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捨てOONS 第四話「ねだるな、勝ち取れ」
世の中には、重大な出来事に蓋をして、知らぬ素振りで生き通している野郎がいる。「なんとかなる」を免罪符に、実際にはそれを「なんとかしている」人間にこうべの一つも垂れず、しまいには画面の向こうの得体の知れぬ存在が吊り下げた「生きてるだけで偉い」などという釣り針にまんまと引っかかる始末である。そもそも「生きているだけで偉い」などという概念が空虚に過ぎないのである。もし本当に生きてるだけで偉いんだとするな
もっとみる捨てOONS 第三話「それでもOONSは回っている」
もう一度お伝えしますが、この物語はフィクションです。実際のテレビ番組とは、一切関係がありませんからね!!また、この物語には特定の思想を擁護・批判する意図はございませんからね!!筆者と「ぼく」の思想は必ずしも一致しません。あくまでも創作物として、お楽しみください。いいですね!!あとお食事中には読まないほうがいいかもね!!!!!
結局、ぼくは、OONSを拾わなかった。目の前で、毛布一枚にくるまれたO
捨てOONS 第二話「苦みと甘み」
あれは数年前、ぼくのお父さんが株で大儲けして、ぼくたち一家がマンションに引っ越した頃のことだった。不動産屋さんが懇切丁寧に、新居でのルールを説明してくれた。まだガキだったぼくには、言ってることがさっぱりだったが、一つだけ強烈に印象に訴えかけてきたことがあった。
「ペットによる騒音問題が多発してまして、お客様の飼われているOONSなどは連れ込めないことになっておりますが、大丈夫ですか?」
「あ、その
【再投稿】山キャン感想文
学園通信をちゃんと読んでいない皆さんにも読んでいただきたく、先日学園通信に載せて頂いたキャンプの感想文の再投稿をさせていただきます。
世の中とは、戦場である。購買部で買った200円のシャーペンを振り回し、定期試験の「平均点」などという幻想と死闘を続ける戦士達。平均点が40点ぽっちのテストで「やった!41点!耐えた耐えた耐えた!!」一体どこが耐えているのだろうか。 この世の中において、戦士であるこ
捨てOONS 第一話「二丁目の衝撃」
この物語はフィクションです。実在する人物とは一切関係がありません。
なんでもない日の帰り道。若干黒ずんだ電柱と、大した物なんて売ってない自販機の間の段ボールを、ぼくは何の違和感も抱かずに通り過ぎようとしていた。
「ひろってください」無責任で無機質な平仮名と毛布にくるまれたなにか。なんだ、これは。まったく、いつの時代にもモラルのない飼い主様はいらっしゃるものだな。ふーん。あ、そういえば今日の夕ごは