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2023年に見に行ったり行けなかったりした映画

 今日は休みをとって映画ナポレオンを見に行ってきました。
 予告編を見てると「ナポレオン一代記」か、または「大激動のフランス革命」なのかなって思ってましたが、実際には「戦争の芸術家としてのナポレオンと、彼に霊感を与えるミューズとしてのジョセフィーヌの愛憎劇」という趣きでした。まあ、序盤は「これはおフランスの『首』かい?」とも思いましたが。
 スペクタクルは確かにありますし、休日もぎ取って見に行った甲斐はありました。ただ、その、いかんせん長い。3時間も劇場に拘束されるとなると、「この戦いはいつまで続くんだ」という兵士たちの気持ちを少しだけ実感できます。本編でそんなセリフないんですが。

てんぐ認定:2023年新作映画ランキング

 さて、今年はかなり劇場に足を運んで新作映画を見てきました。
 今日はそのうち、劇場に見に行った新作映画の上位10位をランキングしてみます。

  1. ダンジョンズ&ドラゴンズ アウトローたちの誇り

  2. 君たちはどう生きるか

  3. 仕掛人・藤枝梅安1,2

  4. ナポレオン

  5. ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー

  6. ライオン少年

  7. ゴジラ-1.0

  8. マーベルズ

  9. ベイビーわるきゅーれ2ベイビー

ダンジョンズ&ドラゴンズ アウトローたちの誇り

 1位はもちろん、試写会から4DXも含めて5回も劇場に見に行き、アートブックも買ったD&Dです。
 感想や関連記事も色々と書きましたからねえ。

 TRPGユーザーとしていうなら、この作品以上に面白いD&Dが見たければ、もう自分たちで卓を立てて遊ぶしかないってくらい模範的でした。
 そんな映画D&D、Amazon PrimeやU-NEXTなどの他に、12月14日からはNetflixでも配信されますし、WOWOWでも12月16日から順次放送されます。

 最高に気持ち良いファンタジー活劇の新たな王道を、この年末年始にご家族揃ってお楽しみください。

首&君たちはどう生きるか

 さて、ご家族揃ってお楽しみをとは流石に言い難いですが、北野武の「首」も予想外に面白かったです。

 少し前はそれほど注目もしてなかったんですが、公開直前のこの予告動画で「あ、これたけしのコントだ」って確信してからは一気に注目するようになりました。

 それは間違ってなかったです。まあ、あそこまでやるとは思ってなかったけどさ。
どんなに巨匠とおだてられても知識人=士の一員としては受け入れられず浅草の芸人に戻ることもできない北野武の自画像でもあり、モニターに向こうで誰かがひどい目にあったりひどいこと言わせる昭和のお笑いというものへの弔いでもありそうで、それらの見立て全てが実は全部ビートたけしにおちょくられてもいそうで、凄惨極まりない戦国フェイタリティ大会とは別ベクトルの怖さも感じます。
 それはそれとして、実際に見てるとやはり笑っちゃうんですけどね

 こういう当代屈指のクリエイターが自分の軌跡それ自体を世界観とした作品というと、宮崎駿の「君たちはどう生きるか」も外せません。

 こういう種類の新作が同じ年に公開されたというのは、天の配剤というべきか、それともひとつの時代の終焉が近づいてきているというべきなのか。

仕掛人・藤枝梅安、ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー、ライオン少年

 まともな方の時代劇からは、仕掛人・藤枝梅安もシブくて良かったです。

 で、藤枝梅安2のポストクレジットで顔を出した粋で快活そうなお侍、鬼平の物語が2024年に控えています。

 藤枝梅安のシブさは、時代劇としての王道復古から来ているんでしょう。そして新鬼平にもそんな王道の雰囲気を強く感じます。だから期待値が上がりますね。

 また、ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービーや中国のCGアニメライオン少年も、そんな王道を感じさせる作品でした。

 いま拙宅で奥さんがマリオRPGやってるのを見て思うんですが、スーパーマリオはまさに時代と世代を越えて愛される空気に満ちているのがわかります。ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービーは、そんな空気を素直に描きだしてくれてました。局所的にクセのあるやつはいたけど

 ライオン少年は競技獅子舞というユニークだけど馴染みのない題材に最初は若干気後れしましたが、見てみると少林サッカーやカンフーハッスルなどのチャウ・シンチー作品を彷彿とさせる、広東ギャグと熱血スポ根という王道のハイブリッドでした。

 ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービーの方は円盤はリリースされてますし、Amazon primeでの会員見放題配信とWOWOWでの放送も、年末に控えています。

 ライオン少年も早く、NetflixかAmazon Primeで配信されてほしいです。

劇場で見に行けなかった映画

 今年は本当に見応えのある新作映画が目白押しでした。
 その一方で、劇場で見に行きそびれた映画というのも結構ありました。
 エブエブ、大名倒産、兵馬俑の城、そしてジョン・ウィック4。

 どれも楽しみにしていたはずなんですがねえ。
 やはり、「そのうちで良いかな」は禁物ですな、映画において。
 来年は見ようと思った映画はすぐに見に行こう、うん。

2023年のリバイバル上映

 去年の少林寺4Kリマスターやウォン・カーウァイ特集を切っ掛けに、てんぐもクラシックな映画のリバイバル上映を見に行くようになりました。
 今年見に行ったリバイバル上映は、フラッシュゴードン4Kリマスター、午前10時の映画祭の地球防衛軍とアルゴ探検隊の大冒険、そして我ながら酔狂だと思いますが実写マリオこと魔界帝国の女神。
 最後のは何が酔狂かって、上映日の少し前にCSで見てたんですよね。それでなんでわざわざ2,000円も払ってスクリーンで見に行ってるのか。
 まあ、「実写マリオをスクリーンで見る機会なんて二度とないだろうしな」というのが動機ではありましたし、多分それは合ってるでしょうが、それが出費に見合うかどうかとなると、はなはだ疑問です

 一方、地球防衛軍は、円谷英二の特撮技術もさることながら、エキストラが極めて印象に残りました。
 あれは芝居とか演技っていうのとはだいぶ違うんですよね。
芝居っ気の全くない、それゆえに指示の内容と対象がはっきりわかる、鉄道の作業員や船舶の乗組員みたいな発声と指示は、実際にあの時代に生きていた人々だから身についている、「現代人が想像するリアリティ」を越えたリアリティを感じられました。
 こういう演技指導って、いまの特撮映画でできるかなあ。現場の作業員ならああいう口調なんだろうけど、それが大多数の観客に受け入れられるかどうかとなると、また別だろうし。
 そんな意味では、あの時代だからこそできた映画であり演技だった、とも言えそうです。

2024年の映画はどうなるかな

 今年の傾向としては、公開以前は「これ面白くなるの?」と懐疑的だったり、「あ、そういえばやるんだったか」くらいの軽い認識だった映画が思ったより面白い、そんな気分を劇場で味わう一年でした。
 さて、来年はどうなるでしょうか。
 今のところ見に行こうかなって気になってる映画は、「まだやるの、このおじさんたち!?」って気もしないではないエクスペンダブルズ4。

 あとデューン2もでしょうか。
 見に行くならNetflixででも前作を復習しておいた方が良さそうです。
 ただ、あれも長いんだよなあ。


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