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社会システム理論自主ゼミ④「合意モデルと信頼モデル」

はじめに

こんにちは。自主ゼミも4回目で一ヶ月になります。参加してくださっている方のおかげです🥺今回も熱い議論をしましたので是非ご覧ください。過去の記事はこちらです〜


今回は第8章、合意モデルと信頼モデルとは何か?について扱いました。話題提供の様子につきましてはこちらです💁‍♂️💁‍♀️

話した内容

参加者から上がった、論点はこちらです。

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まずは、合意モデルと信頼モデルがどのようなものか?について話しました。

法と道徳の分離をしているのが信頼モデルの方
合意=非暗黙 信頼=暗黙 ではないのか?

それぞれのモデルの集合として、監視⊂信頼⊂合意となっているのではないか?
→合意でカバーできない部分を信頼でカバー、(信頼でカバーできないものを監視でカバー?) 

他者と合意するのは双方向に対し、信頼は一方通行のもの?

様々な考えが上がりましたが、まとめると
合意=法と道徳の一致、双方向、明確、道徳
信頼=法と道徳の分離、暗黙、不確かさ、損得
的なもの?

そして
信仰:神との合意(神に監視されることに対する合意)
↔空気の宗教(日本):内的な信頼モデル、恥の文化
という話も上がりました。

そして、社会システム理論では、主義/道徳があろうとなかろうと制度/システムが独立して存在する

また、信頼モデルで社会が成り立たなければ監視モデルにも移行するという事で、監視モデルにも話題が飛びました。
例えば信頼モデルで成り立っている社会では監視は成り立たないのでは?
信頼スコア:監視モデル?
国による監視vs相互監視どちらが有効か?
根拠のない監視(空気や世間)
根拠のある監視(制度、監視カメラ、隣組、信用スコア)
監視も二種類あって後者の監視も頼ることが出来なければ前者に頼る??逆?
相互監視は脆弱?

という話にもなりました。
かなり抜粋して書いているので、わかりにくいかもしれませんが、様々な論点について話しました‼️自主ゼミなので必ずしも、統一的な理解や正解に行き着くわけではないですが、疑問を共有して話していく事で格段と理解は深まっていきました。

感想(終わった後にそれぞれが考えた事)

・「道徳的現象などというものはまったく存在せず、あるのはただ、現象の道徳的解釈だけだ。」(ニーチェ『善悪の彼岸』)
道徳は自分の中にのみあり、自己欺瞞を正せるのも自分しかいない。信頼モデルにおける社会的成功の為に正しく生きるも生きないも自分次第であり、社会的立場とは関係がない。
だから、いい犯罪も悪い犯罪もある。
犯罪者に良いやつもいるし、悪いやつもいる。
いい恋愛も悪い恋愛もある。
勉強のできる悪いやつも落ちこぼれの良いやつもいる。
「差別はやめよう」というのは言葉足らずで
「社会的な属性・立場による差別はやめよう」
であり、良い差別もあり得るのではないか。
ダイバーシティも「多様性」では言葉足らずで、「社会的な属性・立場に関係なく過ごせること」であり人間的な問題はどう包括されるのか。
しかし、それらは相対的なカオスではなく、社会的正さと人間的正さは全く関係がないということではないか。と思った。

・今回も濃い話ができた思います。僕としては、社会システム全体を合意モデルで考えるのは愚かな行為という認識はありながらも、一人一人の人生の生き方としては合意モデルで回るような時間や場所は必要だと感じました。民主主義が合意モデルに基づいて全員参加の熟議を大切にすると理念的なことだけを考える(デモクラシー)ことは現在の信頼モデルをベースに回る今のシステムに合わないのは分かりましたが、デモクラティズムだけでうまく行くか?と言われると汎システム化が強くなりすぎてしまうと思うので、時たま可能な範囲でデモクラシー的な熟議や合意し合える間柄が大切なのではと思っています。ありがとうございました😊

・昨日はお疲れ様でした。このゼミの皆さんの現状や、これからのことなど聞けてとても興味深かったです。
(ルーマンによれば)“社会学ができることは、事態を記述することだけで、何が善いとか、何が正しいとかいう権利はない。しかもその記述も、「社会の社会学」に相関した相対的な「真理」であって、普遍的な妥当性は要求できない。(大澤)”
“相対的な「真理」や、システムに相関した「正義」を、絶対的で普遍的な真理・正義と取り違える、押し付けがましい主張に対して徹底して距離をとる。(ibid.)”ルーマンの社会システム理論は先端の社会学理論であり、ここから導かれるのは「民主制度」に象徴されるようなラディカルなアイロニズムな立場ということなのでしょう。この論理を頭でその通りだなと納得し、規範的な価値に基づく合意が不可能であると知っていながら、それでもなお!(ウェーバー)と規範的なものを追い求める努力はやめないというのが、自分は正しいあり方な気がします。

次回もお楽しみに‼️


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