『ムーンライト』

想像とは違う映画でした。

「ゲイ」、「いじめ」、「ドラッグ」、「貧困」、「ネグレクト」、、、
『ムーンライト』という映画を象徴するのに、強いイメージを持つワードを並べることができそうです。

それらは、
主人公シャロンにとっての
日常でした。

多くの「負」を背負い生きるシャロン。

唯一
わかり合えた友であるケヴィンを
何年もの間、
一途に想い続けるシャロンに、
寂しさを、
他の誰かで埋めようとしない
強さを感じました。

大切な人を想い続け、
大切な思い出を大切なまま、
持ち続けること。
純粋に、素直に。
簡単なようでできていないと、
ハッと気づかされます。


我が子のようにシャロンに愛を注いでくれる
ドラッグディーラーのフアンの存在に
観ている私たちは救われます。

しかし、フアンは、
シャロンの母親にも
ドラッグを売る売人です。

観ているこちら側の、
秩序が乱れ、混乱します。
それは、シャロンの人生そのものです。

そんなシャロンが、唯一
自分を素直に出せた時間は?
相手は?


ラストシーン。
私たちもみな、あの頃までが、
純粋に素直に「自分」というものを
感じて、出して、
生きていたかもしれないですね。


気まずいシーンもありますので、
夜などに、1人で、ゆっくりじっくりと
観る映画にオススメです。


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