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異世界ダンジョンへのガイド:映画D&Dへの疑問と回答

 この3/31、めでたく映画D&Dアウトローたちの誇りが公開されました。
 この映画がべらぼうに面白い、そして気をてらったようで実は王道を行く冒険活劇だということは試写会で見て実感しました。
 確信が持てなかったのは、これが既存のD&Dコア層の外側にまで楽しんでもらえるのだろうか。内輪受けになっていないだろうか。こればかりは既にD&Dユーザーとなった身としては結局はわからないし、それが一番気がかりでした。
 そして公開日とその翌日の4/1。
 映画館でもSNSでも、「ナメてたらクオリティ高かった」「楽しかった」「小学生の子供も『カッコいい』とはしゃいでた」「こういう映画が見たかった」という声が、まさにTRPGと縁がなかったと思われる層から上がっているのを見て、上記の内輪受けになっていないかという懸念は、全くの杞憂だったことがわかりました
 そして、もうひとつ共通する叫びが「なんでパンフレットがないんだ! 出てたら買ったのに!」という声。
 これは全く持って同感です。というか、なんで作らなかったんだ配給会社は
 と嘆いていても始まらない。公式がやらないなら有志がやればよい。DiY精神こそTRPGの本分です
 というわけで、てんぐからは、SNSで映画ダンジョンズ&ドラゴンズの「意外と面白い」という評判を見て気になりだしたけど「よくわからないしなあ」と気後れしてる人が浮かべるだろう疑問への回答というQ&A形式の記事をお送りします。

  • Q1:ダンジョンズ&ドラゴンズ(D&D)ってなに?

  • A1:70年代にアメリカで作られたTRPG(会話によって進行する形式のRPG)です。映画『アウトローたちの誇り』は、このD&Dを原作としています。なお、このD&Dはアメリカでは非常にポピュラーなアナログゲームで、ドラマ「ストレンジャーシングス」でも主人公たちが遊んでるシーンがあります。また、FFなど日本のCRPGにも影響を与えていることも指摘されています。

  • Q2:原作を知らないと楽しめなくない?

  • A2:結論から言いますと、まったく問題ありません。組織名や地名などの専門用語はストーリーの中で、キャラクター自身の口から自然な形で説明されます。それを聞いていれば、ストーリー進行がわからないなんてことはありません。また、主人公たちのクラス(ジョブ)や使ってる呪文や特殊能力についても映像を見れば、どういうものかピンとくるようになってます。設定も能力も背景も、映画を見てれば必要な情報は入ってくる。それが『アウトローたちの誇り』です。

  • Q3:異世界転生とかそういう話?

  • A3:今回舞台となるのは<忘れられた領域フォーゴトン・レルム>と呼ばれるD&D公式が設定してる世界のひとつです。(D&Dには色々な世界が舞台として用意されているのが特徴のひとつ)そして、主人公エドガンやその仲間たちや悪役たちは、ここで生まれ育った人々です。なので、異世界転生ものというわけではありません。ただ、異世界転生ものやそれに類する展開でこのレルムに来た地球人がいないとも言い切れません。今回の映画にカメオ登場しているアニメ版D&Dのキャラクターも、もとは地球から来た子たちですし。

  • Q4:20年くらい昔にやってた映画と関係はある?

  • A4:全く関係はありません。(少なくともストーリー上は)それはそれとして、今回の映画をきっかけにBS12とかで放送しないかな、されたらまた見たいな、とは思ってます。

  • Q5:要するに、面白いの?

  • A5:要するに、面白い映画です。春休みならご家族で、あるいは友達と一緒に見に行きましょう。円盤も出るでしょうし絶対に買う価値はあります。でもその前に、劇場で見る価値は充分にありますし、その後で友達と感想に花を咲かせてください。

 ……ざっとこんな感じで良いかな。
 身びいき抜きで、この映画を見るだけで物語の起承転結が整っていて、露悪趣味に走ることなく、世間からの「アウトローoutsider」となっても人間としての善性を信じる道が勝利に繋がる活劇の王道が描かれていて、大変に心地よい二時間少々の時間が得られます

 そういうわけで、映画ダンジョンズ&ドラゴンズ アウトローたちの誇り、是非とも劇場でご覧ください。

4/5追記:公式サイトにてプロダクションノート無料公開

 パンフレットを要望する声は公式サイドにも届いていたようです。
 しかも、それをしっかりと聞き届け、パンフレット販売ができなかったことの謝罪だけでなく、なんと公式サイトにてプロダクションノートが無料公開されました。
 
気持ちの良い映画に相応しい、気持ちの良い行き届いた対応に深く感謝します。
 そして、こんな対応をしてくれる映画は、もっともっと広まってほしいな。

 改めて申し上げます。皆さん、口コミでこの映画をどんどん広めてください。合言葉は、「意外と面白い」です。

4/11追記:公式サイトにてプロダクションノート第二弾無料公開

 公式サイトにてプロダクションノート第二弾が公開されました。
 もちろん今回も無料ですが、これはお金が取れるよ、というかお金払わせてよ、マジで
 来るべき円盤発売の折には、このプロダクションノートを購入特典として物理冊子にしてほしい
 それで値段が上がっても文句言う人いないって。

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