砂漠を汚染する☠「ファストファッション」（AFP) 、💀ファストファッションの末路（BBC）古着の不法投棄ニュースの裏側！😱
皆さんこんにちは、ラグマスター（ラグハウスの親方）のPikaichiです。ラグハウスとは古着のリサイクル工場の事です。常日頃より、古着のリサイクルや回収にご協力下さり有り難うございます！！
①砂漠を汚染する「ファストファッション」 廃棄した古着から有害物質 チリ
2021年11月27日AFP●BB News
②ファストファッションの末路……不必要になった衣服の埋め立て地
2021年10月8日BBC NEWS
2年ほど前のこの二つのニュースは、輸出された古着が不法投棄されて環境破壊を引き起こしているという物だ、このニュースを見て驚愕した方も多いだろう。
③｢世界中の善意がアフリカの産業を殺している｣古着リサイクルに秘められた不都合な真実 25年間で繊維業の雇用が80%減少
そしてこちらのニュースは、古着の輸出によってアフリカの繊維産業を疲弊させているといった物です。
私のYouTube動画に届いたコメント
少し前にガーナの古着のごみ山動画がバズったせいで、リサイクル=ごみ山みたいな思い込みを持ってる人が多いようで、あの動画を見たからリサイクルに出すのはモヤモヤして燃えるゴミに出したとか言ってる人がいて、そういう人達に理解してもらうにはどう説明したらいいでしょうか？古着を輸出とか聞くとあの映像に結びつく人がいるようです。
私のコメントへの回答と①と②のニュースへの見解
あのニュースを見れば、誰もがそう思う事も仕方が無いのかもしれません。私が古着のリサイクルを生業にし、海外に古着を輸出していますと自己紹介すると、古着を海外に売るのは悪だと意見する方が現れる始末ですから、とほほ😥。
あのニュースでは、古着が大量に輸入されて売れない物が廃棄されているという趣旨の報道でしたが、私の認識は違います。そもそも輸入されている物は、行き場を失ったゴミなのです。古着という名目でゴミを輸出しているに過ぎないのです。
あくまでも私の私感で、ここからはたとえ話ですが。国内でリサイクル出来ない古着を産業廃棄物として処理すると１００円掛かるとしましょう、ところが輸出するのに掛かる費用が５０円で済むとしたら、輸出してしまえば５０円儲かる訳です。こういうカラクリが有って、ゴミを輸出する業者がいるのです。輸入先の国にもそのゴミを引き受ける代わりにお金をもらい、不法投棄する輩がいるのです。
そもそも貴方が古着屋だったとしたら、着用出来ない物だらけの古着をお金
を出して仕入れますか？仕入れるわけありませんよね！
あのニュースはショッキングでしたが、私には本質をついているようには思えません。なぜならば我々ラグハウスは古着を日本国内できちんと選別したうえで、ゴミは日本国内で適切に処分し、ゴミの出ない古着を生産して海外に輸出しているのですから。売れない古着が混入していれば、すぐにバイヤーさんからクレームが入りますし、古着といえども品質が良く無ければ海外でも売れないのです。
あのニュースを制作したスタッフは、海外で人気の古着の本質について誤りがあり、偏った見方の報道をしているようにしか思えません。
あのニュースを見て誤解されている方々には、日本国内のラグハウスが手を掛けて輸出している古着は、ゴミなどは出ずあのようなゴミ山には捨てられていない事をご理解いただき、今後も古着のリサイクルにご協力下さいます様お願い致します。
③の記事に対する私のオピニオン
❶【そもそも古着というのは、先進国側で「捨てられるはずだった服」なわけですから、輸出や移送にかかるコストを抜けば、ほとんどタダ同然です。】（一部抜粋）
ラグマスターのオピニオン❶
そもそも古着はタダではない。古着は再生資源としての有価物なのだ。古着の仕入れ代金、ラグハウスへ搬入するための運賃、選別、梱包の作業代、港までの運賃など考えれば、日本国内で製品にするのに最低でも１００円／1Kg当たり掛かるのだ。
さらに、日本からウガンダまでの輸送費を考えてみよう。多分、横浜港からケニアの（ナイロビ）経由でウガンダに入っていくと思う。横浜港からナイロビまでの４０フィートコンテナ輸送費は９０４７ドルだ（ジェトロの2022年度 アフリカ投資関連コスト比較調査参照）１ドル１２０円換算でも１，０８５，６４０円掛かる、ワンコンテナに２４０００キロ積むと１キロ当たりの輸送費は約４５円掛かる計算だ。
❷【ウガンダ共和国では、とある市場で国外から輸入された古着が山積みになって売られています。これらの古着は、日本円にして1枚6円で販売されているのです。】（一部抜粋）
ラグマスターのオピニオン❷
ナイロビからウガンダまでの輸送費を無視しても、日本国内で１００円、海上輸送で４５円の合計でどんなに安く見積もっても、１キロの古着をウガンダまで運ぶとなると最低でも１４５円掛かる計算なのだ。
仮にTシャツ１枚の重さが２５０グラムだとすると、１４５円÷４枚で約３６円になる計算だ。「日本円にして1枚6円で販売されているのです」と記事には有るが、そんな価格で売れるはずが無いのだ。
本来含まれるべき税金、陸送費、その他の費用、ラグハウスや日本の商社の利益、海外バイヤーや古着小売商などの利益を考えればTシャツ１枚の値段は、最低でも１００円ぐらいにはなるはずだ。つまり現地で売られている物は、古着で無くゴミなのだ。
❸【先進国から大量に流入してくる安価な古着によって、迷惑を被っているのが現地の仕立て職人や繊維産業に従事する人たちです。アフリカの多くの国々では、ミシンを使って自分で服を生産したり、繊維工場を経営したりすることで生計を立て、自立した生活を送ろうとしている人たちがいます。しかし、そういった人たちがいくら頑張って商品を作ったとしても、国外からタダ同然で入ってくる古着には到底太刀打ちできません。】（一部抜粋）
ラグマスターのオピニオン❸
果たしてそうであろうか？日本にだって昔は、ミシンを使って自分で服を造るテーラーや、零細の繊維工場を経営したりする人たちはいたはずだ。着物の仕立て屋さんだっていっぱいあったのだ。しかし現在ではどうだ？
全くいなくなってしまったではないか！これらの日本人から職を奪ったのは誰だ？フェアトレードしない大手の衣料品メーカーやファストファッションブランドなどが、海外で安価な洋服を製造するからではないのか！
この日本の現状を見れば分かるではないか、たとえアフリカで古着の輸入を禁止したところで、古着からファストファッションに置き換わるだけで、ミシンを使って洋服を作り生計を立てられる人など増える訳などないのだ。たとえ繊維工場が出来たところで、ファストファッションのメーカーの下請けにされ、劣悪な環境で搾取されるだけなのだ！ラナプラザの崩落事故を見れば火を見るよりも明らかだ。
さらに言えば、ミシンを使って自分で服を生産したり、繊維工場を経営したりすることで生計を立てるよりも、古着のリデザインや仕立て直し屋さんとして働いた方が利益が出るのではないか。実際に広くお直しがマーケットや個人宅にある仕立て屋のアト リエで行われるのだ。
だからといってゴミを輸出して良い訳でない事だけは、最後に強調して言っておきたい。
そのうえで、ラグハウス（古着リサイクルの現場）を見た事も、取材した事もない記者たちに、古着の何が問題なのかを問いかけてみたい。
そして消費者の皆さんには、SDGsウォッシュをし、フェアトレードしないファストファッションこそが問題で有り、ファッションロスの根源である事に気が付いてほしい。
また、ラグハウス（古着リサイクルの現場）を見た事も取材した事もないマスコミ記者やSDGｓコメンテーター、フリーランス国際協力師等が、古着に付いてあれこれ記事にしたり、偉そうにコメントをするのはやめてほしい！
💜ラグハウスとは💜
ラグハウスとは古着のリサイクル工場の事で、和名は襤褸屋（ボロ屋）です。ラグハウスでは、回収された古着を主に次の３種類の用途に選別してリサイクルしています。
①ウエスの原料（工業用の雑巾）
②反毛の原料（フェルトの原料）
③中古衣料（国内国外向け古着）
💜このブログをお読み頂く上での注意点💜
私のブログや記事の中では、古着や古布、襤褸布、古繊維の事を総称で古着と表記したり、またリサイクルやリユースの事を総称でリサイクルと表記している事が有りますのでご注意下さい。そして、その古着をリサイクルする業者の事を、ラグハウスあるいはボロ屋と表記しています。ラグハウスの業界用語で、選別前の古着の事を込ボロと呼ぶので、こちらもそう表記する事が有ります。
また、古着のリサイクルについてのご意見や疑問、ご質問などが有りましたら、コメント欄より是非お寄せください。丁寧に分かりやすく返答させて頂きます。
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▼古着とSDGsのホームページはこちらから
▼Rag House TVのYouTube動画はこちらから！
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