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社会不適合者の能力特化論 ~ASDとADHDについて考える~

前回の記事↓

「社会不適合者の能力特化論」シリーズを久々に更新です。
前回の『~先駆者の人たち~』で一段落してたので、前の更新は4月ぐらいで今回は10月になりました。

今回はASDとADHDについてを書こうと思います。

ADHDは大体名称が定着してるものですが、ASDは「自閉症スペクトラム」が正式名称で、
一昔前は「アスペルガー症候群」「自閉症」とか呼ばれてたので、名前がちょっとブレてるやつです。2013年のアメリカ精神医学会による改訂で「自閉症スペクトラム(ASD)」の呼び方が普及したようです。
自分は「アスペルガー症候群」という名称の方が親しみがありますが、
とりあえず、今回はASDの呼び方で統一します。

自分がこれについてよく考えてるのは、
『~前置き~』の所で説明した「内向タイプ」「外向タイプ」の絡みです。

自分が「アスペルガー症候群」という用語を知ったのは大学時代の初期の頃で、ユング心理学やタイプ論について知ったのも同様にそれぐらいだったんですが、ずっと思っていたことがありました。

アスペルガー症候群って内向タイプのことなのでは?

と。
アスペルガー症候群(改めASD)はそれなりに有名な用語だし、
ユングのタイプ論も結構面白い話なので、
語ってる人が多いと思ったんですが、
この二つを絡めて考えている人は探してもそんなにいない印象でした。

なので、その辺について書いていこうと思います。

内向タイプとASD

まず、内向タイプと外向タイプの特徴をおさらいすると以下です。

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特徴や要素を列挙していますが、
内向タイプの特徴は「心のベクトルが内側に向く」ことによって出る傾向、と理解しておきましょう。

そんでもって、ASDの傾向をおさらいしましょう。
とりあえず、ASDについては、よこはま発達クリニックさんの説明がよくまとまっていたのでそちらを引用します。

英国の児童精神科医ローナ・ウイングは自閉症スペクトラム(ASD)を社会性、社会的コミュニケーション、社会的イマジネーション、
それぞれに質的な偏りがみられる、「3つ組の障害」と定義しました。
社会性
同年代の他者と相互的な交流を行うことが困難なことが基本的な特性です。幼児期には他者の存在への無関心、人より物への興味の強さで表現されることが多いです。学童期以降には親密で対等の関係を友人と構築することの困難さが特徴です。
ただし、ASDの人たちの社会性は発達しないわけではなく、ゆっくりと発達し、変化していきます。知的に高い人たちは、これまでの経験をもとに自分で特性が目立たないようにカバーしている人も少なくありません。
社会的コミュニケーション
(中略)
ASDの人のコミュニケーション障害はコミュニケーションの発達が遅れが本質ではなく、社会的場面でのコミュニケーションの方法が独特であるのが特徴です。例えば一見流暢に話し、専門用語や四文字熟語などを多用する人でも、意味を十分に理解せずに使用していることがあります。音程や抑揚、早さ、リズムに偏りがあり話し方が単調であったり、リズムが不自然だったり、自分の好みのことを一方的に話し続けることや相手の言葉をそのまま繰り返してしまうといったこともコミュニケーションの方法の偏りです。
また、言葉を字義通りに受け取ってしまう、言葉の裏を読むことが苦手、相手の発した言葉の中で自分の気になった部分のみに着目してしまうといった偏りがあります。
社会的イマジネーション
ものを並べる、特定の物を集める、変化を嫌う(同じ行動を繰り返す)などの“こだわり”と言われる行動は、イマジネーションの障害が背景にあります。次に起こることを想像することが難しく、自分なりに見通しを持つことが出来ないため、同じパターンを繰り返し行うことで安心しやすいと言われています。
(中略)
目に見えない物(イメージ)の共有は苦手なことが多い一方で、そこに具体的な実物、写真、絵、文字などの情報が見える形であると、イメージを他者と共有しやすくなるのが特徴です。

あと、以下のサイトの説明が良いです。
『アスペルガー症候群の診断基準とは?』の辺りを読んでおくと良いと思います。

大体こういうものは、公的なものだと
アメリカ精神医学会の『DSM-5』(『精神障害のための診断と統計のマニュアル』第5版)や世界保健機関(WHO)の『ICD-10』(『国際疾病分類』第10版)といったものによる診断基準で判断されるそうです。

こういったものに書かれていることの特徴が「心のベクトルが内側に向く」ことによって起きているのであれば、
内向タイプが突き進んだ結果がASDなのでは?と言えると思います。

まぁ、以前にも書きましたが、
これは「スペクトラム」という概念になっていて、境界が曖昧なんでフワっとしてるものです。

ただ、内向タイプの傾向で、何かしらの理由で「一線を超えた」とみなされた場合、「ASD」や「発達障害」みたいな名称が付いてくるんだと思います。
最終的な決定は医者だったりするし、障害者手帳を貰ったら「発達障害」として正式な認定が貰えるでしょう。

あと、色んな人が誰かを「問題児」扱いするような場合ってのは、
「社会で生活をしていく際に問題がある。」と判定された場合そうなるので、
「なんか周りから問題だと判定されると、ASDみたいな名称が付きやすくなる。」
みたいに思っとくと良いのかもしれません。

なので、例えば音楽やら学術やら創作などで成果があれば「天才」みたいにみなされるし、対人関係が異様に上手い所もあれば「良い奴」とか「面白い奴」とみなされるので、
やはりその辺りは、このシリーズでよく書いてるように「集団行動をどうにかできるか」が肝になってくるのだと思います。

内向タイプとADHD

ASDとADHDはどう関係しているのか?
ASDとADHDの関係はハッキリ解明されてるわけではないですが、
「一緒に併発しやすいもの」だとよく言われています。

借金玉さんの著書の『発達障害の僕が「食える人」に変わった すごい仕事術』の中でも「自分は併発している」「大体みんな混ざってる」といったことが書かれています。


ただ、借金玉さんは明らかにADHDタイプで、仕事だとどっちかというと営業のが得意なタイプだし、
研究者みたいな人に多いASDタイプとはまた違うでしょう。

ASDとADHDの関係はなんなのか?

思うに、どっちも社会不適合者的であり、内向タイプの傾向を持っているのは確かだと思います。
外向タイプが持っているような「周りが信じているものを無条件に信じる」ということに対しては、
ASDもADHDも「拒絶」の意識が根底にあると言えるでしょう。

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大体、「能力特化」が行われるのも内向タイプの特徴で、
恐らく、ASDもADHDもその辺は共通してます。

ただ、そのまま普通に内向タイプ的でいるのがASDなんですが、
ADHDは、そこから突発的に外向タイプの特徴を持つ者なんだと思います。

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やはり社会を生きていったり、社会を変えていったりするには、外向タイプ要素が必要だからそれを持つ、
ということでしょうか?

あと、ASDよりADHDの方が恋愛の成功率は高いみたいだし(失敗も多そうだけど・・・)、
突飛なことをして社会を変えてくんだったらADHDの方が良いし、
各々の根底の意識には何かしらの想いや理由があるのかもしれません。
案外、「モテたい」って意識が強い人がそっちに行ったりして?

ADHDタイプの人の中には、起業までやる人もいるみたいで、
これは自分みたいなタイプだとまったく発想が及ばないんですが、
突飛に向かった外向タイプ的な特徴だと言えるのかもしれません。

あとは何でしょうね。
ADHDの長所といったら、なんといっても「爆発力」みたいなものがあるので、
「過集中」や「突飛な面白さ」や「肉体的なたくましさ」に特化していきたいみたいなのがあったら、
「時間を守ろう。」みたいなのを犠牲にしてまでそっち方向に行くんでしょうか?

ADHDの人がとにかく時間を守らないのは、
「内向タイプ⇒外向タイプ」へと突発的に向かうために、
意識の中でバグみたいなのが起きてるからなんでしょうか?

あるいは、野生動物の意識への回帰とか?

そのように捉えると、何か分からんでもないような気がしています。

まぁなんか色々あるよね

そもそも、内向タイプと外向タイプの2タイプについても、
ベースとして持ってるのはどっちかって感じにはなってるみたいだけど、
結構複雑に混ざってるケースもあるし、なんとも言えないことも多いし、
基本的に世の中には色んな奴がいると思います。

ASDとADHDの混ざり具合とかも同様で、
これもまた混ざり方次第で色んな奴がいると思います。

あと、ADHDについてだと、
実は幼児の時のハイハイ運動の不足や神経の発達不足に原因があって、
後天的にハイハイ運動とかをして身体の神経を発達させるとそれなりに治療可能とか、そんな説があったりなかったり。

そんな感じで、そもそも治癒可能なレベルのADHDとか、
不可なレベルのADHDとか、
先天性が強いADHDとか、後天性が強いADHDとか、
その辺を区別すると色々あったりすると思います。

ASDとは何か? ADHDとは何か?
これらについては、アメリカみたいな国の医者による診断が発祥にあるものの、
まだしっかりと解明されているものではないし、
自分はどっちかというとASDに近いタイプなので、
ADHDについては正確に分かるわけではないです。

なので、その辺は色んな人を知っていくうちに、
もっと分かってくれば良いかな、と思っています。

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