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映画クレヨンしんちゃん オトナ帝国の逆襲を見た!

クレヨンしんちゃんの映画を見た。
『映画 クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ!モーレツ!オトナ帝国の逆襲』を見た。

考えさせることが多く、声をあげて笑わせもしてくれる映画だった。
5歳の園児であるしんのすけをはじめとする春日部防衛隊の行動力に圧倒され、20世紀を懐かしいと感じないが十分にオトナと見なされる私はどちら側につくのだろうかと考えてしまった。

「子どもには懐かしいという気持ちが分からない」

これは、冒頭にかざま君が言っていた言葉だ。
私は、前述したように、この映画に出てくる大阪万博や遊びを懐かしいとは思わなかった。だけど、懐かしいという感情は持ち合わせている。幼少期に遊んだオモチャや読んだ絵本は懐かしいと思う。この映画を見ているときも、その自分が知っている“懐かしい”という感情を引っ張ってきて見た。

“懐かしい”という感情はとても気持ちが良い感情だと思う。昔の楽しかった思い出に浸り、ジンミリする気持ちになれる。友達と昔話に花を咲かせるのも楽しいし、昔通っていた小学校の前を通ると何とも言えない暖かい気持ちになる気もする。
だけど、懐かしいという気持ちを獲得するにはそれなりの時間が必要なんだなとかざま君の言葉にハッとささえられた。
“懐かしい”には“時間”が必要なんだ。

春日部防衛隊

私には最近聞いた、チーム論がある。
“リーダーがハンドルを握り、副リーダーがアクセルを踏む”というものだった。
そんなおり見た、春日部防衛隊のバスの運転。ハンドルを握る人、アクセルを押す人、ブレーキを押す人、それぞれが役割を果たして敵のオトナ達から逃げていた。
最近、そんなチーム論話を聞いたこともあり、こういうことか!と納得してしまった。
しかも、春日部防衛隊はその役割をローテーションで回しており、ハンドルを握った人によって個性的な運転を見せていた。
きっと、こういうことができるチームが良いチームなんだなぁと勉強になった。

懐かしい香り

敵対組織は、懐かしい香りを放出することで、人々を20世紀の虜にしていると言った。時間を前に進みたければ、行動しろと野原一家に言った。
むちゃくちゃなネタバレになるが、野原一家の奮闘する姿を見た街の人が21世紀を行きたいと思ったおかげで“匂いレベル”が低下し、日本中に香りがバラまかれることはなくなった。
作られた香りは、人の気持ちでどうにかなるものではないと思う。
では、バラまこうとしていた匂いは何であったのか。20世紀を楽しむ人々の営みが作り出す香りだったのだろうか。ヒトの作り出す熱だったりするのだろうか。
たしかに、私も懐かしいな香りだなと思う瞬間はある。だけど、それが何の香りなのか分からないときもしばしば。
懐かしい香りとはいったい何であったのだろうか。私が懐かしいと思う香りは一体何なのだろうか、とふと思った。

この映画は“懐かしい”が重要な映画だと思う。20世紀を知らない私には、気づけていない要素もたくさんあったのだろうなと思った。
大人も楽しめると話題のクレヨンしんちゃんの映画。つまり、この映画は子ども向けだということ。
“懐かしい”を知らない子ども達は、この映画をどのように見たのか私は知りたいとも思った。

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