子どもの意思決定を奪わず、待つということ
「今日は行きたい気持ちじゃないんだよなぁ」
さぁもう出発というときになって小2長男が言う。
今日は習い事の日だった。
「もうでないと遅刻しちゃうよ」と夫が言うと、長男はリビングを出てふとんにもぐりこむ。
学校に行かなくなったとき、夫婦でいろんなことを話し合い、学校も習い事も本人が行きたくないのを無理に行かせるのはやめようと決めた。
親として、息子の選択をそのまま受け入れるというのも決めてしまうまでは自分たちが不安や心配からなかなかできず難しかったけど、そのまま受け入れられる息子も楽ばかりではない。
息子も息子で、学校に行くか行かないか、今日自分は習い事に行きたいのか、行きたくないのか、その上で行くか行かないか、自分で考えて、自分で決めなきゃいけない。
親が行きなさい、休みなさいと決めてくれるわけでもないし、自分で毎回考えて選択するのはルーチンで休まず通うことより厳しい面もある。
休みたいなら休むでいいいんだよ、どうしたいの?そう聞いたら、「今日は休む」と言ったので、息子と習い事に出かける予定だった夫が用事のため出かけようとしたら、「まって、やっぱり行こうかな」と言い出す。
でも、玄関まで行って靴をはくところで、やっぱり行きたくないかも…とまた迷う。
聞くと「習い事に行きたいは51、行きたくないは49。外に出たくないが51で出てもいいが49」らしい。
すごいギリギリの葛藤だ。そりゃ悩む。
行きたい気持ち、行きたくない気持ち、どっちもあるから迷う。
そうだよね。
登園しぶりや登校しぶりのときの息子は、ただただ行きたくないと泣いていた。
それがこんな風に自分の中にある相反する気持ちをとらえて説明できるようになったこと、「行きたくない」は教室がいやというよりも、外に出たくないという気持ちをわけて捉えられるようになったこと。
それはこの1年間の息子の大きな成長だなぁと思う。
決められない息子に「ママ決めて」と言われても、わたしは決めない。
迷い続ける息子に、ずっと迷うことができることと、迷える時間に制限があるものがあること。
決められないなら、時間切れになるまで待つという選択肢があることを話す。
何度目かの「パパもママも休んだってべつにいいと思ってるよ」という言葉に、息子は「やっぱり行く」と意を決するように言って靴をはいた。
迷っていた時間は30分以上、習い事にも遅刻の連絡をいれて最後まで息子の意思決定を待ち、遅刻でならいごとに行った。
すっきりしたいい表情をしてた。
行くことより遅刻しないことより大切なこと。
それは息子が自分で決めること。
学校に行く、というみんなと同じルートからいったんおりて、学校に行かないと決めた息子はきっとこれからも、いろんな場面で自分で決めていかなければいけない。
学校に行くも行かないも、それ以外になにをするかもしないかも、自分の気持ちと向き合って自分で意思決定する人生であれば、きっとそれは息子にとって面白い道なんだろうなと思う。
ほんとにこれでいいのかなとか、こっちが決めたほうが早いとか、思ってしまうときもあるけど、息子の人生は息子のもので、わたしたち親のものではない。
自分で決めた息子をみて、自分で考えることも、自分で選ぶということも、大変だけど、それが自分の人生のハンドルを握るってことなんだよなぁと思う。
よこから勝手にハンドル握っちゃいけないんだよ、って自分に言い聞かせて、これからまだまだ大きくなっていく息子たちの意思決定を見守り、応援していけたらいいなぁと思います。
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