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挑戦への不安が楽しさへと変化した、RAHA KENYAでの1年間

皆さん、こんにちは。
ケニア発のアパレルブランド RAHA KENYAの上坂 結女(@yuuume16)です!

私事ではございますが、本日をもって1年間勤めさせていただいたRAHA KENYAを退職することになりました。

国も、出会う人も、仕事も、すべてが新しく、たくさんの刺激と学びが溢れていたこの1年。

まだまだ未熟者で何者でもない私ですが、初めてのアフリカ・ケニアで、異業種からアパレルブランドの社員として、奮闘した日々をここに綴らせていただき、1年前の私と同じように一歩踏み出したいと思っている方の背中を少しでも押すことができれば心から幸いに思います。

漠然と抱いた大きな不安

2020年2月。
もしこの時、コロナの影響を大きく受けることがなければ、ケニアで新しい一歩を踏み出すことはなかったと思います。

高校生の時にウェディングプランナーという仕事に憧れ、一人前のプランナーになりたい、良い結婚式を作りたい、ただその一心で過ごしてきました。
これからも自分は胸を張って好きだと言えるこの仕事を続けていくんだろうと何の疑いもなく思っていた矢先に、コロナの影響で既に決まっていた結婚式は軒並みキャンセルになってしまいました。

その後も約2年間は、復活の兆しが見えても状況が悪化する波が繰り返し起こり、以前の様に戻るか分からないこの業界と、ウェディングプランナーという肩書きがなくなった時、何のスキルも経験も持ち合わせていない20代後半の自分の将来に大きな不安と焦りを感じました。

わたしの挑戦する場所

兎にも角にも、このままではいけない。
どこか全く新しい環境で経験を積み、今後同じような状況になっても生き抜く力を付けなければと思い、業界や業種を問わず転職・海外インターン・スクールと幅広く探していました。

プランナー以外にこれと言ってやりたい事がなく、そもそもの選択肢の広さから完全迷走期に入っていた2022年1月。
TwitterでたまたまRAHA KENYAを発見し、ケニアという未知の世界で奮闘されながらもチームで楽しそうに働くスタッフの姿と、リエさん(@KawanoYOME)の原体験からなる “一歩踏み出すきっかけの” というコンセプトに心を動かされ「私もここで挑戦したい。」と直感で思いました。

そこからはあっという間に事が運び、3ヶ月後の4月には人生初のアフリカ・ケニアでの生活が始まっておりました!

ケニアに無事入国!夜中にも関わらずリエさんがお迎えに来て下さり記念写真♡
これから始まる新しい挑戦への緊張感は、今でもしっかり覚えています。

環境は自分を変えてはくれない

ケニア到着後、早速製作担当としてのインターンが開始。
当たり前に生活も、仕事内容も、海外の方と仕事をすることも、全てが初めてだった日々。戸惑いながらも早く仕事を覚えたいという一心でした。

そして、少しずつ仕事にも慣れ始め、製作が落ち着いてきた2か月目からは、日本で開催するPOPUPの企画・運営も徐々に任せてもらえることに。

経験の有無は関係なしに、新しい仕事にどんどん挑戦させてもらえるRAHA KENYAの環境は、その度に上手くいかない事や自分のできなさに落ち込みながらも刺激と学びで溢れていました。

ケニアに到着して2日目。
ナミホさんに教えていただきながら、初めてテイラーさんの工房を回った日。

ただ、環境を変えれば自分も変われると安易に思っていた自分。
この時を振り返ると目の前の仕事に向き合っていたようで、頭の中では常に「この先、私は一体何をしたいのか」「今やっている事は将来に繋がるのか」という不安と迷いが先行していました。

日本とは異なるケニアで、日々変化し前進していくRAHA KENYAの環境で、いくらでも自分次第で変われるチャンスがあったにも関わらず、出口の見えない迷いが邪魔をし全力になり切れずにいました。

7月に一時帰国し名古屋、大阪、東京でのPOPUPを全て終えた後も、力が付いた、自信を持って次のステップに行けるとは言えない状態でした。

たくさんの方のサポートがあり、無事に終えられたもったいないPOPUP。
関わって下さった全ての方に心から感謝です…!

向き合うことの楽しさ

そんな自分の状態にこのまま同じように過ごしていてはいけないと焦りを感じ、絶対に力を付けるんだという覚悟で9月、再びケニアに渡航しました。

ケニアに戻ってからは、まるで試されているかのような新しい環境が待っていました。笑

・今まで2名体制だった製作担当はひとりに
・複数のテイラーさんから専属テイラーさんとモノづくりをする、RAHA KENYAとしても新しい体制に

新体制に向けてお家ごとまるっと引越し!

一時帰国する前は、将来に対する迷いに加え、小さなできない事や失敗に恐れ無難に行動していました。
私が一番責任を持つべき製作においても、自分が決めて良いのか自信を持てず、判断を下すことに苦手意識を持っていた上、周りからどう思われるかを気にして相談まで時間がかかる悪循環。

でも、そんな事を気にしてもし自分が動かなかったら?
「納期が間に合わなくて、商品が日本に送れませんでした。」
「専属テイラーさんが不満を持って辞めてしまいました。」
などとなりかねない。そんな状況、想像するだけで震えます…

なので、
・今できるベストを考えたら、まずはやってみる
・考えても分からないと思ったら、素直に助けを求める
(どう思われるかというプライドなんて捨ててやれ!です!)
・毎日少しでも前に進めたか振り返る
(毎日全力で前進しているナミホさんに聞いた時、話してもらった事をそのまま自分に問うようにしました。笑)

こうして向き合うことの不安とプレッシャーを搔き消すように必死になっていたら、自分の気持ちも、周りからの声も徐々にポジティブなものに変わっていきました。

これから先、どんな環境に身を置いたとしても、常に意識し続けていきたいことに気づかせてもらいました。

片道2時間かけて、サイザルバッグを作るヘンリーの元へ。
ケニアの自然を使った染色に初挑戦!

二度の緊急帰国

以前の自分と比べて少しずつですが変化を感じ、もっと挑戦して成長したい!と思っていた頃、祖母の訃報と祖父の体調悪化が続き11月、1月と急遽帰国することになりました。

ただでさえ毎日忙しく、更にはRAHA KENYAの為にも新しい事業に注力していきたい状況下で沢山の業務を代わっていただいたにも関わらず、「RAHA KENYAのことは気にせず家族に集中してね。」と温かい言葉をかけて下さり、ひとり遠隔になる私を気遣い続けて下さったリエさんとナミホさんには感謝してもしきれません。

この出来事をここに綴るべきか迷ったのですが、コロナの時も、急遽帰国した時も、どうしても今の生活が明日も続くと思ってしまうのだなと。日常や周りのひとへの感謝を忘れずに、悔いなく毎日を過ごしたい。

自分自身、改めて思い直すきっかけになったので、やりたい事や挑戦してみたい事があるけど不安で留まっている…そんな方がもしいたら、小さな一歩でも今この瞬間から踏み出して欲しいなと思います。
私もそうしていきます!

ケニアに戻るトランジットで。
戻った翌日にリエさんがご飯を作ってくれ、皆で一緒に食べた温かい時間がめちゃくちゃ沁みたのを覚えています。(写真撮っていない自分を叩きたいです…)

RAHA KENYAだから気づけた想い

「いつも笑顔だから、本当はどう思っているのか分からない。」

今まで学校や職場で「いつも笑ってて楽しそうだよね」と言われることが多かったので、この言葉を受けて初めて、相手に分かりにくさを生んでしまっているのか…!と気がつくことができました。

笑顔の裏に本音を隠しているつもりは全くないのですが、ただ今までの人生を振り返ると、その場が丸く収まるように小さな違和感は心の中で消化し、同調する場面が多かったなと。

・お互いに納得するまで話し合う
・不安や今どう感じているかもオープンに共有する
・できない事ではなく、できる事に目を向ける

私はRAHA KENYAのスタンスが本当に好きで、ここから学ぶことが沢山ありました。
初めは不安やネガティブな感情を口に出すことが弱音を吐いているようで抵抗感があったのですが、相手を正確に理解できると信頼度が増し、些細なコミュニケーションもぐんと取りやすくなる!
そして、意識的に言葉にして共有することで、今自分が抱えている気持ちや想いにも気がつきやすくなりました。

そうして自分自身と向き合うことを続けていくうちに、今までぼんやりとしていた "自分の好きなこと" が少しずつ見えてきました。
私はやっぱり色々な人との出会いや、お互いを大切に想い合う人達が集まり交流することで、こころが動いていく瞬間が好きだなと。

またかよ!と思われるかもしれませんが、自然と笑顔が溢れたり、胸がじーんと熱くなったり、誰かを無性に大切に想ったり、そんな ”こころが動く瞬間” を結婚式を通して作っていきたいと思います。

ただ、1年前と同じ自分では意味がない。
ケニアでの学びや経験を活かして、スピード感を持って、常に一歩踏み出し続けたいと思います。これから始まる新たな環境に自然と恐怖心はなく、それは間違いなく、この1年間、RAHA KENYAでたくさん挑戦させてもらったからだと思います。

最後に

RAHA KENYAやアフリカ布に対する熱い想いを通して、自分の好きに正直に生きることの魅力を教えて下さったお客さま。

縫製に無知な上、拙い英語でのコミュニケーションにも関わらず、温かく迎え入れ共に走ってくれたテイラーさん達。
整っていない環境の中、私たちの想いや製作に向き合い続け、今この時も次々と新商品を生み出してくれている専属テイラーのハイドン。

家族だから何でも話してねと気にかけ、話を聞いてくれ、背中を押してくれる言葉をかけて下さったクニさん(@KKawano5

ケニアに来て間もないのに、ハイドンと共に着実に製作を進めて支えて下さっているリサさん(@ri_sa51

RAHA KENYAをより多くの方に知っていただくため、動画を通して新しいフィールドを開拓しようと日々奮闘して下さっているミズホさん(@mizuho____97

上手くできない、進まないことは一緒になって考えてくれ、何に対して不安を感じているのか、時には夜遅くまで話して寄り添ってくれ、ジョインした日から今日までずっと全力で向き合い、引っ張り続けて下さったナミホさん(@Namiho73

小さな視野に、無難な行動に留まろうとしている私に、いつも新しく大きな視点を与えて下さったリエさん(@KawanoYOME
どんな事も一緒なら前向きに乗り越えられる気がする!と安心感に繋がっていたからこそ、挑戦することができました。

RAHA KENYAを通してこんなにもたくさんの素敵な方々に出会えたこと、一緒に仕事をできたことを心から誇りに思っています。この場を借りて、関わった全ての方に感謝を伝えさせて下さい。

長くなりましたが、1年間本当に本当にありがとうございました。
RAHA KENYAも、出会って下さった皆さまも大好きです!!!

▼RAHA KENYAでは随時インターンシップを募集しております。
ご興味のある方は、是非一度こちらのnoteをお読みください。

▼インターン開始当初のnoteはこちら