杯飲んだが、シロップ感がすごかった。沈殿して味ムラがあったなぁって感じ。
ここでも「旅行ですか」とかの話になって、就職決まったとか、どこ行ったとか。結構おかみさんはタメ口で、親しみやすい「お母さん」のような感じだった。
締めは雑炊で。ちゃんぽんはもつ鍋でやったし、水炊きにはどうも麺ではないと思った。一旦鍋を引っ込めて作ってくれた。薬味は入れ放題なので、味変の柔軟性は高い。隠れ家的で雰囲気もよく、いいお店だった。

そのままホテルに戻って、荷物を軽く整理した。あとはお土産を買うだけ。

4日目(10/21)

最終日、8:45頃にはチェックアウトを済ませ、博多駅に向かった。身軽にして駅ナカへ。お土産を一気に購入し、時間の余裕ができたのでゆっくり見れていなかった天神へ。

地下鉄で天神駅まで行き、下車して地下街に入った。そういえばと思い、パルコに行くことにした。恥ずかしながら、札幌パルコにはほぼ行ったことがない。しかし、天神パルコは間違いなく規模がデカく、なんでもあった。
ちいかわショップにアニメイト、タワレコ、楽器屋まで。土曜日とあってか、子供連れでちいかわコーナーは賑わっていた。あと小さい子でもアニメイト行く時代になったんだなとしみじみした。
そのあとは地下を歩きながら大丸へ。札幌駅と違い、JR駅付近にはないようだ。ほっぺタウンとの比較をしながら中を歩いた。
昼は小倉で見かけた天ホルというものが食べたくなり、急いでソラリアステージというところに向かった。しかし時すでに遅し、待ち客がかなりいて、時間食われた挙句¥1800も取られるのか…と思うと一気に萎えてしまった。

急遽博多うどんを味わうことにした。
時間がなかったので、肉ごぼう天にひら天をトッピングするという暴挙に出て、無理くり福岡を堪能しようと目論んだ。これで¥1000いかないからいいよね。

肉ごぼう天うどんにひら天トッピング。

ごぼう天もだが、ひら天のおいしさに脱帽し、かま栄のひら天でも買ったろかと思ってしまうくらいだった。

そんなこんなで12:30前には空港へ。ターミナル着いてすぐにフルーツどら焼き屋があったので店員さんの誘導に負けてメニューを詮索。ちょうど家族のニーズに合うものがあったので保冷を効かせて購入。
結局お土産が収まり切らず、飛行機に乗れなくなる寸前まで達した。しかし気合いで一つにまとめ、なんとか搭乗に成功。
14:00出発の便で新千歳へ帰還。さらば福岡。
4日間の楽しい思い出を学びに変えて、私は再び走り出す。

空港の目の前に坂道が。タモリなら激アツ案件。
不安定な雨雲の中へと入っていく
気圧で揺られながらも、果敢に雨雲の中を突き抜ける
ただいま北海道!南長沼ランプ、空港直結。

16:20、新千歳空港に着いた時は予報通りの雨だった。一瞬雹が降っていた。福岡の暑さに慣れれば北海道は寒く感じた。実際20°Cのところから10°Cないくらいのところに帰ってきたから、なおさらだ。
預けた荷物も無事に帰ってきたところで、スマートに改札通過。そのまま実家最寄り直通の快速エアポートにこれまたスマートに乗車。

道外民が旅程を組む時は必修です。

18:10頃にようやく実家の最寄り駅へ到着。23日までここに身を寄せた。

いかがだっただろうか。4日間の旅の記録をつらつらと並べただけだが、なんとなく伝わるものがあれば嬉しい。
ゼンリンミュージアムは必須!改めて感じた地図好きな人への印象を書き連ねてもらいます。
まだまだ行けなかったところがたくさんある。何度も旅をしていく中で制覇するしかないところがあるので、まあ余裕ができたらしてみたいかな。
次は東京という「街」を旅してみたい。新大久保から読み取れる裏の現実、タモリが愛した坂道だらけの東京、下町…
TDLしか見えていない彼らが見落としがちな、いや目すら向けない光景に私はこれからもフォーカスしていきたい。
ぜひ街を見る、暮らしを見る、地理的に見る、そんなじじくさくてかしこまった旅をしてみてはどうだろうか。普段テーマパークや定番スポットを淡々と目指し、途中の移動や過程に目を向けない人ほど、新たな発見が目白押しだろう。

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