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【映画】最初から最後までドキドキしっぱなしの2時間半【ゴーン・ガール】

かつてジャンプで連載していた「バクマン。」という漫画がありました。あの漫画ですごく感心させられたのは、あるときにどんな作品を作ろうか悩んでいた二人が、普通のコメディを書くのではなく、ブラックな笑いを描く作品を作ろうとしたところ。

完全なコメディ調ではなく、推理ものなんだけど「うわー(笑)」となるような笑いを取るような作品を作るところに「これは面白い!」と思ったものです。

そういった点で、たぶん自分はブラックな笑いを好む傾向にあると思うんです。

ただ、今回紹介する映画「ゴーン・ガール」は、ハッキリ言ってブラックな笑いを通り越して、もはや怖すぎました(笑)。

いやもう、この映画本当にすごい。こんなに2時間半ずっと引き寄せ続けられる映画も珍しくて、最初から最後まで「おいおい、どうなんのこれ」、「え!それはヤバイ」、「コワ!コワ!」みたいな状況でした。見終わった後の"すごいものを見てしまった"感たるやもう。メッセージとか解釈とかもそうなんですが、久々にみんなの意見を聞きたいと思う映画でしたね。

ざっとにはなりますが、興奮冷めやらないで感じで紹介していきます。

■予告編を読み解くだけでも話が広がる

”あらすじ”
ニック(ベン・アフレック)とエイミー(ロザムンド・パイク)は誰もがうらやむ夫婦のはずだった。しかし5年目の結婚記念日に突然エイミーが失踪。そして理解不能な行動を続けるニックに対して、世間はエイミー殺害疑惑の目を向ける。ニックとエイミーの間に起こった出来事とは。予測不能な衝撃の結末が待っていた…。

今回、先に動画を貼らせてもらったのには訳がある。なぜなら、この予告編を見ただけでは、ゴーン・ガールのすべてを理解できないからだ。

基本的にどんな作品でも、予告編を見ればなんとなく作品の流れがわかったり、映画を見終わった後に見ると「そうそう、ここ大事よね」といったように振り返ることができる。

ただ、今回の「ゴーン・ガール」。この予告編だけでは、まったく映画の全貌を理解することができない。

そこで個人的に2つのことが浮かんだ。1つ目は、この予告編を作った人がわざとわからないようにしたパターン。今作は非常に考え込まれた映画だ。普通、映画の中で展開が一転二転することはあっても、四転五転することはない。ただ、この映画は本当に展開が変わる。ニックとエイミーだけでなく何人ものキャラが登場し、映画が進むにつれて何が起きるかわからないスリルが続いていく。自分もミステリーやサスペンスが好きなため、先を読みながら映画を見ることが多いのだが、これほどまでにどうなるかわからない映画も珍しかった。だからこそ、わざとわからないパターンにしたのではないかと思う。

2つ目は、この作品をまとめるのは難しいと感じたパターン。正直な話、起承転結で言えば、この予告編は映画の”起”の部分にフォーカスを置いている気がする。何が起こったのかという入りを見せて、映画に興味を持ってもらおうとした形だ。そうしないといけないくらい、この話の”起”の部分はすごく重要なのである。だからこそ、全部をまとめるのは難しいので”起”に焦点を置いたのかなと感じた次第だ。

それほどまでに、この映画はいろいろなことが起こる。予測不可能で、それでいて伏線を回収するごとに怖さが増していく。ラストを見たときの感情は、言い表すのが難しいほどの映画である。

■テーマは「結婚」。ポイントは闇の部分に焦点を置いたこと

今作は「セブン」や「ファイトクラブ」、「ソーシャルネットワーク」でお馴染みの鬼才デイビッド・フィンチャー監督が作った作品だ。個人的には彼の作品をいくつか見ている中で、この監督は「人の業」みたいなものを描くことに長けている人だと思っている。テーマが非常に重く、人間の欲深さを見事に表現する監督と言っていい。

この「ゴーン・ガール」も内容以上にテーマ設定が秀逸だ。わかりやすいテーマで言えば「結婚」なのだが、どちらかと言えば「結婚」の光の部分ではなく闇の部分に焦点を置いている。

「結婚することが決して幸せなことではない」なんて知り合いの既婚者が言うけれど、その言葉を誇張したような映画だと思えばイメージしやすいかもしれない。いま話題の不倫や夫婦の上下関係、ソーシャルを使った誹謗中傷。このすべてがミックスされて一つの映画に出てくるのだ。

そして、それがゆっくりではなくスピーディーに展開されていくのだから、テレビから目が離せなくなるのは何ら不思議ではない。最初から最後まで魅了されっぱなしの2時間半が待っている。

この映画、男性と女性で見終わった感想は違うだろう。男である自分は「怖すぎる!」と思ってしまった。ただ、女性からすれば「そんなもんだろう」と思うかもしれない。それでも男女問わず、結婚している、していないに関わらず、一度は怖いもの見たさに見て欲しい映画であることは間違いない。

■編集後記

おはこんばんちは、らいまるです。

今回の紹介は全然内容わからんじゃないかと思った方も多いでしょう。そんな方はとりあえず見て欲しい。そして一度見れば、なぜ私がこういう書き方にしたかがわかると思います(笑)。

それほどまでに予測不可能なサスペンスなんです。

今回は本当に書きながら「あのシーン怖かったな」とか、「あそこで展開するのがすごいのよ」とか書きたかったんですけど、そういう場面が多すぎて(苦笑)。最初はちょっと長めの映画だなと思いましたけど、終わったときには鳥肌もんで「すごい映画を見てしまったぞ、おい」みたいな状況でした。

今はデイビッド・フィンチャー作品を見返す祭りに入っているのですが、未鑑賞で「ゴーン・ガール」同様の怖さがあると噂の「ゾディアック」を見るのが楽しみで仕方がありません。

では、今回はこの辺で。

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