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日本が財政破綻する確率は○○%!?

7月1日時点の総務省の人口推計(1億2484万人、概算値)で単純計算すると、国民1人あたりで約1005万円の借金になった。 およそ20年前の03年度は550万円で、1人あたりでみると2倍弱に増えた。 税収で返済しなければならない国の長期債務残高は6月末時点で1010兆4246億円と、3月末から6.7兆円減った。

日経新聞

導入

国の借金は一人当たりいくら、と子供の頃から聞かされてきました。
それって将来国からお金が貰えるのかな?と当時はワクワクしましたが、そんな良い話では決してありませんね。
むしろ、私達一人一人が負っている借金、という方が近いかもしれません。
政府の財政支出は社会保障やインフラ等、私たちのために使われているわけですから。

少子高齢化と長引く経済停滞によって、政府の財政支出は増えども収入は増えません。税金を引き上げ続けて何とか社会福祉を維持していますが、毎年巨額の赤字を垂れ流している状態です。
政府は社会保障費を削ろうとすれば、支持層の猛反対に遭うとみているのでしょう。なので現状維持の選択となるわけですが、問題に解決の兆しがないため、これから税金は途方もないほど上がるはずです。

負債の額

さて、2021年の国の歳入は約70兆円であり、37兆円を国債で補填しています。ところで、国の債務残高はいくらでしたでしょうか?

国税庁

1010兆円です。
収入に対し14.4倍の負債があるということです。

規模が大きすぎるので、人で例えてみましょう。
手取りが400万円のAさんがいるとします。
Aさんの毎年の支出額は600万円です。
支出が多いので当然収支はマイナスで、現在は合計-5760万円の借金があります。

いくら低利子でお金を借りることができるといっても負債が大きすぎますよね。あなたなら、Aさんにお金を貸しますか?

私は株式投資家ですが、ある企業の負債総額が毎年の利益の6倍以上なら投資候補から外します。あまりにも負債が多いと、利息と返済で株主へのリターンが減るだけではなく、それ以上に問題である倒産リスクが付きまとってくるからです。

世間では、MMT理論がどうだ、といって日本はお金を発行する力を持っているので絶対に破綻しないと主張する人達がいます。
しかし、それほど都合の良い世界ならば歴史上で財政破綻した国はなかったはずです。
難しく考える必要は決してなく、最終的には日本に負債を返す能力があるかどうかにかかってくるはずです。

通貨価値は信用という微妙な概念で成り立っています。
一度、日本には返済する能力がない、とみなされれば一気に破綻が進み、ハイパーインフレでせっかく貯めた貯金も意味をなさなくなるでしょう。

下図は、債務残高GDP比のランキングです。日本はもはや悪名高いベネズエラやギリシャと同じレベルであることがわかります。

グローバルノート

終わりに

財政破綻の話題には、国民の間で正常性バイアスが働いているようです。
正常性バイアスは、異常なことが起こった時に「大したことじゃない」と落ち着こうとする心の安定機能のようなものです。日常生活では、不安や心配を減らす役割があります。
つまり、異常が起きつつあるにも関わらず、「今まで大丈夫だったからこれからも大丈夫」と皆で考えているのです。

日本の債務の現状は、政治への関心を失った国民のツケなのは明らかです。
与党には「社会保障の現状維持で支持率がとれる」という、債務問題を後回しにする明確な動機があります。破綻は将来のことなので、今の政治家は自分には関係ないと考えているはずです。
リーマンショックの際も非常にIQの高い人たちが、わかってはいたものの後は野となれ山となれといった態度でそれを引き起こしたことは有名です。
どれだけ賢くても人間は間違える生き物なので、安全弁が必要です。
そして本来、政府の暴走を止められるのが民主主義だったはずです。
果たして今日、日本で民主主義は機能していると言えるでしょうか?

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